このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年2月11日火曜日

山行記 : 2014年2月9日 高尾~小仏城山ピストン 新雪ドカン

2月8日(土)、東京に13年ぶりと言われる豪雪が降った。
都心部で20cmを越える積雪にみまわれ、電車や飛行機等の交通機関にも大きな乱れが生じた。
都内各所では前日からスーパーの食料が買い占められて品薄状態が発生する一方、当日はいたるところで雪だるまが作られ、ネットにその写真が投稿されるという微笑ましい一幕もあった。

そんな2月8日、僕は抑えきれない喜びで、落ち着いていられなかった。
というのも、翌日の高尾登山が楽しみで仕方なかったのだ。

思えばここ数年、シーズンに1回は東京でもドカ雪が降って、高尾山にも雪が積もる。
だが、いつもその翌日は平日で、山に行きたい衝動を抑えながら出勤していたのである。
仕事をしていても考えることは新雪フカフカであろう高尾山のことばかり。
そんなとき、ネットを見ると大概誰かが高尾山の雪景色なんかをアップしていて、羨ましさに身を焦がさずにはいられなかったのだ。

幸い、2月9日は日曜日。
月曜からの仕事のことさえ考えなければ、力尽きるまで雪遊びをしてもOKな日だ。
2月9日の朝一で出発するために、8日の夜は22時に就寝した。

が、ウキウキして全く寝付けない。
新雪の高尾山。
積年の夢が明日叶うと思うと、横になっていることすらもどかしい。
いわゆる、遠足前日の小学生状態だ。
日付が変わっても寝付けず、結局3時間ぐらいしか眠れなかった。(cf.「実質〇時間しか寝てねーからつれーわ」)

それでも、テンションが上がりっぱなしで眠気を感じず。

朝7時過ぎには高尾山口駅に到着。駅前からすでにすげー雪。

友人と合流して、まずは稲荷山コースから高尾山山頂を目指す。

7:30、稲荷山コースの登山口も当然雪深い。
が、トレースはしっかりついていた。

登山口からすぐのお稲荷様にも雪が積もっている。
石灯籠にも、こんもり。

トレイルをたどる。
高尾山とは信じがたいような景色。
天気も快晴。

8:08、稲荷山に到着。

稲荷山からの景色はなかなかのもの。
空に雲はあるものの、地平線も見え、遠くに筑波山も見えた。
また、何よりも壮観だったのが、街に雪が積もって白く見えたこと。
この場所からの眺めは何度も見てきたが、こんな東京を見たのは始めてだ。

稲荷山から先は、さらに雪深くなる。

樹々の間から、大山の尖った山頂が見えた。

8:54、高尾山山頂直下、巻道との分岐の広場に到着。
広場のベンチはすっかり雪を被っていた。

9:02、高尾山山頂に到着。
けっこう人で賑わっていたが、茶屋はシャッターを下ろしていた。

展望台からは丹沢の山々がクッキリ。
残念ながら富士山は、雲の隙間からちょっと見えただけだった。

高尾山山頂から西側の斜面を下りると、そこにあるはずの階段は雪の下で全く見えなくなっていた。

9:15、もみじ台に到着。

もみじ台まで来ると、トレースが1本着いただけのまっさらな雪面が姿を現す。
頭の悪い犬のように、その雪面に突撃する。
ぜんぶ雪のせいだ。
写真から、その深さをお察しいただけるだろう。
ストックをさらに差し込むと、どんどん埋もれる。
写真左の盛り上がった部分はベンチのあるところ。

茶屋はやっぱり閉鎖中。
こんな日こそなめこ汁を飲みたかったが、やむを得まい。

ひとしきり遊んでから、一丁平を目指して再び歩き出す。
もみじ台で、せっかくだからと言って連れがワカンを装着したのだが、トレースがあるところをワカンで歩くのは、却って歩きづらそう。
実際、一丁平園地に着くまでに、2度ほどハデにコケていた。(本人は楽しそうだったのでOKだが。)

10:08、一丁平園地に到着。(連れは、ここでワカンを外した。気が済んだようだ。)

登山道から見たトイレ側。
登山道を挟んで、トイレの反対側。
本当にここは高尾なのか??

一丁平の展望台へ向かう階段も、今日ばかりは単なる雪の斜面。
スノーボードで滑ったら楽しそうな斜面だ。

10:17、一丁平の展望台に到着。

高尾山では雲に隠れていた富士山も、雲が晴れて姿を現していた。

この展望台の東屋で、ちょっと早めのランチにすることにした。

メニューは、卵とワカメと餅をトッピングした袋ラーメン。(写真を撮り忘れた。)
やっぱり袋ラーメンに卵を落とすと、味にコクが出る。昭和っぽいけど。
餅もびっくりするほど美味しく、今後はこの「力ラーメン卵乗せ」は定番化しようと思った。

そうこうするうちに、東屋は登山者でえらい賑わいになった。
ベンチが全部雪に埋もれているので、屋根の下のベンチとテーブルは貴重な存在なのだ。

そんな登山者たちの会話の中で、高尾駅と小仏バス停をピストンするバスが運休しているという話が聞こえてきた。そもそもその道が雪のため通行止めになっているとのことだ。

実はこの日、我々は景信山から小仏バス停に下りようと思っていたのだ。
バスが無いとすれば、進退窮まる。
これはもうどうしようもないので、景信山までは行かず、小仏城山までで折り返すことにした。

食後のコーヒーを堪能し、出発しようと東屋を出ると、大山に水墨画のような雲がかかっていた。

小仏城山への道も、トレースはあるものの踏み固められているわけではなく、ふかふかの雪を踏みながら進む。

11:50、小仏城山に到着。
やっぱり茶屋は営業しておらず。

木彫りの天狗と、目の前に広がる関東平野。

反対側では、富士山の山頂の雲も、すっかり晴れていた。

さてここで、積年の夢であった高尾での雪遊びを実行する。
そのために、わざわざゴアテックスのオーバーグローブを持ってきたのだ。
とはいえ、人の多い山頂で雪合戦というわけにもいかず、雪だるまを作ることにした。

都心とは違い、雪をかき集める必要も無い。
ただ雪玉を転がしていれば雪だるまが作れるのだ。
あっという間に、そこそこのサイズの雪だるまが完成した。
故やなせたかし氏追悼の意味を込めてアンパンマンを作ろうとしたが、細部を覚えておらず、なにか違うものが出来上がってしまった。
(※このあと雪だるまは破壊し、自然に返しました。)

もう今日やるべきことは全てやりつくした。
そう思った瞬間に眠気が襲ってきた。頭がぼーーっとして、四肢に力が入らない。
とはいえ、まさかここで寝るわけにもいかず、来た道を引き返した。

小仏城山から下山を開始すると、登るときには何でもなかった斜面がやたら滑る。
やむを得ず、軽アイゼンを着けた。

帰りは、一丁平を北に巻いた。
登山道はやっぱり雪深い。
ただ、午後に入って気温も10℃近くまで上がり、樹上の雪が融けて雨のように降り注いでくる。
ハードシェルのフードをかぶらなければならないこともしばしば。

高尾山の山頂も北に巻き、5号路から4号路にルートを継いで、ケーブルカーの駅を目指した。
もう眠くて眠くて、下まで自力で降りるのがしんどかったのだ。

高尾山の北側の5号路でも、樹上の雪が融けて降り注いでくることには変わりなかった。

13:46、高尾山ビジターセンターに到着。
この道を歩くのは始めてだったので、ビジターセンターってここだったのかと、ちょっと驚いた。

13:49、高尾山の豪華トイレの脇に出る。
ここから4号路に入る。

4号路は道幅も狭く、谷側はドキっとするほど急斜面なので油断ならない。
眠くて手足に力が入らない。

14:09、4号路名物の吊り橋に到着。すでに雪面は、融けてびちゃびちゃになりつつあった。
渡って振り返ると、なかなかカッコいい。

ここですれ違った単独の女性は、山の装備でもなく、もちろんアイゼンなんか着けているわけもなく、コケないようにヘッピリ腰で歩いていた。
たぶん、「行けるところまで行く」ということなのかもしれないのだが、行けるところまで行っちゃったら帰れなくなるのではないか。無事、山頂直下の豪華トイレまでたどり着けることを祈った。(そうすれば1号路で帰れる。)
止めてあげれば良かったのではないかと、ちょっと後悔した。

14:23、1号路に合流。
ここまで来れば、ケーブルカーはすぐそこだ。
アスファルトの路面が見えていたので、ここで軽アイゼンを外した。

しかし、14:41、ケーブルカーの駅に着いたら、なんとケーブルカーは運休!

なんだこれは!

下山後調べてみたら、雪のせいじゃなく、メンテナンス中だったのだ。

高尾山ケーブルカー運休のお知らせ
http://www.takaotozan.co.jp/timeprice/cbinfo/detail.php?q=cbinfo52a2c82eca3e0

ぜんぶが雪のせいではなかったのだ!

悔しいので、すぐ横の売店で天狗焼きを買い食い。
小豆ではなく、甘さ控えめの黒豆の餡が絶妙!

仕方ないので、リフトで下山。

その後、ふろっぴぃで温まろうとしたが、高尾山口駅からの送迎バスが雪のため運休。
無念だ。

というわけで、風呂にも入らず帰宅。
都知事選に直行したとさ。

めでたしめでたし。


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