このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2011年11月30日水曜日

詳報 : 2011年11月27日 河口湖マラソン

行ってきました、河口湖マラソン。

朝7時の気温は、大会側の発表によると微妙に氷点下だった模様。
6:30には会場入りして手続き、荷物置き場の確保をしたが、すごい人、人、人。
トイレも、大のほうがすごい行列で。女子トイレはすごく空いているようで、普通の街中の光景とは逆転現象でした。それだけ女性参加者が少ないということか。

7:30には開会式が始まり、参加者はスタートラインに立ったわけですが、これがもうすさまじい混みよう。
↓自分のスタート位置からスタートライン方面を撮影した写真。
















参加者は総勢約1万3,000人だそうで、それが10km、27km、フルの種目に分かれずにいっぺんにスタートする。そりゃ混むわ。

開会式では、お笑いコンビのデンジャラスが軽快に滑り、アントキの猪木が絶妙に掴み、有森祐子さんがハイテンションで会場を沸かしていた。
本当にいつ見ても有森さんは元気だ。

8:00、ついにスタートの合図。
僕が居たのは予想タイム3時間半~4時間の人のスタートラインだったのだが、それでもスタートラインを超えるまでに10分以上の時間を要した。

スタートするとすぐにトイレに駆け込む人、人、人。
あんなにダッシュでトイレに駆け込む人を見たのは久しぶりだ。しかも何人も。
きっとスタート前に用を足せなかったのだろう。

スタートして1kmほど走ると、正面に富士山が見えるようになる。
晴天の朝だけあって、富士山の姿が間近にはっきりと見ることができる。うっすらと雪を被った姿は、やはり日本一の山と呼ばれるだけのことはあって雄大だ。

















スタートからしばらく行くと、いったん折り返しがある。
その中に、一緒に参加したメンバーの姿があったり。やっぱり自分が一番遅い模様・・・。
ここで有森さんとすれ違う。
有森さんは我々下り坂のランナーに大声で
「下りは力を抜いてリラックス!」
というアドバイスを送ってくれていた。
3年半前の霞ヶ浦マラソンで同じく有森さんから聞いたアドバイスとまるっきり同じアドバイスで、かなりホッコリした。

5kmをすぎたあたりで尿意を催す。やっぱりスタートを待ってる間に冷えたのかもしれない。
でも、そのあとしばらく、見るトイレ見るトイレ、片っ端から長蛇の列。みんな考えることは同じ模様。

しばらくトイレを探しながら走っていると、トイレに見切りをつけた人たちが沿道で立ち小便をしているのを多々見かけた。
何故か不思議なことに、いくらでもいろいろな立ち小便ポイントがあるだろうに、複数人が固まって同じ場所でしているのだ。しかも、別にツレというわけでもなさそう。
登山でならば、その場所の生態系が変わっちゃうからもっとバラバラにやってくれよ、と言いたいところだが、所詮下界なので気にしないことにする。

10km過ぎに、やっと空いているトイレを見つけて駆け込む。
やっぱりトイレを手早く済ませるコツは、簡易トイレではなく公衆便所に駆け込むことだ。
というのも、簡易トイレの場合、大をしている人も含めて待たなくてはならないが、公衆トイレならば小は小だけで回るので、ほとんど待たなくて良いからだ。


ところで、今回は、前回および前々回の反省を活かして、エネルギーの補給計画をしっかりと考えていた。

それは、10km、20km地点でそれぞれアミノバイタルのゼリーを1コ摂取し、30km地点でCCDのゼリーを1コ摂取し、35km地点で苺大福を摂取するというものだ。
河口湖マラソンはエイドが非常に充実していて助かるのだが、それに加えてある程度の自力補給も用意しておかないと腹が減って倒れそうになってしまう。
特に最後の最後、なぜか僕は固形物が腹に入っていないと空腹感で走れなくなってしまう。そこで、わざわざ苺大福を持って走るのだ。

また、25km以降はいい加減風景にも飽きてしまい、心がダレるので、気分転換に25km地点から音楽を投入することにした。
そのためにiPhoneも持って走った。
曲はAKB48。AKB48を聞いていると、元気がとりえの若いおねーちゃんがずらっと沿道に並んで応援してくれてるような気分になれるんじゃないかと思ってのチョイスだ。

結果、30km地点までは思い描いていたとおりのレース運びができた。
登りも下りも平地と全く同じ走りができたし、20kmを過ぎて早くもペースダウンしている人たちを面白いようにガンガン抜いて、きっちり自分のペースを守って気持ちよく走れたのだ。

ところが、30kmを過ぎたところで突然足が動かなくなった。
あれ?おかしい、と思ったのも束の間、完全に足に来ていることに気付かされた。

35km地点手前のエイドでは、予定通り立ち止まって、水を片手に苺大福をしっかりと食べたが、30km以降では唯一それだけが予定通りだっただけで、他の全てが予定外だった。
びっくりするほど足が動かず、1kmあたり6分のペースどころか、6分半のペースも保てなくなってしまった。
正直なところ、音楽も30km以降は全く耳に入らなくなった。やっぱり他力本願はイカンのだと痛感した。

35km以降、鼠径部が痛くなってきた。こんなところが痛くなったのはいつ以来だろう・・・?
膝も曲がらない。屈伸をしても焼け石に水。
腕を大きく振って、無理やり上半身の勢いで走った。そういや村上春樹はそういう走り方をして、人生初のマラソン後に腕がパンパンに腫れ上がったって書いてたなぁ。

どんどん抜かれる。びっくりするほど抜かれる。悔しいけれど、自分を抜いた人についていけない。あいつだって、全然速いペースじゃないじゃないか、と思うのだけれど、足がついていかない。
本当に悔しい。

37kmあたりで、今回の目標タイムをオーバーすることが確実になった。何のための1年だったのか。

40km過ぎたあたりから、歩いたほうが早いんじゃないかというスピードでしか走れなくなった。
だったら歩けば良いようなものだが、このコンディションでは、歩いたらもっと遅くなるので、無理やりにでも走る体勢は崩さなかった。

ゴール直前のバックストレート。
もはや自分でも走ってるのか、足を引きずって歩いているのか、どっちだか分からなくなっていた。
もはや走るだけの力が残っておらず、今更のラストスパートをかけている人たちにもガンガン抜かされる。情けない・・・。

ゴールタイムは恥ずかしくて書けません。
ひとえにトレーニング不足でした。不徳のいたすところです。。。

ゴール後に完走証と完走賞をもらった。
完走賞は、去年はバスタオルだったが、今年はTシャツになっていた。バスタオルのほうが良かったなぁ。。。

その後、仲間と合流。
仲間もみんな、それぞれにベストには程遠い結果だったようだった。


今回の反省点としては、

  • 30km過ぎにはやはり魔物がいる。普段から30km以上の長い距離を練習すべき。
  • 音楽の投入はもっと後ろのタイミングで。
  • 夏にもっと走り込みをして、スタミナをつけておくべき。

というあたり。

これに対して、良かった点は、

  • 坂道ダッシュのトレーニングや甲州フルーツマラソンはアップダウンの対応に非常に役立った。
  • 補給はやはりエイドに頼っただけでは不十分。自分の食い扶持を自分で持っていったのは良かったし、補給計画もアミノバイタルとCCDを組み合わせたのは良かったと思われる。
  • とりあえず、30kmまでは現時点での思うような走りができた。
というあたり。



最後、河口湖駅前から見た富士山。
絶対来年はリベンジしてやる。

















余談だが、荷物置き場として開放されていた建物の中で、トレイルランナーの奥宮さんをお見かけしました。多分僕は奥宮さんに周回遅れにされたんだと思うんですが、気付けませんでした。
調子が悪かった旨をブログで書いていらっしゃいます。


2011年11月26日土曜日

いよいよ

明日はとうとう河口湖マラソンの日。
今日夕方に現地入りします。

結果はまたここでレポートします。

2011年11月20日日曜日

河口湖マラソンのナンバーカード通知書

河口湖マラソンのナンバーカード通知書が届いた。
要は、参加受付表だ。

いよいよ1週間後にせまった河口湖マラソン。日ごろのトレーニングはこの大会に向けてのもの。
今年はあまりしっかりとトレーニングできなかったが、登山のおかげで膝の故障も無く、今月頭におこなった30km走では、例年よりも良い仕上がりだった。

正直なところ、タイム的には僕は並以下だが、本番を前にやっぱり人並みに緊張もする。とても気が重い。何故あんな長い距離、面白くもないコースを42kmも走らなきゃならんのか、毎回気が重い。
さあ、今日から大会が終わるまで断酒だ。。。


ところで、ナンバーカード通知書に、ある意味スゴいチラシが入ってた。

それは、日刊スポーツの定期購読の勧めだ。
なんと来年の河口湖マラソンにおいて、日刊スポーツを3ヶ月購読でハーフマラソンの部に、6ヶ月購読でフルマラソンの部に招待選手として参加させてくれるというのだ。

新聞業界は、もはやナリフリ構わんのか。。。
すさまじすぎる・・・。


インプレッション : マップケース

僕は山に行くとしょっちゅう地図を見る。
道に迷わないように、というよりも、地図と周囲の地形を照らし合わせて、地図読みの練習をするというのが本当のところだ。

そんなわけで、マップケースは常に手早く地図を見れるものでなければならない。

そもそもマップケースなんか要らない、という人もいるが、地図をポケットに突っ込んでおくとボロボロになってしまうので、非常に抵抗感がある。
そのため今のところ、マップケースを斜め掛けする方法で落ち着いている。

はじめはハイマウントのマップケースを使っていた。






















いろいろなメーカーがマップケースを出しているが、A3サイズはあまりないので、やむを得ず使っていた、という感じだ。
ハイマウントのマップケースの最大のウリは防水と値段の安さ。
防水についてはまったく文句ナシ。価格も1,000円を切る。

使い方は、マップケース本体を丸めて、付属の紐を引っ掛けてまとめつつ、それを首からぶら下げて携行するのだが、この紐を本体に固定する部分が脆弱すぎる。

本来、このように↓紐がとめられている。





















この部分がとめ具ごと抜けてしまうのだ。↓






















これが、たまたま1回だけではなく、僕がこれまで使っていたハイマウントの同タイプのマップケースは全てこの問題が発生した。
作りが華奢すぎる。

現在使っているのはSEAL LINEの「HPマップケース」のラージサイズ。





















A3サイズで広い範囲が見やすい。
しっかりしたネックストラップもついている。
地図を収納する部分もしなやかなウレタンで、ハイマウントのゴワゴワとは比べ物にならない。
その分、お値段も5,000円近いが。。。

1点だけ残念なのが、これをロールしてまとめたときに、そのまま留めておくための方法が無いのだ。
仕方ないので、別途マジックテープを買ってきて使っている。





















今のところ満足して使っている。


あと、余禄として、100円ショップとかで売っているジップのついたポリ袋を使う方も多いようです。
















安いので使い捨てにしてもいいぐらいだが、防水性にも不安があるし、山行中にパッと取り出すのも難しいので、あんまり気が進まない。


2011年11月16日水曜日

インプレッション : SOTO ポケトーチ

山に行くときは百円ライターは必携だろう。
とはいえ、百円だけではいろいろ不便なことも多い。第一、百円ライター本体より上にあるものに火を付けるのは簡単だが、下に置いてあるものに火を付けるのは難しい。
その点を補なえるのはジェット式のライターだが、これはこれで低温になると着火が悪くなる。

そこで、この「ポケトーチ」だ。


















中身がフリント式の百円ライターなのだが、ポケトーチ本体の着火は電子式。つまり、百円ライターはあくまでガスタンクの役割である。もちろん、ガスが無くなったら詰め替え可能。
 しかも、炎はジェット式ターボライターで風にも強い。

低温のため電子式の着火の調子が悪くても、中のフリント式百円ライターを取り出せばそのまま使えるわけで、二度おいしい。

着火はスイッチ(?)を押すだけ。


















スイッチを離せばスイッチが自動的に戻って、火が消える仕組み。

使い道はいろいろですが、僕は食材にマヨネーズを乗せたときに、これで炙って香ばしくいただきます。

ただ、最近使い込んだせいか、スイッチを離しても戻りが悪く、火が中途半端に着き続けるという状態が発生します。
その場合は、スイッチを引いてみて、本来あるべき位置に戻してやると火が消えます。

2011年11月14日月曜日

奥多摩小屋

奥多摩小屋は、七ツ石山と雲取山の間にある町営の山小屋だ。

もともとは有人小屋だったが、2002年に小屋番がいなくなり、無人小屋になった。
管理は雲取山荘で行っている。

登山道から、一段低くなっているところにひっそりと建っている。
多分、風を避けているのだろう。

















下りていくとこんな感じに姿を現す。

















中の写真は撮り忘れたが、薪ストーブが置いてあり、煤の匂いがする。昔ながらの山小屋という感じだ。
トイレは別棟で建っている。

ネットで奥多摩小屋の標高について調べると、数値がバラバラだったが、小屋の手前に立っている標識には1,750mと書いてあった。



















ここから雲取山山頂までは、通常で1時間程度と言われているが、そこそこキツイ登りなのでそれなりの覚悟が必要な道である。


2011年11月13日日曜日

インプレッション : トランギア フューエルボトル 0.3ℓ

1泊であればそんなにたくさんの燃料を持たなくてもいいだろうと思い、アルコール用の燃料ボトルを購入。

トランギアの300mlのやつ。


赤くてかっこいい。

写真だけ見るとステンレスとかアルミとかの缶に見えるが、実はポリエチレン製。95g。
微妙に重い。

フタはこんな感じ。





















なんでこんな形になっているのか、よく分からないが、アルコールが気化して中で圧力が高まったときに、フタを開けたときの吹きこぼれを防いでくれそうな雰囲気がある。
あくまでテキトーな推測。


2011年11月12日土曜日

インプレッション : エバニュー  Tiアルコールストーブ EBY254

今年の9月の甲斐駒ケ岳で、ガスストーブが何故か着火せずヒドい目に遭ったので、トラブルの少ないアルコールストーブを購入した。






















エバニューのチタン製アルコールストーブだ。
チタン製なので軽く、火が消えた後もすぐに冷めてくれるので取り扱いが楽だ。

本体はこんな感じ。↓























細かいことはハイカーズデポのレポートを見てほしい。

で、このアルコールストーブは単体では使えない。五徳が必要である。
このアルコールストーブ専用の五徳がこれ。↓





















素材はアルコールストーブ本体と同じでチタン製。とても軽い。

組み立てるとこう。






















で、乗せるとこう。






















で、ケトルを乗せるとこんな具合。





















安定感はそこそこ。

ただ、アルコールストーブそのものの自重が非常に軽いので、地面が水平でないと、上に乗せたクッカーごとヒックリ返りかねない。

で、ホエーブスとかガスストーブなどは、燃料が圧力で噴射されるようになっているので炎自体に勢いがある。だから、比較的風に強いのだが、アルコールストーブは少しの風で炎がゆらゆらしてしまう。

というわけで、必ず風防を使わないといけない。
こんな感じで。↓






















意外と燃料を食うので、ガスより燃費が良いとは思えないし、火力の調節が全くできないので、その点で不便だ。
だが、トラブルが発生しにくいというのは心強い。しばらく使ってみようと思う。



2011年11月9日水曜日

山メシ : バケットとスパム

山でちょっとハイカラ(死語)なものを食べたいときに持っていくのがバケット。要はフランスパンです。
食パンと違って本体が固いので、多少乱暴にパッキングしても潰れたりしないのがとても便利で、それを輪切りにして、その上にちょっとしたものを乗せて食べたりすると、なんとなくオシャレ。

僕の場合は、スパムを乗せることが多い。
体力を使った後のスパムは格別です。

作り方はすごく簡単。

1.バケットを輪切りにします。
2.スパムを輪切りにします。
3.両方ともスキレットで焼きます。(お好みでスパムにコショウを振ったり、バジルソースを和えたりしてもOK)





















4.バケットにスパムを乗せます。























5.そのまま食べてもよし。マヨネーズを乗せてもよし。マヨネーズを乗せる場合は、ポケトーチなどでマヨネーズを炙るとなおよし。


たったこれだけ。
具材はスパムじゃなくてもOKで、たとえばツナマヨネーズとかアンチョビとかクリームチーズとか、パンに合うものならなんでもアリ。
ツナマヨネーズの場合、やっぱりポケトーチで表面を炙ると、焦がしマヨネーズになっていい感じです。
使うのもスキレットだけなので、汚れ物も少なくて済むのです。


ちなみに、上の画像では、正確にはスパムではなく「わしたポーク」という商品を使っています。スパムほどクドクドしてなくて、僕個人としてはこちらのほうが好きです。

これがまた、ワインと合うんですよ。



具材のカットはカッティングボードを使ってもいいでしょうが、僕は汚れ物を増やすのが面倒なので、パンは新聞紙の上、スパムは缶の上で切っちゃいます。(下の画像参照)
























簡単なので是非お試しください。


2011年11月8日火曜日

インプレッション : クレイジークリーク ヘクサライトオリジナルチェア

今年、雑誌やブログやアウトドアショップの店頭で散々見かけたクレイジークリークの持ち運び便利な座椅子
正直なところ僕は、わざわざそんなカサ張るものを持って行ってどうすんの?と思っていた。

 でも、2011年7月16~18日の常念山脈縦走の2日目、テント場での滞在時間が長いのに、座っていて背中を持たせかけるものも無く、テントの中で寝っ転がっていても暑くてしんどいという状況を経験してから、ちょっと考えが変わった。
 これ、いいかも。

で、購入して使ってみたところ、びっくりするぐらい具合が良かった。




















座面のクッションがハニカム構造になっていて、しっかりした座り心地なのに軽量という素晴らしさ。
足を突っ張ったり腹筋に力を入れたりしなくても、自分の体重で背もたれを支えるので、非常に楽な姿勢でいられるのだ。
これに座って、景色を眺めながらのんびりコーヒーを飲むって、非常に贅沢な気分になれました。


あと、一応メーカーの売り文句としては、サイドのストラップの留め具を外せば半身用のスリーピングマットにもなる、ということらしい。
でも、その使い方は夏山じゃないと無理じゃない? どう考えてもサーマレストのゼットライトより全然寒そうだもん。ウルトラライト志向の方ならいけるかも。

インプレッション : ユニクロ ウルトラライトダウンジャケット

ユニクロのダウンベストに引き続き、ダウンジャケットも買ってみた。

やっぱり軽さに魅力を感じたのと、650フィルパワーということで、最低品質はなんとかクリアしているだろうという期待と、なんといっても6,000円を切るという安さに惹かれたからだ。

で、2011年11月4、5日の奥多摩小屋テント泊で使ってみた。

結論から言うと、やっぱり奥多摩の標高1,700mそこそことはいえ、この時期の山の夜には向かなかった。日が暮れると早々に寒さが身にしみた。

ダウンの下のレイヤーは
  • モンベルの薄手のウール長袖
  • マウンテンハードウェアのジップ半袖
  • コロンビアのマイクロフリース
という感じ。

2011年9月23、24日の甲斐駒ケ岳では、ダウンの下のレイヤーは同じで、ダウンをコロンビアのパッカブルな薄手のダウンセーターに変えただけの状態で、明け方に0度以下になる状況に耐えられたのだが、今回は最低気温も5度以下にはなっていなかったはず。
やっぱり、軽さ=ダウンの量が少ない、ということなのだろうか。

ただ、この軽さと薄さを考えると、夏の北アルプスの夜とかなら、かなり使い勝手が良さそうだ。
なんせ、マイクロフリース1着よりも軽いぐらいだし。

ダウンのクリーニング代1回分にちょっと上乗せするだけで買えてしまう価格もやっぱり魅力。
安物買いの銭失い、とも言うが。

2011年11月7日月曜日

インプレッション : シートゥーサミット コンプレッションバッグ

僕は、ウェアやらテントやらシュラフやらを小さく畳んで小さい袋に収納するという作業がとても苦手だ。性格が雑なので、きっちりやれないのだ。

そんな僕には、コンプレッションバッグが救いの神に見える。
というわけで導入したのが、シートゥーサミットのコンプレッションバッグである。

これは、下の写真を見ていただいても分かるように、ざっくりと入れて、それをギューーーッっと圧縮して小さくするのだ。

(圧縮前)


















(圧縮後)


















形はシュラフにありがちな筒型というよりも、潰れたスチール缶みたいな感じだが、僕はパッキングに不便を感じることはなかった。

しかもこのコンプレッションバッグは素材がゴアテックスなので、ギューーーーッっと圧迫すればゆっくりと空気が抜けてくれて圧縮しやすい。

ゴアテックスなのでもちろん防水もバッチリ。
山行で濡らしたくないものといえば着替えとシュラフなので、いつも僕はシュラフを大きなポリ袋に入れてからパッキングしていたのだが、けっこうカサ張って嫌だったのだ。取りだしたり仕舞ったりするときにガサガサと音がうるさいし。

このコンプレッションバッグで、
  • うまく袋に入れられない
  • カサ張る
  • 濡れるのが心配
という3点が一挙に解決して、非常にハッピーだ。

ちなみに、僕が入れているのはダウンシュラフで摂氏0度まで対応のシュラフで、コンプレッションバッグのサイズはLサイズだ。

このコンプレッションバッグのおかげで、わりと無理なく60リットルザックでテント泊ができるようになったと言っても過言ではないだろうと思う。あくまで僕の場合だが。

山行記 : 2011年11月4日~5日 奥多摩小屋 総括

全体としては、「登山」ではなく「アウトドア」な感じ。
ただ、単独行なので、結果的に外で引き籠っているだけ、という話もある。

今回のポイント。まずは飲食関連から。


【1】コーヒー

やはり空気の良い場所で、静かに富士山を見ながらコーヒーをすするというのは、非常に気持ちが良い。仕事の昼休みにコーヒー飲むのとは、全く比べ物にならないぐらいに美味い。
1泊の単独行なのに、水3リットルとドリップコーヒー5つ持って行ったのは間違いではなかった。


【2】ワイン

ワインをボトル1本分持って行ったのは、ちょっとやりすぎだった。
酒は好きだが弱いので、マグカップ2杯で充分。今後は小さい容器を買って持参することにしたい。


【3】ごはん

ストイックに山を登るときはメシはあくまでカロリーベースでしか考えないのだが、今回のようにのんびり楽しむ山は、ごはんが充実していたほうが絶対に良い。
単独行にもかかわらず、今回はそれを強く思った。
今後の食糧計画に加味したい。


【4】チョコレート

最近は行動食としてあまりチョコレートを持って行かなくなった。ドロドロに溶けたりすると厄介だからだ。
でも、今回のようにある程度気温が落ちついている場合は持って行くべきだと考えなおした。
単に、チョコを食いたくなったというだけの話なのだが、やっぱりグミでは甘さが足りない。


続いて行動計画について。


【5】行動スケジュールの組み立て

どんな山行でも、何度も行ったことがあるところでも、事前に出発時刻やコースタイムを確認すべし。
でないと、バスが無くてタクシー使うハメになったり、到着予定時刻が思ったより遅くなったりといったトラブルが生じてしまう。
今回の失敗の全ては、何度も行ったことがあるという驕りと、あいまいな記憶による錯誤によるものだ。
やっぱり基本をおろそかにしてはいけない。


以上、今年中にあと1回は山行計画を立てたいものだが、ちょっと状況的に無理かもなぁ、、、

山行記 : 【2日目】 2011年11月4日~5日 奥多摩小屋 絶景独り占め編

11月4日は17時に寝入ってしまったが、その後19時に目が覚めて、そのまましばらく眠れなくなってしまった。
文庫本を1冊読み終わってもまだ眠気が来ず、もんもんと考え事をしながら、しんとした山の夜でまんじりともできなくなってしまった。

サルの鳴き声が聞こえるのは良いが、やはりジェット機の音が聞こえるのは興ざめ。

0時を回っていつの間にか寝入って、気付くと朝の5時。まだ外は暗い。
どうせ今日は下るだけだからと、そのまま1時間以上シュラフの中でだらだらして過ごす。

6時半にシュラフから這い出し、朝日に照らし出される風景を眺めながらモーニングコーヒーを飲む。

















昨日はこの景色を楽しむ余裕が無かったが、まさにこの眺めを堪能するためにここまで来たのだ。
一番奥の山並は多分大菩薩嶺。半月前の甲州フルーツマラソンはあの辺りだったんだなー。

クレイジークリークの座椅子に座ってゴハンを食べたりコーヒーを飲んだりしていると、すぐ後ろの登山道を歩く人たちから声をかけられる。

「いい風景ですね」
「独り占めですか」
「贅沢ですね」

当たり前です。このためだけに来たんだから。うらやましいだろ。

より立地の分かる写真はこちら↓。
















風がある時には見事に吹きさらしになる場所だが、ちゃんと出発前に気圧配置を確認して、風が強くなる気配が無いことを確認済み。
思ったとおり、そよ風程度しか吹かず。

8時を過ぎたあたりで食後のコーヒーを飲み終わったので、撤収準備を始める。
片付けが苦手なほうなので、いつも撤収には時間がかかる。

9時半前ぐらいに全てが片付き、パッキングも完了。





















例によって、ザックはグレゴリーの旧トリコニ60。
オスプレーのイーサー85を使うとどうしても色々持って行きたくなってしまうので、今回もこのサイズに収めた。1泊だし。
性格的にウルトラライトと真逆な志向性なもので、荷物を削るのが苦手なんだよね、、、

画像左下に写っている黒い物体は熊撃退スプレー。
咄嗟のときにすぐに使えるように、カラビナでぶら下げて歩いた。

9:20、出発。

鴨沢のバス停まで歩くわけだが、14時台のバスに乗るので、14時までに鴨沢のバス停に到着すれば良い。
多分3時間もあれば着いてしまうのだが、少し余裕を見て出発することにした。
この風景とのお別れは名残惜しいけれども。

帰路は、せっかくなので七ツ石山のピークを通ることにした。
きっと山頂からは眼下に広がる紅葉が素晴らしいに違いない。

ブナ坂に至るまでの道は、到着を焦っていた昨日とは違った風景に見えた。
もうすでに、この標高1,700m付近では紅葉も終わり、すっかり冬の趣きであった。





















その風景に身を置いていて、芭蕉の生涯最後のものとされる句がふいに思い出された。

「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」

芭蕉は病臥にありながらも、心は旅路にあったのだ。しかも、景勝地などではなく、「枯野」である。
人生の中心を旅路に過ごした芭蕉ならではの説得力が感じられる句だ。

この辺りからの眺めはやはり素晴らしく、雲海が無ければ相模湾まで見えちゃうんじゃないかという勢いだ。

















そして、これから登る七ツ石山。





















七ツ石山は小さな山で、奥多摩小屋側からアプローチするとブナ坂から20分で登れてしまう。
ただ、眺望は大変良く、雑木に多少ふさがれた東側を除き視界が非常にクリアだ。

というわけで、サクっと山頂に。
標識と三角点。
















北側は、今来し方。
















画像右側が、まさに今歩いてきた尾根道。
奥にそびえるのは奥秩父主脈。

西側には、遠く南アルプスの山々が見えた。
















東側は、木々の間から高丸山が見えるが、景観としてはしょぼい。
















眺望を満喫したら、そのまま七ツ石小屋方面に下る。

七ツ石山の南東斜面は岩がゴツゴツしていて、ちょっと歩きづらい。





















うち捨てられた祠。





















どうもこれが七ツ石神社らしい。もはや地図にも載らない神社だが。
平将門が祀られていると言われている。

七ツ石という名も、そもそも平将門に由来する伝説が元のようだ。

曰く、平将門がこの辺りに陣を張り、追討軍である藤原秀郷に相対していた。
将門は藁人形で6体の影武者を作り、自身を含めて7体のうち本物はどれか分かるかと挑発した。
秀郷が成田不動に念じたところ、吐く息が白くなっているのが本物の将門だというお告げが下された。
それで秀郷は、吐く息が白くなっている真ん中の将門めがけて矢を射り、見事命中させた。
すると、藁人形は七つの石になったという。

この伝説を聞くたび、6つの藁人形が何故7つの石になるのか、将門本体も石になったのか、それとも、藁人形が将門の影武者になったのではなく、将門が藁人形に化けていたことから、将門がかぶっていた藁も石になったのか、なんだか話の整合性が気になってモヤモヤするのである。

ちなみに奥多摩には将門伝説が多いらしく、七ツ石山から石尾根を東に数キロ下ったところに将門馬場という地名があり、将門の軍が馬の調練に使っていたとかいう話があるらしい。
また、その将門馬場のすぐ東にある六ツ石山にも、将門を祀った大きな自然石がある。

話が逸れたが、この七ツ石神社は、今でこそ廃屋同然になっているが、幕末頃には年に1度賭場がが開かれたそうで、そのときは非常な賑わいだったようだ。
そんな七ツ石神社を過ぎると、登山道はいったん東に向かう。
その道すがら、巨大な自然石を迂回するように登山道がつけられている。






















その傍らには、おそらくこの石にまつわる何らかの話が書かれているであろう石碑があったのだが、いかんせん風化がひどく読み取れず。






















そのままどんどん下って、七ツ石小屋上の分岐に到着。
そこに水場がある。





















七ツ石小屋の水もここから引いている模様。

10:30ちょっと前に七ツ石小屋到着。
















あんまり立ち寄る気はなかったが、ここでトイレ休憩を取る。
この奥に休憩用の広場があるのだが、人がたくさん居たので撮影は自粛。
けっこう展望は良く、眺望の無い道を延々と登ってきた人にとっては、かなりの開放感だと思う。

ここまでゆっくり歩いたつもりだったが、それでもまだペースが早い。もう少しゆっくり歩かないと、バス停で待ちぼうけだ。
とりあえず落ち着いてトイレを済ませ、再び歩き出す。

下りはじめてすぐに分岐に差し掛かる。
左手が近道、右手がだらだら道。
近道は、近道だけあって、急な登りを直登するルートで、笹薮を切り開いたハードな道だ。
だが、ここからだらだら回り道をするのもシャクなので、近道を選択。






















ここを暑い季節に通ると、笹薮に風を全部遮られるのでとてもツライ。
今回は下りだし、涼しい時期なのでそれほどキツくはなかった。

あとは前日に通った道をそのままひたすら歩くだけ。
途中、ちょっとした広場でランチ。わざわざお湯を沸かしてコーヒーを入れて、たっぷり時間をかけた。

鴨沢のバス停には13:30到着。
バスの時刻は14時台としか覚えてなかったが、14:33。
1時間待ちかー。。。

とりあえず、今年5月には鴨沢のバス停はソフトバンク携帯の電波は見事に圏外であったが、今回はバリバリ圏内。ちょっと見直した。

14:33、バスは2台で来たが、見事に満席になった。やっぱり混むなー。

15時ごろに奥多摩駅に到着。
日帰り温泉で垢を落とし、さっぱりして帰宅。

最寄り駅から自宅まで歩いている途中で、見知らぬ女性3人組が
「うわ、すご、本気の登山だ」
と大声で話しているのが聞こえた。
やっぱり街中で60リットルザックは異様だよな。。。






2011年11月6日日曜日

山行記 : 【1日目】 2011年11月4日~5日 奥多摩小屋 思ってたんと違う!編

いきなり寝坊でスタート。
家を出るのが大幅に遅くなって、奥多摩駅に着いたのが10時すぎ・・・。

















さすがに平日のこの時刻、奥多摩駅前は人の姿もまばらである。休日は人でごったがえして白タクまで現れる場所なのだが。

バス停で出発時刻を確認すると、しばらくの間バスが無い。さすが平日。。。
やむを得ないので、鴨沢までタクシーに乗る。
料金は5000円弱。バスなら610円。痛い・・・。

タクシーならば鴨沢よりもさらに標高を200m上がった小袖乗越まで行けるのだが、鴨沢で降りてしまった。このあと、小袖までの標高差200mを登りながら、ずーーーっとこのことを後悔し続けた。

10時半を少し回った時刻に鴨沢をスタート。
雲取山への登山口に到着したのは11:20。























いくらなんでも時間かかりすぎ。
どうも前日の30km走のダメージが残っているようで、足が思うように動かない。
小袖乗越までタクシー使えばよかった。。。

登山口はこんな感じで地味。





















入り口の道標にはタクシー会社の案内が貼ってある。






















鴨沢のバス停から奥多摩駅に向かうには、11時台のバスを逃すとあとは14時台まで無い。
雲取山登山の人たちからすれば、雲取山荘を8時に出るとしても、コースタイムどおり歩いて昼休憩を30分取ったとしても13時には鴨沢に着いてしまうので、タクシーが使えるなら使ってしまったほうが良いだろう。

ところがこのタクシー、実はワゴン車が2台あるだけで、しかもドライバーが電話を受けるので運転中は電話に出ない。なので、なかなか配車のお願いをするだけでも一苦労。
しかも、詰め所は奥多摩駅なので、うまく電話がつながっても、30分程度の待ちは覚悟しなくてはなならない。
ちなみに、予約は受けていないそうだ。
ということで、出たとこ勝負なタクシーなのでスケジュールを組み立てずらいのだが、他のタクシー会社は鴨沢界隈には来てくれないので、やはりこの京王タクシーにお願いするしかないのである。

さて、登山口からしばらくは、こんな感じのだらだらしたトレイルが続く。





















木漏れ日が温かい。
っつーか、日なたはむしろ暑いぐらい。これでホントに11月なのか?

登山口から20分ほどのところで廃屋が現れる。
















造りが山小屋っぽくないので多分民家だったんだろうけど、どんな経緯のある建物なのか全く分からない。

このあたりはまだ紅葉がまだら模様だ。

















あ、でも、緑なのは針葉樹かもしれない。

その廃屋のすぐ先には、小袖方面への分岐が現れる。

分岐といっても、本道とは比べ物にならないぐらい雑な、道というよりは山仕事の人たちに踏み跡と言ってもいいぐらいの道だ。手持ちの2010年度版「山と高原地図」には載っていないが、国土地理院の2万5000分の1の平成19年発行の地図には載っていた。
あと、地図には載っていないが、小袖山のピークに向かっていそうな、作業道みたいなのが新たに作られていた。

その分岐に新たに立てられた道標。





















今年の5月に来たときには無かった、真新しい道標だ。
で、その道標の柱の焼印、どっかで見たマークだなぁと思ってよくよく見てみたら、





















東京マラソンがこんなところに!

僕は東京マラソンの第二回から毎回申し込んでいるのに、未だに一度も当選していない。苦々しい。

そこからはしばらく、ダラダラと登りがつづく。正直、面白くもなんともない道だ。
堂所から先は尾根道になるが、そこまでは谷から尾根にひたすらトラバースする道なので、展望は無いし、薄暗いし。

12時半過ぎに、堂所の手前の水場に到着。





















ここの水量は元々多くないのだが、それにしてもチョロチョロだなーと。
他のパーティが「水場って、これ??」と驚いていたが、少なくとも僕はここでは補給しない。

その水場のすぐ先にある、ちょっとした広場。
休日は何人もの登山客が休憩しているが、平日の今日は珍しく誰も居なかった。
















ここに掲示されている所要時間の目安がこれ。
















ただ、この所要時間はやや健脚向けか。
20kgオーバーの荷物と30km走のダメージの残る足では、ブナ坂まで1時間半では無理。

13:00。やっと堂所が見えてきた。





















堂所が近づいているのは、尾根筋がどんどん近づいてくるから分かりやすい。
その尾根筋と登山道がはじめて交わるのが堂所だ。

で、その堂所の道標。





















この堂所から、登山道とは別に西の沢筋に下りる道のようなものがある。





















その入り口には丸太が置かれ、こっちが道ではないことを示しているようだ。
それにしてもこんなにはっきりと道のようになっているのは何故だろう。
すごく興味が湧いて、ちょっと行ってみた。

入ってすぐは立派な道に見える。





















でも、100m程度入ると、いきなり途切れる。





















かなりの急斜面。
かろうじて踏み跡のようなルートがあるが、どっちにしてもここを下ったところで、片倉谷に出るだけだろう。今度、軽装のときにでも試してみるか。

登山道にもどり、再び登り始める。
ここからしばらくは、木漏れ日が明るい尾根道が続く。気持ちが良い。





















色づいた木々が多くなってきた。





















気持ち良いが、だんだん勾配がキツくなってきた。
どんどん標高を上げていく感じ。

13:26。「山と高原地図」では分かりづらい切り替えし部分を通過。





















「山と高原地図」ではこんな切り替えしは見当たらず、道は直進しているかのように見える。
しかもこの切り替えしを切り返さずに直進するかのような道が真正面に見える。
きっとそれで道迷いする人がいたのだろう、そっちの入り口には「登山道ではありません」という看板が立っている。ありがたいことだ。

ここを過ぎてもひたすら尾根をガンガン登っていくルート。
この勾配に疲れ果てた頃に現れるのが、七ツ石小屋への近道ルートとの分岐。
















右側の道が七ツ石小屋への近道。この道がハンパなくキツイ。
本日は七ツ石小屋には用が無いので、迷わず左へ。

ここから先しばらくは、なだらかな道が続く。七ツ石山の巻き道みたいなものだから、距離はあるけど楽なんだよね。

と思いながら歩いていたら、物騒な標識が。

「危険 (落石事故あり)」





















「危険 落石事故ありました」






















注意はありがたいけれど、七ツ石小屋を経由する巻き道は登りがキツいのでノーサンキュー。
この看板に書いてある「ブナ坂への最短ルート」がどのルートを指すのか分からないが、たしかに地図上の距離だけでいえば七ツ石山の山頂を経由するルートが最短ルートではある。でも、どう考えてもそれは一番キツいルートでもあるわけで。

というわけで、迷わず左側へ。
こんな感じの道を行く。





















そのすぐ先に細い沢がある。





















そして、またしても看板が。

「飲料不適」
「給水は七ツ石小屋で」





















うーん、この沢で給水するって、崖を降りなきゃならないからかなり難易度高いと思うんだけど・・・。
なんかさっきから、不自然に七ツ石小屋へ誘導する看板が・・・。


それにしても、どこで落石事故があったんだろう?
最近のことであれば、登山雑誌なんかで目にすることもありそうなもんだけど。
とりあえず道はしっかりしている。





















ここか?





















「落石」という事前情報が無ければ単にガレてるだけと思うレベルだが、たしかに真新しい石がゴロゴロしている。
まー、周囲の気配に注意しながら歩けば大丈夫な程度。わざわざ七ツ石山の山頂経由で避けなければならない程ではない印象だ。

そのまま緩やかな登りをだらだらと歩き続ける。
いい加減飽きた頃、やっとブナ坂にたどり着いた。14:40。
































ブナ坂からは、広い広い展望の開けた気持ちの良い尾根道を辿って40分も歩けば奥多摩小屋に到着だ。

まずはこの広い尾根を歩く。





















引き続き尾根道を歩く歩く。
















展望が開け、この尾根の名物・腰曲がりの木。

紅葉の風景も。
































その後、すぐにヘリポートが見える。
































傍には注意事項の看板が立っている。
















幕営しやすい平らな場所なので、こういうの書いておかないとテント立てちゃう人がいるんでしょうね。

ここまで来ればもう到着したようなもの。
とはいえ、この時点ですでに15時を回っていた。
影もだいぶ長くなってしまっていた。





















今回は登山が目的じゃなく、奥多摩小屋のテント場でのんびりするのが目的だったわけだが、これじゃのんびりするほどの時間は無いかも。。。

15:15、奥多摩小屋到着。
















10時半過ぎに鴨沢を出発して、ここまで4時間半もかかってしまった。情けない。
などと悲嘆にくれる暇も無く、テントの設営。

とても展望の良い開けた場所にテントを立てる。
隣のテントまで200mの距離。これだけ離れていると、小さな物音すら立てないように気をつけるような息苦しさから開放される。これこそが平日登山の醍醐味だ。

テント設営が終了し次第、さっさと夕飯の支度。
普段はアルファ米でさっさと済ますのだが、今日はちょっと一味違う。






















ワインもたっぷり用意してある。





















ワインはプラクティパスに入れておくと酸化しにくいのでGOOD!

目の前には夕焼けに映し出された奥多摩、奥秩父の重畳たる山々と富士山。
















この風景を独り占めしながらワインを飲む。至福。

だが、夕暮れともなると、急激に気温が下がってきた。テントの外では寒くてのんびりなんかしてられない。

まだ17時だったが、テントに入ったら眠くなってしまった。
そのまま就寝。
いったい何をしにここまで来たんだ・・・。

なんか、ちょっと思ってたんと違う。。。