今回はパラグライダーをやってきたよ、という話。
以前、ヨーロッパアルプスでガイド業をしている方の講演を聞いた際、その方はオフの日にはヨーロッパアルプスの山々からパラグライダーで飛行するのが趣味だという話が出た。
そんなことができるのか!
そもそも、そんな行為の概念すらも頭に無かった僕は、それに強い衝撃を受け、自分でもやってみたいと強く思うようになった。
その後購入したムック本によると、トレッキングとパラグライダーを組み合わせて、パラグライダーで下山するというスタイルが、最近ヨーロッパで注目されているとのこと。(「トレック&フライ」と呼ぶのだそうだ。)
これは、日本でもやらなければ!
とはいえ、そもそもパラグライダーなんてどうやってやればいいのかもよく分からないわけで、インストラクター同伴でフライトするタンデムフライトの申し込みをしてみた。
場所は、スカイ朝霧パラグライダー・カヌースクール。
8/23(土)、会社の同僚3人を誘って行ってみた。
野郎ばかり4人でのむさ苦しい一行だ。
予約したのは朝9:00からの部だったのだが、気合を入れすぎて7:30に着いてしまった。
当然、スクールの受付には人影どころか、灯りさえ無かった。
仕方がないので、車の中で寝て待つ。
全員、前日は遅くまで仕事をしていたため、2~3時間しか寝ていない。
車内で爆睡である。
すると、8:30頃、スクールのスタッフと思しき男性が声をかけてきた。(あとで知ったが、この男性はスクールの校長だった。)
聞くと、もし良ければ9:00まで待たず、前倒しで始めてしまわないか、とのこと。
というのも、天気が微妙すぎて、フライトできるかどうか分からないので、できるだけ早くスタンバっておいて、いけそうなタイミングを見計らったほうが良いということなのだ。
こちらとしては願ったり叶ったりなので、さっそく受付開始。
この手のアクティビティでの受付時に書く誓約書の定番である「死んでも文句は言いません」的な文言にサインをする。
これまで何度、この手の誓約書にサインをしてきたことだろう。命の大安売りである。
さて、実際のフライト場までは、受付のある建物から車で5分。
広い芝生の敷地が着地点として利用される場所だ。
向こうに見える富士山には笠雲がかかっていて、どう見てもヤバそうである。
富士山と反対側を向くと、我々の直前に受付をされていたグループが飛び始めたところだった。
写真中央、一段凹んで平らになっているところが飛び出し場所である。
途中でわざと、ものすごく左右に振ってみたりとか、アミューズメント要素まで盛り込んでくれている。
5分ほどで着地。
なるほど、こういう流れか。
などと納得していたら、スタッフのオジチャンに「早く車に乗って!」と指示される。
どうやら、停めてあったワゴンで、インストラクターも客もまとめて移動するらしい。
移動する車の中では、インストラクターとの会話に花が咲く。
ここで、自分は登山が趣味で、将来的にパラグライダーで下山したいと思っている旨を伝えたところ、大歓迎された。
話によると、同乗しているインストラクターの1人が、富士山の山頂からパラグライダーで下山したとのこと。
あんなに気流が複雑で風も強い富士山頂からフライトできるのならば、日本のどこの山でも飛べるのではないか。自分のプランが決して無謀ではないことを証明する事例の存在を知り、非常に心強く感じた。
飛び出し場所に着いて見ると、そこは思ったよりも広かった。
ここで、スタッフの人にハーネス類を装着してもらい、ヘルメットを被って、我々4人は次々に飛び出す。
タンデムのときだけかもしれないが、キャノピー(傘の部分)は走って広げるわけではなく、あらかじめ開かせてから飛び出した。
先に同僚3名を見送り、いよいよ最後に僕の番が回ってきた。
なかなかの高度感に、アドレナリンが湧いてくる。
そして、飛び出す!
飛んでる! すばらしい!
素敵な高度感だ!
近くを飛ぶ同僚を撮影しようとするも、シャッターを押そうとすると、あっという間にフレームの外に行ってしまう。(これは、ギリギリフレームに収まったもの。↓)
聞けば、このとき時速35kmほど出ているそうで、すれ違いの速度は時速70kmということになる。
パラグライダーってフワフワ浮いてるイメージだったのに、けっこうスピードあるのね!
足の下には針葉樹林。
この距離感、この角度で杉の木を見たのは初めて。すげー違和感!
同僚の姿も足下に見える。
このままずっと飛んでいたい衝動に駆られる。
そのとき、同伴のインストラクターから、
「ちょっと操作してみますか?」
という提案が。
これは願ってもない!
パラグライダーの操作は、左右に1本ずつ付いているブレークコードと呼ばれるヒモを引っ張ることで行う。
左のヒモを引っ張れば左に、右のヒモを引っ張れば右に曲がる。
インストラクターの指示に従って、恐る恐る右やら左やらのブレークコードを引っ張ると、思ったようにパラグライダーがターンする。
これはおもしろい!
3、4回ターンさせてもらって、ブレークコードをインストラクターに戻す。
すると今度は、
「左右に振るのはお好きですか?」
と言って、ブンブン振り回すように飛び始める。まるでブランコのようだ。不規則にGがかかってジェットコースターよりもスリリングだ。
楽しすぎて思わず歓声を上げてしまう。
インストラクターの話によると、スクールに入って半年もすると、この左右に大きく振る練習をするとのこと。
正確には、左右に大きく振られた状態から体勢を立て直す練習をするのだそうだ。
操作は左右のブレークコードで行うわけだが、独り立ちするには色々学ぶべきことが多そうだ。
そうこうするうちに、着陸地点に迫る。
先に到着していた同僚たちが迎えてくれる。
そして着地。
ストン、といった感じで、ほとんど衝撃もスリップも無い。やはりインストラクターの腕が良いのだろう。
こうして、正味7分間のフライトが終了した。
たった7分と思うなかれ。こんな充実した7分間がこんなにも濃密だったことは、ここ10年間を振り返っても記憶にないほどだ。
こんな爽快感は味わったことが無い。
そんなわけで、パラグライダーの練習をしようと決めた。
あとは、どうやってスクールに通うかを検討しないと。
はやくパラ下山ができるようになりたいものだ。
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