このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年9月21日日曜日

今回の『Coyote』は星野道夫特集

恥ずかしながら、星野道夫を初めて知ったのは、ここ数年のことだ。
初めてその作品に触れたとき、僕は
「出会うのが遅すぎた」
という思いと、
「若い頃に出会わなくてよかった」
という、矛盾する思いが錯綜した。

もし若い頃に、星野道夫の作品に出会っていたならばどうなっていただろうか。

僕は20代の頃、極端に失うものの少ない、刹那的な生活をしていた。(今も本質的には、大して変わらないわけだが。)
だから、星野道夫の強烈な生き方、そして、メッセージ性の強い作品に触れていたならば、もしかしたらアラスカに旅立ってしまっていたかもしれない。

が、その一方で、そのような衝動に駆られながらも未知の世界に対する恐怖感が勝って最初の一歩を踏み出せず、悶々とするばかりだったかもしれない。

いずれにしても、当時の僕に何らかの影響を与えずにはいなかったであろう。
そうなれば、おそらく、今の僕のちっぽけだけれど平穏な日々は無かったものと思われる。
(良くも悪くも。)

なにしろ、心の瑞々しさを失ったオッサンになってから出会ったにもかかわらず、星野道夫の作品とメッセージは、僕にマッキンリー登山を決意させたのだから。
(マッキンリーには、50歳の年に会社を1ヶ月休んで行く予定だ。それまで鍛錬を積んで、体力および技術の維持・向上に努めなければならない。)

そんな星野道夫特集を組んだ雑誌『Coyote』には、書店でたまたま出食わした。

普段は手に取ってもみないような雑誌だし、そもそも普段足を踏み入れないようなコーナーに置かれていることが常なのだが、たまたま(本当に、たまたま)近所の本屋で目に入って、即購入したのだ。

ページをめくると、星野道夫自身の過去の作品と、縁者による追悼が、絶妙な構成で配されていた。
その文章の一句一句に胸が熱くなり、写真の一枚一枚に心を奪われる。

夏草の生い茂る広大な大地の写真(蚊が多いんだろうなぁ)や、岩と雪と氷の写真(寒いんだろうなぁ)を見るにつけ、この場所に未だ訪れ得ぬ自分の人生に意味などあるのだろうかと、嘆きと興奮の入り混じった気持ちになる。

東京で己の食い扶持を稼ぐのに汲々としている今の生活の対局にある(少なくともそう見える)アラスカの大地。
たまらん。たまらん。たまらん。


来年あたり、1週間ぐらい休暇取って行ってこようかな。。。
マッキンリーは日程的に無理だけど。。。



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