このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年9月1日月曜日

【トレック&フライへの道】 パラグライダー体験講習 @ソラトピアつくば

先週、スカイ朝霧というパラグライダースクールでタンデムフライトを経験したのだが、いかんせん自宅から通いにくいので、入校は断念した。

そこで、体験講習は実際に通うことも視野に入れて、1名誘って筑波山方面のスクールを訪ねてみた。
それが今回のソラトピアつくばだ。


別に、「女性に人気」の売り文句に釣られて、スケベ心で行ったわけではない。
筑波山にはパラグライダースクールが7つほどあるらしいのだが、その中で駅からの送迎をしてくれるスクールが2つしかなく、その1つがソラトピアつくばだったというだけのことである。

ちなみに、送迎をしてくれるもう1つのスクールはソラトピアとは加盟するパラグライダー団体が異なるようである。

スクール選びの際に調べた内容によると、パラグライダー団体にはJHFとJPAという2つの団体があり、JHFの加盟スクールで発行するライセンスであれば世界標準だが、JPAの方は独自基準であるらしく、他エリアで飛ぶにもいろいろ制約が生じる模様だ。(参照:wikipedia「パラグライダー」の項)

ソラトピアつくばはJHFで、もう1つのほうがJPAだったので、消去法でソラトピアつくばにしたに過ぎない。

マイカーがあれば選択肢も増えるのだが、都心暮らしでは駐車場代だけで3万円以上するので、難しいところである。


さて、体験講習の当日の朝、つくば駅前で送迎のバンに乗り込む。
そこから40分ほど車移動。
車中では、迎えに来てくれたスタッフの方(この方がこの日のインストラクターであった)にいろいろとパラグライダーについて尋ねる。

それによると、ヨーロッパではトレック&フライ(トレッキングしつつパラグライダーで飛ぶこと)はかなりメジャーになってきているが、日本ではまったく認知が進んでいないとのこと。
そもそもヨーロッパの場合は、落ちて怪我をしようが死んでしまおうが、それは自己責任ということになるのだが、日本だとそれで片付けられる問題ではなくなってしまうので、現在模索中であるとのこと。
インストラクターの方いわく、「みなさんが独り立ちしてクロスカントリー(パラグライダーゲレンデのエリア外を飛ぶこと)がでるようになる頃までには、だいぶ整ってきてるんじゃないですかねー」とのこと。
パラグライダーゲレンデで飛ぶのも十分に気持ちよさそうではあるが、僕の目標は北アルプス登山にパラグライダーを持って行って山頂やその付近からパラグライダーで飛ぶことなので、是非ともクロスカントリーが不当に制限されないように祈るばかりである。


スクールに着くと、さっそく受付。
例によって誓約書に署名をする。いったい、年に何枚この手の誓約書を書くのだろうか。
幸い、今のところこの誓約書が争点になるような状況になったことはないけれど。。。

ちなみに、パラグライダーでの年間の死亡者は日本で3名程度。
日本のパラグライダー人口が1万人程度というから、0.03%ということになる。これが多いと考えるか、少ないと考えるかは人それぞれだろう。
ただ、そのほとんどはモーターパラグライダーという原動機を背負って飛ぶタイプでの事故で、スキルがなくても原動機の力で飛べてしまうために、未熟な人が飛んで落ちるのだという。


9時すぎに、練習生向けに今日の天候に関するブリーフィングが開かれる。
この日の練習生は6人程度。それに混じって我々体験講習の2人も話を聞く。

それが終わると、一定レベル以上の人は標高の高いところへ。
僕達は初心者練習生と一緒に、ちょっとした斜面を切り開いて作られた練習場へと移動する。


この斜面の高低差は約20m程度。
初心者はこの斜面を駆け下りつつ風を捉える練習をするのだ。

この斜面は、草が刈られて手入れがされているものの、大量のバッタの生息地でもあるようで、斜面を駆け下りると足元から一斉にバッタが飛び立つ。
どっかの映画見たような光景だ。

バッタの種類も、トノサマバッタもいれば、
ショウリョウバッタもいる。
パラグライダーを仕舞う際にこのようなバッタを巻き込んでしまうと、中で生地をバッタが囓ってしまうので、気をつけなければならないそうだ。

また、アカガエルやアマガエルなどもたくさんおり、踏んづけないよう祈りながら歩くしかなかった。足元を確認しても、肉眼で瞬時に確認することなど無理だった。嗚呼・・・。


ともあれ、まず我々体験講習受講者は、斜面を登る前に平らな場所で、パラグライダーのラインのチェックや各部の働き、風を受けてキャノピー(風を受ける翼の部分)を頭上に上げる仕組みを、実際に自分の手を動かしながら教わる。

一通りのレクチャーを受けたところで、過ごしずつ斜面を上がっていく。まずは標高で数メートル。
斜面にキャノピーを広げ、準備をする。

自分の練習の様子は撮影できなかったが、連れの練習の様子はこんな感じ。

まず、ハーネスにラインを繋ぎ、風待ち。

良い風が来たらキャノピーを風に乗せて頭上へ。
そのままダッシュ。
数歩走ると足が地面から浮く。

そうしたらあとは、進行方向を見据えて、ブレークコード(左右に曲がるためのハンドルのようなもの)を引っ張りながら、行きたい方向に向かう。

まだこのレベルでは上昇気流を捉えて飛ぶようなことはできないので、高さはせいぜい5~10mぐらいまでしか上がらない。

地面が近づいてきて足が付きそうになったら、ブレークコードを思いっきり引っ張ってブレーキをかけて着地。
あとはバランスよくキャノピーを地面に落としたら完了である。

ほんのちょっとの距離した飛んでいないのに、快感である。
とはいえ、一番最初に飛んだ際には接地のタイミングが掴めずにコケてしまった。
でも、コケたおかげで学習でき、その次からは綺麗に着地できるようになった。何事も経験からしか学べないこともあるのである。

ちなみに、Youtubeなどで体験講習の様子を見ていると、大概インストラクターの方が受講者の背中を押すなどして勢いをつけさせていたりするのだが、ソラトピアつくばではそのような指導は行わないそうで、ちゃんと自力で操作させる方針を取っているそうだ。
多分、その指導方針のほうが僕には合っている気がした。

これを何度か繰り返しながら、徐々に斜面のスタート位置を上げていく。
最終的には最も高い位置のすぐ下ぐらいまで上がってきた。
そこから見える景色は、普段の登山から考えれば誤差でしかないような高さのはずなのに、とても晴れ晴れした気持ちになるものだった。

そして、この高さからこの日一番のフライトができた。
ここからスタートして、この練習場の向こうの端近くまで飛ぶビッグフライト(今の自分にとっては、だが)ができた。距離にして約200mといったところか。

半日講習で申し込んだため、あっという間に定刻となり、フライトは終了。正味2時間ちょっとといったところだろう。
最後にパラグライダーの畳み方を習って後片付けする。


受講を終えてみて、率直に感じるところは、インストラクターの教え方が非常にロジカルで分かりやすかったということ。
その1点を以てスクールを決めてしまおうと思えるほどだった。

さて、問題は、いつ入校するかだ。
これから9月、10月と、登山に適したシーズンになるので、パラグライダーとの兼ね合いが難しいところだ。


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