このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年9月15日月曜日

山行記 : 2014年9月13日~ 剱岳リベンジ 1日目 剱沢キャンプ場まで



(この記事は「計画概要&0日目」の続きです。)



山の朝は早い。

松本駅前のホテルの窓からは、常念山脈がキレイに並んでいた。

パッキングを完了し、いよいよ出発である。
情けないことに、ヘルメットとコップのスペースを確保できず、外付け。
無念だ。
(ザックは、グレゴリーのバルトロ75)

信濃大町駅には8時前に到着。

駅前からは、先月ロクに見えなかった針ノ木岳が素晴らしく丸見えだった。
いつか登りたい山の一つだ。

信濃大町からバスで扇沢へ。
そこからトローリーバスで黒部ダムへ向かう。

黒部ダムに着くと、空には筋雲が。

立山は山頂付近に雲がかかっていた。

この日の室堂の天気予報は、曇りときどき晴れ、午後からにわか雨。
うーむ、テント張り終わるまで天気は保つのだろうか。

黒部湖は、今日も水を満々とたたえていた。
この水を、放水。
虹もできる。

ここからはケーブルカーで黒部平へ。
黒部平の展望台からは、遠くに鹿島槍が見える。

立山は、やはり雲の中。

ここからロープウェイ、トローリーバスと乗り継いで、室堂には10:55着。
昨年はこの乗り継ぎにモタついて苦戦したのだ。今回はその反省を生かし、順調である。


室堂のターミナルで昼飯の鱒寿司とさらさら汁を買って、外に出てみると立山は相変わらず雲の中。
しかも、とても肌寒い。
あわててフリースを着込む。

広場は例によってたくさんの人がウロウロしているのだが、
記念写真商売の人の掛け声が、常に「イー、アール、サン!」だったところに、中国の勢いを感じた。

そんな記念写真商売を尻目に、我々は鱒寿司とさらさら汁で昼飯にした。
この「さらさら汁」だが、どうやら佐々成政のサラサラ越えの際に作られたとされる汁物をモデルにしているそうな。
サラサラ越え好きの僕としてもテンションの上がる美味しさだった。

腹ごしらえをし、身支度をして、11:50、本日の幕営地・剱沢キャンプ場に向かっていよいよ歩き始めた。
室堂はすでに草紅葉も始まりつつあり、チングルマもすっかり秋仕様である。


11:57、みくりが池。
そして、みくりが池温泉。

ここを越えたあたりから、火山ガスの臭いがキツくなってくる。
喉はイガイガ、目はショボショボ。かといって、ハンカチ等で鼻や口を塞ぐと、苦しくて歩くのがしんどくなるし。
向こうに見える雷鳥荘を越えるまで、この火山ガスとの戦いだ。

12:07、血の池地獄。
池塘としてはステキな場所なのに、名前が壮大すぎてショボく見えてしまう。

12:16、雷鳥荘にやっと到着。
ここからは火山ガスの心配をせずに歩ける。

下を見ると、雷鳥沢キャンプ場が見える。
まだ昼過ぎなのに、かなり多くのテントが張られていた。
テントをデポって、立山縦走でもしているのかな?

雷鳥荘から雷鳥沢ヒュッテの間は、通路が工事中だった。

雷鳥荘を過ぎたところから、地獄谷が一望できる。

12:26、雷鳥沢キャンプ場に到着。
目指す今夜の幕営地は、写真奥の山を越えたところにある。
前回もそうだったが、この乗越しが憂鬱だ。

キャンプ場を抜け、雷鳥沢を渡る。
橋の手前には、例によって立て看板が。
我々はすでに宿泊を断られ、テント持参なので関係なし。むしろ、テント場がいっぱいで、テントが張れないなんてことが発生しないか、そればかりが心配だ。

橋を渡ると、いよいよ上りが始まる。
なんだか今日は、いつにも増して荷物が重く感じる。(実際は、いつものテント泊と変わりない重さ。)
どうもコンディションが良くないようだ。
うーん、帰りたい。

花の時期はとっくに過ぎているので、そういう意味での楽しみは少ない。
せいぜいこんなもん。

ナナカマドの実は赤く色づいていたが、葉っぱはまだ緑のまま。

登り登り振り返ると、次第に雷鳥沢が遠くになっていく。
が、先はまだまだ遠い。
「夏山JOY」の表紙を飾りそうな爽やかなコントラストの絵ヅラだが、登っている本人はまったく調子が上がらず、すでにバテ気味である。

西側からは不穏な雲が迫ってくるし、天気が保つのか不安で仕方がない。

延々と続くガレた登山道に、心も思わずうつむき加減。
ひとつ積んでは父のため。ふたつ積んでは母のため。(積んでないけど。)

もうすぐ剱御前小舎だと己を励まし、次第に近付く別山乗越を目指す。

大日岳も雲の向こうに薄ら見えるだけ。

やっと乗越だ!
室堂方面のガスもちょうど切れて、眺望が得られた。

12:58、剱御前小舎に到着。
ここで小休止。

別山乗越からは、剱岳の姿が拝める。
明日は登ろよ、あの頂きに。
などと景気の良い話が出来ないほどバテていたので、ひたすら明日が思いやられるばかりだった。

15分ほどの休憩の後、剱沢キャンプ場に向かって下り始めた。
ここからは下りなので、だいぶ気楽である。

剱御前の稜線と、その直下に残る雪渓。
この雪渓、去年よりも大きいような。

剱沢キャンプ場に向かって高度を下げるにしたがって、どんどん剱岳が姿を顕にしてくる。

14:26、「石井逸太郎」と掘られたレリーフ前を通過。
このレリーフは、石井逸太郎氏という地質学者の遭難碑のようだ。
氏は昭和30年にこの付近の氷河地形を調査中に、真砂の大滝で転落死したそうだ。

少しずつ遠のく剱御前小屋と別山乗越。

ここのチングルマは、まだ花を咲かせていた。

テント場はもうすぐそこ。

14:50、テント場の管理事務所に到着。
受付を済ませ、水場とトイレの説明を受ける。

水場の水は、なんと塩素消毒がされているとのこと。
お腹の弱い僕でも安心である。

また、トイレにはトイレットペーパーが備えられているとのこと。
持参したトイレットペーパーの量に不安を感じていた僕には、これもまた朗報だった。

テントを張る場所を見つけ、設営開始。
なんとかにわか雨が来る前にテントを張ることができた。一安心だ。
写真左下のモンベルのテントが、今晩の我々3人の寝床である。

それにしても、この日のテント場はモンベルのテントがやたらと多かった。
隣のモンベルのテントからは、
「テント、どこだか分かんなくて遭難するかと思ったよ。モンベルだらけで全然分かんなくなっちゃって」
という声が聞こえてきた。それぐらいモンベルだらけだったのだ。
こりゃ、トイレに行ったあとなどは気をつけなければ。

こうしてテント設営も終わり、コーヒーを飲み終わったところで、ついに雨が降り始めた。
テントの外に広げていたものを慌てて撤収し、テントの中に逃げ込んだ。
まだ時刻は16時にもなっていない。
仕方ないので、酒を飲み始めた。四方山話に花が咲く。これが雨の日のテントでの過ごし方だよなー。

テントのフライシートを叩く雨音を聞きながら、時間が過ぎていく。
17時を過ぎても18時を過ぎても、雨は止まない。
降りが弱まったかと思えば、すぐまた雨足が強くなる。
「にわか」雨じゃなかったのかよー。

仕方ないので、テントの前室でお湯を沸かし、アルファ米等を処置して食事を済ませた。

19時を過ぎた頃、雨音がしなくなったことに気付き、外に出てみると満天の星空だった。
たまに星が流れる。
これならば、明日の天気は大丈夫だ。
と思っていたら、また降り出した。
いったいいつまで降るんだ・・・。

明日の天気は大丈夫なのだろうか。。。


(「2日目 登頂!」につづく)




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