もちろん、走って。
志賀島(「しかのしま」と読む)は、1周約10km。九州本土から海の中道という1本の道をたどって上陸できる。
その海の中道は、両側を海に挟まれた素敵な道なので、当然ここも走る。
まずはJR鹿児島本線と海の中道線を乗り継いで、終点の西戸崎駅(「さいとざき」と読む)まで電車で移動し、そこから走り始める。
↓西戸崎駅。
この西戸崎駅から志賀島までは4kmちょっと。
海の中道に入るまでは、人家のまばらな田舎道という感じの場所で、取り立てて何も無い。
だが、海の中道に出ると、そこは右も左も海!
この道の先にあるのが志賀島だ。
海の中道の進行方向に向かって左側、内海である博多の街側の海はやはりちょっと汚くて、外海である向かって右側の海はとてもキレイだ。
↓右側の海。長い砂浜が続いていて、人影はほとんど無い。
適度に風もあり、暑いなりにも走り心地の良い道だ。
海の中道が志賀島にぶつかったところに、いきなり砂浜と海の家がある。
それが志賀島海水浴場だ。
僕が求めているのはこういう感じじゃないんだよなー。。。
そのままそこを通り過ぎると、海沿いの道が延々と続く。
右手は海、左手は崖。
これがまさに僕が求めていた風景!
地元の人には「あんまりキレイな海じゃないですよ」と言われていたのだが、いやいや、どうして、透明度も高く充分キレイな海だ。
もちろんテンションも上がりっぱなし。まだ体力も残ってるし。
島の東側の海岸は、わりと岩場が多く、あまり海水浴には適していなさそうだが、スキューバダイビングの人たちがチラホラ見かけた。
非常に気持ちよさそう!
また、岩場だけあって、サザエやアワビなどが採れるのだろう。たびたび密猟に対する警告の看板が見受けられた。
3年以下の懲役刑とは知らなかった。
密猟って、密猟罪みたいなのがあるのかな? それとも、単なる窃盗罪なのかな?
養殖の生簀の中の魚や貝をとれば所有権の侵害にあたるから窃盗罪なんだろうけど、天然モノは所有権が定かでないだろうから、窃盗罪は成立しにくいんじゃないだろうか。
漁業権の侵害という観点から言えば、罰金刑はありそうだけど、懲役刑になったりもするのかな??
とにかく、思ったよりも海がキレイで、そこにばかり感動していた。
今回は海水浴の準備を全くしていなかったけど、来年の夏には是非水遊びがしたいものだ。
しばらくいくと、ピンクに建物が目に入った。近辺に建物がほとんどないので、余計に目立つ。
壁には「志賀島バーガー」と書いてある。
どんなバーガーだろうと思って覗いてみたが、そもそも営業してなかった。残念。
その「志賀島バーガー」のあたりに、ちょっと特徴的な岩があった。
トンネルみたいに穴が空いている。
きっと何か名前があるんだろうけど。
志賀島の周りの海は、こういう岩が突き出していることが多いようだ。
↓その先すぐのところにあった、道路脇の謎のトレイル。
ランニングシューズだったので、今回はスルー。
その後すぐに、勝馬海水浴場に出る。
あまり浜辺は大きくないようなのでそのままスルー。
このあたりで、1人のランナーに抜かれた。
志賀島で見たランナーは、結局その人1人だけだった。
ロードバイクの人はたくさん居たんだけどね。
やっぱり炎天下に走るような物好きは、あんまり居ないのかも。
で、このあと、「潮見公園」という道標につられて島の内陸に入る。
事前に地図をよく覚えてきたつもりだったが、「潮見公園ってこのへんだったっけ???」と、なんとなくピンと来ないままに内部に踏み込んだ。
たしか、潮見公園の標高は160mぐらいだったはずなので、トレーニングにはちょうどいいか、という程度にしか思わず、深くは考えなかった。
で、↓こんな坂を延々と登る。
地味にキツイ。。。
5、600m程度行ったところで展望の良い場所に出た。
はたして、このまま行って、すぐに潮見公園にたどり着けるのだろうか?
念のため地図を見ると、潮見公園まではかなり距離がある上に、振り出しに戻るような場所だった。。。危ない危ない。
仕方なくそのまま引き返して、また勝馬海水浴場の前に出た。
勝馬海水浴場を出ると、すぐその先には下馬ケ浜というキレイな砂浜がある。
今回島を1周した中で、この浜が僕の一番のおすすめだ。
砂浜の手前には芝生があり、木陰もある。そして、長い砂浜には人影がまばら。
のんびりするのにはとても良い環境だ。
その下馬ケ浜の、道を挟んだ向かい側には、休暇村という保養施設のようなものがあり、そのへんの海の家よりも快適そうな設備が揃っている。
そのすぐ先には、イタリアンのお店もあったり。
窓際の席からの眺めはきっと素晴らしいに違いない。
もちろん僕は、すさまじい量の汗をかいて全身ズブ濡れだったので、入店は遠慮した。
その先には志賀島国定公園というのがあって、トレイル風の遊歩道があったり、あまり展望の良くない展望台があったりするのだが、人っ子一人居なかった。
↓展望台への遊歩道
↓微妙な展望台
↓微妙な展望台からの微妙な展望
このあたりから体力的にきつくなってきた。
水は、飲んだり、頭からかぶったりして、すでに500mlのペットボトル3本を消費した。
遠くの方から頭痛の気配。吐き気も止まらない。
これは熱中症なんじゃないだろうか、と思いながらもなんとか前へ前へ。
もう島の3分の2は走り終わっていたわけで、こんなところでヘバってたまるかと。
この先で気になっているポイントは2箇所。
まずは、蒙古軍供養塔。
鎌倉時代の蒙古襲来の際に犠牲になった地元の人を供養する碑がある。
って、行ってみたら、石段かよ!
ちなみに、この写真に写っているのは中央の踊り場まで。
その先、右に曲がってさらに登る。
もういい加減足に来ていたので、この石段がキツイなんてもんじゃない。
それでもなんとか登ったところ、真正面に日蓮上人の坐像。
向かって左手に蒙古襲来の錦絵のような絵がはめ込まれた石碑。
そして、石塔多数。
なんだか、写真を撮るのが躊躇われて、写真には収めなかった。
石段を下りて、また走り出した。
すると、何故かすぐまた蒙古軍供養塔が!
なんだよ!
石段の上のとは、どんな役割分担なんだよ! せっかく登ったのに!
最後の観光スポットは金印公園。
そう、志賀島は、あの「漢奴倭国王」の金印が出土した場所なんですね。なんでそんなところから出土するのかは分かりませんが。
そんな関係で、その金印を記念した(?)公園があるわけです。
それがこちら。
って、また石段かよ!
もういいよ!
自販機でコーラを買って石段を上がり、そのまま木陰のベンチにヘタりこんだ。
もう吐きそう。。。
金印公園では、金印の印章の大きなレリーフが置いてあった。それ以外はあんまり金印ぽくない、普通の散歩道のある公園だった。
眺めはそこそこ良く、ヤフードームや福岡タワーが見えた。
ここまでくれば、もう1周はほとんど終わったようなもの。
吐きそうになりながら、また走り出す。
残りの行程は、民家が立っているような町中の道。
これを福岡市営の渡船発着場まで走ればゴール。
とはいえ、この最後の最後がキツイ。
時刻はもう12時半を回って、太陽が真上から照りつけてくる。吐き気も治まる気配が全くなかった。
よほどヨレヨレになって走っていたのだろう。すれ違うロードバイクの人が、「ファイトーー」と声をかけてくれた。とてもありがたかった。
だが、もう僕にファイトは残っていなかった。。。
そして、12:50、やっと渡船発着場に到着。
なんかすごく辛かった。。。。
↓この船で博多へ帰還。
乗船する前からすでに吐き気があったのだが、船の揺れがそれに追い打ちをかけた。
久しぶりの乗り物酔い。。。
そんな踏んだり蹴ったりの志賀島1周は、西戸崎からの道のりも含めて約15km。
暑さに負けてタイムは散々だったが、もうちょっと涼しくなったらまた来たいと思わせるような良いランニングルートだった。
次の機会には、是非160mの標高差を一気に駆け上がりたいと思う。
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