このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2013年10月27日日曜日

高尾にて ~あるいは高尾山公式アプリのこと~

10月27日の東京は台風一過の底抜けの青空に恵まれた。

夕方からT-WALLでクライミング講習を受ける予定なのだが、こんな好天の日に山に行かない手はないでしょう。
というわけで、高尾山口から一丁平をトレランで往復してきた。

稲荷山からは筑波山が見え、
高尾山の展望台からは富士山がしっかりと見えた。
高尾山からこんなにハッキリと富士山を見たのは、随分と久しぶりな気がする。

気分良くもみじ台を通過したところで、
富士山をビデオカメラで撮影しているジイサンに出会った。

そのジイサンは、ただのジイサンではなく、随分長いことアマチュア山岳カメラマンをやっていたそうで、写真と山の気象に一家言あるようだ。

話を聞くと、高尾山公式アプリで使われている写真の中にも、このジイサンが撮影した写真が使われているそうだ。

この「高尾山公式アプリ」は、9つの図鑑と3つのガイドから構成されており、図鑑一つひとつのボリュームが凄まじい。
しかも、掲載されている写真も臨場感のあるハイクオリティなものばかりで、写真を見ているだけでも楽しいし、解説文も熟読に値する。

僕もこのアプリは前々から使っていて、無料とは思えない情報量とクオリティに感動半分、呆れ半分だった。
そのアプリは、こういう市井の人々に支えられて作られているのだなぁと知り、今後もより一層バズらなきゃイカンと思った次第だ。
スマホを利用している皆様は、ぜひダウンロードしてみてほしい。

なお、アプリ本体をダウンロードするのは容易だが、そのアプリを起動後に別途、読みたい図鑑やガイドをダウンロードする必要がある。
図鑑の情報量が凄まじいことは先に触れたとおりだが、それだけの情報量をダウンロードするわけだから、当然重い。
ぜひWi-Fi環境で試されることをおすすめする。






2013年10月26日土曜日

背負ってみた : OMMのMountain Packシリーズ

OMMといえば、山岳マラソンのギアなわけだが、いわゆるトレイルランニングというよりも、ロゲイニングで走り回る、といった感じの競技を想定した作りになっているということは、お好きな皆様はご存知のことだろうと思う。

このため、トレイルランニングのザックよりもOMMのザックは容量の大きいラインナップが多いのだが、その中でも特に、Mountain Packシリーズと言われるザックは、こんなん背負って走れるのか?という容量だ。

容量は3種類。

35リットル:Jirishanca 35
45+10リットル:Villain 45+10
55+15リットル:Mountain Mover 55+15L

いずれもリップストップの入ったダイマーニ生地で、軽くて丈夫。
また、背中のパットは取り外してスリーピングマットにもなる優れもの。
見た目もカッコ良く、物欲を激しく刺激されるのだ。

このうち、Jirishanca 35 と Villain 45+10 を店頭で実際に背負ってみた。

結論から言うと、身長166cm、体重50kg台後半の僕には、ショルダーハーネスが合わなかった。
骨格が華奢なため、全くフィットしなかった。
やはり、厳ついイギリス人が背負うのを想定した作りになっているのだろう。
無念である。


ちなみに、もっと容量の小さいラインナップのMarathonPackシリーズについては、僕でも違和感なく背負うことができた。
余計に無念である。







2013年10月14日月曜日

山行記 : 2013年10月12日 御岳山~千足沢 滝三昧

10月12日は朝から日帰り登山。
が、10月11日は日帰り出張で、帰宅は22時半を回っていた。
準備は何もできていない。嗚呼・・・。

それにもめげず、10月12日、朝8:00には新宿駅に。
そこからホリデー快速おくたま号に乗って同僚2人と一緒に御嶽駅へ。

今回のコースは、ケーブルカーで御岳山に上り、そこから七代の滝、ロックガーデン、綾広の滝を経て、大岳山の直下からつづら岩、天狗ノ滝を経由して檜原方面へ下山するというコース。
滝を見て回るのがメインなので、大岳山の山頂は踏まない。


電車、バス、ケーブルカーと乗り継いで、ケーブルカー御岳山駅に10時過ぎに到着。
ケーブルカー御岳山駅前の大きな藤棚には、大きな実がなっていた。

今年の夏は天候不良に散々苛まれたが、この日は、幸い非常に好天で行楽日和だ。
ただ、10月中旬だというのに東京都心で最高気温30℃の予報で、御岳もすでに十分暑い。

10:17、御岳山に向かって出発。

御岳山の山頂は神社なので、山頂へは階段で上がる。
この時点ですでに連れの汗のかき方が尋常じゃなく、この先の行程に不安を覚える。

10:41、御岳山の山頂に到着。

ひと通りのお参りをしたら、次は七代の滝へ。

10:56、長尾平の茶店。
土日祝日のみ開いているという茶屋なのだが、ここの主がパレスホテルの元ソムリエというのはあまりに有名。冬にはホットワインなども供してくれる茶屋だが、今日はまさかここで飲むわけにもいかないので、このままスルー。

11:14、七代の滝に到着。

なんだが、3年半前に来た時の印象と比べ小さいような、、、
いろんな滝を見て、目が肥えてしまったのだろうか。。。

ここからロックガーデンを目指す。
ノックガーデンへの登り返しは、急な階段が延々と続く。

金属の階段が終わると、最後の仕上げとして木の根の階段が現れる。

11:25、天狗岩に到着。

せっかくなので登っておく。

紅葉のシーズンだと、この天狗岩の上からの眺めはなかなかなのだが、まだこの時期はなんということもない。
岩のてっぺんでは天狗の像のゲートが開かれ、天狗の象と肩を組んで記念撮影をしている人々がいたが、それってOKなんだっけ??

とりあえず、バチが当たる前に岩を下りる。

天狗岩の先にはロックガーデン。
苔むした岩の渓流を間近に見、飛び石を使って何度も渡渉する気持ちの良い場所だ。
このロックガーデンを下から上がっていくのは初めてなので、どんな風に見えるのか楽しみだ。

やはりこの時期は、水量が少ない。

渡渉ポイントもしっかりした飛び石が置かれているので安心だが、足を滑らせないように注意が必要だ。

次第に渓谷な雰囲気が濃くなっていいって、
11:55、休憩所に到着。
休憩所近辺は人だらけ。
この休憩所にはロックガーデン唯一のトイレが併設されている。

すでにここまでで予定より30分ほどビハインドしているので、先を急ぐ。

さらに濃くなる緑。

この階段を抜けた先に、
綾広の滝が現れる。
ここは滝行にも使われる場所で、それにふさわしい大岩がオーバーハングにそそり立っている。

ここからは急坂を登って渓流の上に出る。
12:12、分岐に出る。
分岐を右に行けば御岳山方面、左に行けば大岳山方面だ。
連れの1人の発汗が尋常じゃないので、念のためコンディションを確認する。引き返すなら、今がベストなタイミングなのだ。
結果、引き返さずに、予定通り進むことにした。

ここから芥場峠までが、地味にダラダラひたすら登りが続く。
それほど勾配はキツくないのだが、ただ地味に延々と続く登りに、連れが音を上げる。
が、容赦なくグイグイ歩く。

12:31、芥場峠に到着。

分岐には、ハセツネのコース指示が立てられていた。
明日からこの場は激闘の舞台となる。

ここから先も、しばらく登り斜面が続く。
12:45、「これより岩場」の道標が現れる。

といっても、それほどキツい場所ではない。
が、単なるスニーカーだと岩の突き上げで足の裏がシンドいかもしれない。



13:02、大岳山荘(休業中)の屋根が見えてくる。
この大岳山荘は、休業中とはいえ、土間を休憩場所として開放しているので、雨天の際などには重宝する。

そのすぐ目の前には、大岳山山頂直下、大岳神社の広場がある。

この広場で昼メシ。
今日は昼メシに時間をかけられないので、コンビニで買ったオニギリ。
だが、食後には、出発前にスタバで購入したアイスコーヒーを飲む。500mlサイズの山専ボトルは、スタバのグランデサイズにちょうどなのだ。
季節はずれの暑さに、アイスコーヒーがたまらん。

ここから、大岳山には登らずに、南西方面に伸びる登山道をたどる。

13:40、分岐が現れる。
この分岐には小さな祠もある。

右に進むと鋸山だが、今日は左へ。
この分岐からは、南東方面に向かう。

この尾根が、思いのほか気持ちの良い場所で、ドーパミン全開になる。
狭い尾根なので、樹木が茂っていても完全に視界を塞ぐほどではなく、左手には日の出山方面、右手には生藤山方面が見える。

13:49、ちょっとしたベンチのある展望地に到着。

そこからは、富士山も見えた。
写真では薄らとしか分からないが、画像真ん中に富士山が見える。
この日が10月とは思えない暑さだったため、どうしても霞がかかったようになってしまっている。

14:01、白倉方面へ降りる分岐に到着。
我々はつづら岩まで尾根道を歩くので、そのまま直進。

14:03、今度は大滝方面へ降りる分岐が現れる。

さらに尾根を進むと、この先のピークへのちょっとした登りは、意外と厳つい。

ピークにはベンチがあり、なかなか展望も良かった。

ここからはまた少し下り坂で、その後再び富士見台に登り返す。
この登り返しが、階段状になっていて地味にキツい。

このピークが富士見台だ。14:16に到着。
富士見台には東屋が建っている。
ピークはちょっとした広場にもなっていて、テーブルや椅子も設置されている。

ここからつづら岩に向かう本来の道はこの広場の東側にあり、他に道は無いはずなのだが、北側に向かう道もあった。(上の画像の真ん中やや左に写っているのがその道の入口だ。)
地図を見てもその北へ向かう道は記されていない。山と高原地図だけでなく、2万5000分の1の地形図にも、守屋さんの登山詳細図にも載っていなかった。大滝の方にでも降りることができるのだろうか。

ここから先は、岩っぽい尾根が続く。
こんな岩の横をすり抜けるように通り、けもの道のような細い尾根道を抜け、
険しい場所が現れる。
この急に途切れたようになっている尾根の先が、急な斜面になっている。
とはいえ、一定程度整備されている登山道なので、慎重に歩けば何の問題も無い。

まずは階段。

階段を降りたところに注意を促す看板が。
悪い道はもう少し続く。

この悪い道が一段落すると、眼前に巨大な岩が現れる。
それがつづら岩だ。
クラックがとても良い感じなのと、その付近にはピトンも打たれていて、クライミングのゲレンデとして非常に良さそうだ。

ディエードルとクラックの感じから、けっこう楽に登れるんじゃないかと思い、ノーロープでトライしてみたが、今回はトレランシューズを履いていたため、4手目にはクラックに突っ込んだ足が痛くて諦めた。
でも、見た感じ、僕のスキルにちょうど良さそうな難易度で、しかもシングルピッチの乾いた岩だ。草付きや泥付きが嫌いな僕にも快適な岩のようだ。しかも空いている。
近いうちにクライミングギアを担いで来てみよう。

14:40、天狗ノ滝方面への分岐。

ここからは稜線を離れ、天狗ノ滝のある沢筋に下りる。

ただ、この分岐からしばらくは、かなりの急斜面。その斜面につづら折りに付けられた登山道をたどるが、なかなか膝に来る。
連れの1人は膝が笑い始めたようで、踏ん張りが効かずに何度かコケた。

こういうつづら折りの道は、歩けど歩けど進んでいる気がしなくて、気持ちが萎える。

15:06、やっと沢が見えてくる。

15:11、樹間から滝が見えた。
これが綾滝か。

滝のすぐ下にはベンチが設置されている。

ザバザバと滝の流れる音が間近に聞こえるベンチの先には、道標が。
うん、間違いない、ここが綾滝だ。
その綾滝が、こちら。
高さは20mあまりだが、落ちるのではなく崖を舐めるように流れているので、滝壺は小さい。
岩の表面を滑り流れているため、水は細かい気泡を含んで白く見える。

大変美しい滝で、なかなか立ち去り難いのだが、すでに時間が押しているので先を急がなければならない。

しばらく降りて振り返ると、苔むした岩と樹木の間から綾滝が見えた。
その後もしばらく渓流沿いを歩き、
ところどころで渡渉する。

一時、沢筋を離れて少し日向に出る。

15:38、分岐が現れる。
こんな分岐、地図には無いんだけどなー、、、
とりあえず、道標に「天狗滝」と書かれている方に向かう。

この道標から下るとすぐに、樹間から滝が見えてくる。
よく見ると、本チャンの滝の上に、もう一段滝があるのが分かる。
この辺りにはイバラのある植物も生い茂っているので注意が必要だ。

15:43、天狗ノ滝に到着。
落差30メートル以上らしいが、それは上のもう一段も入れての高さなのかどうかは不明。

しばし見とれてから、再び下山を再開。
下山ルートはいったん沢の右岸に渡る。
この斜面の裏にもクライミングのゲレンデがあったが、つづら岩のほうが楽しそう。

15:54、小天狗ノ滝に到着。
ここは滝壺までは近付かずに、しばし眺めて終わり。

小天狗ノ滝からは、少しの距離だけ石畳のようなたたずまい。
いつも思うのだが、こうして登山道を整備してくれている人がいるからこそ、快適に山歩きができるわけで、本当に頭が下がる。

16:00、分岐が現れる。
きっと、天狗ノ滝の手前で現れた謎の分岐から続く道が、ここで合流したのだろう。
たしかに、つづら岩が目的の人ならば、天狗ノ滝はわざわざ行きたくないよなーと思う。
実際、僕がクライミングギアを担いで登るとしたら、ためらわずに天狗ノ滝を経由しない道を選ぶと思う。

この分岐の近くには、綾滝と天狗ノ滝の説明看板が設置されている。

この看板のすぐ先で、舗装路となる。
もしかしたら、タクシーならここまで入ってくれるのかもしれない。
が、我々はバス停までこの舗装路をダラダラ歩いて下る。

途中、大きな落石を発見したり、
大きな女郎蜘蛛を何匹も発見したりしながら、
チンタラ歩く。

16:15、公衆トイレ発見。
大岳山荘以来のトイレなので大変貴重なのだが、特に尿意も便意も無いのでスルー。

16:22、バス停にゴール。
バス停からは、御前山がきれいに見えた。

こうして、盛り沢山な山行は終了した。

(了)