ルートは、JR奥多摩駅から西東京バス・東日原行きに乗り、川乗橋から百尋の滝を経由して川苔山山頂へ。
その後、赤杭尾根を伝ってJR古里駅へ下りるという日帰り行程。
今回は友人1名との2人パーティだ。
8:35発のバスに乗って奥多摩駅を出発。
バスの中は超満員で、2台のバスに分乗。
バスは川沿いの道を走る。
清流と言って良いぐらいにきれいな水の流れる川だ。
10分ほどで、バスは川乗橋バス停に到着する。
川苔山へ行く登山者は皆、ここで下車。バスの乗客の約3分の1がここで下車する。
それに混じって、我々も下車。
残りの乗客はどこまで行くんだろう?
長沢背稜か? 鷹ノ巣山か?
バスを降りると、早速登山口の看板。
ここから、舗装された林道を2.7kmほど歩く。
舗装路を歩くということで、今回は登山靴ではなく、トレイルランニングシューズを履いてきた。
荷物も軽いし、ルートも穏やかなので、トレランシューズでも充分だろうし、第一、登山靴で舗装路を歩くのはもうコリゴリだ。
林道入り口では20人ほどの登山客が出発の準備をしていた。
(ので、林道入り口の全体像は撮影を自粛。)
林道は緩やかな上り。
林道沿いには美しい渓谷が続く。
舗装された林道歩きは通常、非常に退屈で苦痛なだけなのだが、最高の行楽日和と、新緑と、渓谷の美しさで、テンション上がりっぱなしだった。
まさか林道沿いの新緑がこんなにもきれいだとは思わなかった。
林道沿いの渓谷は、いくつもの滝やゴルジュがあり、沢登りの初心者にはうってつけのルートに見えた。
実際、林道のと注で、沢ヤのパーティが出発の準備をしている姿も見かけた。
夏などは気持ちいいんだろうなー。
9:34、細倉橋到着。
この橋で、舗装道路は終了。
ここから先はトレイルとなり、登山道の幅もグッと狭くなる。
橋を渡ったところにある分岐の標識。
ここには公衆トイレがあり、長蛇の列ができていた。
たしかに、ここを最後に、少なくとも今回のルート上では見かけなかったので、ここで用を足さなければ後々苦しいことになるだろう。
また、この橋のたもとでは水力発電をしているらしく、その発電量の掲示もされていた。
さて、先にも述べたとおり、ここからがいよいよトレイルの始まりである。
トレイルは明確で間違えようが無いが、幅が狭く、すれ違うにも慎重さが必要なほどだ。
引き続き、登山道は沢沿いに伸びる。
沢にはいくつもの滝が現れ、その沢を幾度も渡りながらジリジリと高度を稼いでいく。
美しいナメ滝があったり。
せせらぎを彩るコケむした岩々。
細々と流れる清水。
心ゆくまで水辺の風景とマイナスイオンを満喫しながらのトレイルウォーキングだ。
で、肝心のトレイルは、人ひとりが精一杯という細さ。
僕は小学生の頃、かなり落ち着きの無い子供だったので、こんなところを歩いたらテンションが上がるついでに、道を踏み外して滑落していたに違いない。
今は大人なので、踏み外しそうになりながらも滑落しないように気を付けることができる。これが進歩というものだ。
ゴルジュ。
ゴルジュ上部に注ぎ込む清水。
その先に広がるせせらぎと簡易な橋。
キレイな風景の連続に、テンション上がりすぎておかしくなりそう。
そもそも、流れる水の透明度が高くて、それだけで気持ちがいい。
こんな程度の滝なら、いたるところにある。
滝壺も沢山。
渡渉を何度も繰り返し、高度を稼いでいく。
渡渉といっても、簡易な橋が渡されているか、橋が無くても飛び石の要領で渡れるので、足を濡らすことはない。
途中、沢に、どう見ても橋だと思われる物体が横たわっていた。
これは一体どういうことだろうかと思っていたら、そのすぐ上流で答えが見つかった。
橋の基部だけ残して、橋が無い。
沢には、急ごしらえの小さな仮橋が渡されていた。
そうか、さっきのはここから流されたんだな、と納得。
それにしても、水面から基部までの高さを考えると、増水するとこんなに水量が増えるものなのかと恐ろしさを感じた。
それにしても、この仮橋も、ちょっとの増水で流されそうだな・・・。
ちなみに、この渡渉ポイントには石碑が立てられていたのだが、何の石碑か全く不明。
ここから少し登ると、いよいよ百尋の滝への分岐が現れる。
これまでのルートから見えた滝のなかにも立派な滝がたくさんあったが、わざわざ「百尋」と名前をつけるぐらいだから、さぞかし大きいのだろう。
などと考えながら沢に下る道(梯子のような階段)を行くと、視界が開けて大きな滝が現れる。
たくさんの人が休憩していた。
やっぱり混むなぁ。
滝壺に近づくと、霧状の飛沫が顔に当たる。
マイナスイオンまみれ。
夏場にここで泳いだら、さぞかし気持ちいいんだろうなーと。
この滝壺の傍には、巨大な岸壁があって、何故かロープが垂らされていた。ガイドロープか??
あまりにも気持ち良すぎて、このままずっとこの場に居たかったが、まだまだ山行は始まったばかりなので先を急ぐことにする。
梯子の様な階段を登り、分岐まで戻る。
分岐からはまた梯子のような階段を登り、
けっこうな悪路を進む。
川苔山を舐めていると、このあたりのルートはけっこうツライ。
僕自身、今回は荷物が軽かったから全く苦にならなかったものの、もし荷物が28kgとかあったら、簡単に息が上がっていたに違いない。
11:00、稜線に出た。
これは丸山の尾根なのだが、この尾根から次第にトラバースするように登山道は逸れていき、本格的に川苔山に向かうのである。
その直後、分岐っぽい場所に差し掛かる。
川苔山まであと2.4km。
画像奥への道は、道っぽいのだが「山と高原地図」には記載されておらず、人が奥に進まないように注意を促すためか、入口も道を塞ぐように丸太が置かれている。
標識にも行き先は書かれていない。
どこに向かう道なのかはまた今度確認するとして、今回は先を急ぐ。
11:23、分岐。
足毛岩に興味が無かったので、進路を東に取る。
ここからは谷筋を登り、途中から南に転進して尾根を詰める。
谷筋はけっこう荒れていたが、道ははっきりしていた。
枯れ沢かと思ったら、そうでもない。
この写真を見て、ここが東京だなんてちょっと信じられない感じ。
南下する尾根道を登り、
12:05、山頂の東側の四辻に到着。
ここから山頂へは、開けた尾根道。
山頂直下でちょっとした急坂があり、
それを越えると山頂への広い道。まるでランウェイ。
12:12、川苔山山頂到着。
山頂はわりと広い。
山頂広場だけでも30人以上の人が憩っていた。
山頂には奥多摩の地図も立てられていたが、みんなが現在地を指差して確認したのだろう、川苔山のあたりが見事にハゲていた。
川苔山の山頂は非常に眺望が良く、特に雲取山方面と御前山方面がよく見える。
富士山も見えたが写真撮り忘れ。
雲取山方面。
ここで、雲取山を眺めながらランチ。
陽射しがことのほか気持ち良くて、ポカポカ陽気。できれば昼寝をしたいぐらいだった。
が、ここから赤杭尾根を伝って下山するので、ここから古里駅まで3時間程度見ておかなければならない。なので、あまりのんびりしすぎるわけにはいかず、13:10、出発。
山頂の東側の四辻まで戻り、
そのまま東に向かって直進。
ちなみに、右折する(南に向かう)と鳩ノ巣駅への道だ。本当は鳩ノ巣駅に下りるのが一番シンプルな下山ルートなのだが、どうしても赤杭尾根が気になったので、古里駅へ向かう標識に従う。
で、その標識がこれ。
手書きかぁ。。。
なんか、鳩ノ巣駅行きのルートとの格差に愕然としてしまう。
13:18、曲ヶ谷北峰の分岐。
立ち去るのが惜しいぐらいの気持ちの良い尾根道だが、涙をのんでここから南に向かう。
細い尾根道をたどると、すぐに曲ヶ谷南峰に着く。
もはや標識が、高さ30cmぐらいの自然石。。。
さらなる衝撃は、ここからそのまま南下する舟井戸方面への道しるべが、こぶし大の石で、しかも地面に転がっているということ。
誰かが躓こうものなら一貫の終わり。
なんだかだんだんワイルドになってきたんだぜぇ。
ここからは、南東方向にぐいぐいと標高を下げていく。
これが赤杭尾根だ。
しばらくは開けた尾根道で、道の先には関東平野が広がっている。
このあたりは、空気全体が檜の香り。
枝打ちしたばかりという感じでもないのに、とても濃い香りが漂っていて、けっこう幸せ。
だが、この先の狼住所(「オオカミスンド」と読む)の分岐から先は、樹木に視界をふさがれて、一気に眺望が悪くなる。
で、狼住所の分岐。
昔は狼が生息していた地域なのだろうか。
ちなみにこの本仁田山への道標で示されている道は、2万5000分の1の地図にも「山と高原地図」にも記載が無い。行ってみたい気もするが、今回の目的は赤杭尾根なのでまた今度にする。
ここから先は、多少登山道が開けていても、もはや眺望は全然効かない。
こうなると、登山道歩きは俄然退屈になってくる。
それにしても、赤杭尾根の道標は心もとないものが多く、落ちてる板切れに書いてあったり、
路傍の石に書いてあったり、
誠に頼りない。
まー、いいんだけど。
13:53、エビ小屋山への分岐。
この画像で、道標の右手に伸びる登り斜面がエビ小屋山へのルートだ。
といっても、それに気付いたのはこのあと15分後。
舗装された林道が見えてからだ。
この場所でこの風景を見たときには、
「なんでこんなところに道標が? 尾根を登るような方向に伸びている踏み跡っぽいのはなんだろう?」
という程度にしか思わなかった。
まさかこれが、「山と高原地図」で実線表記されているエビ小屋山への道だとは思いもよらなかった。
無念。。。
そんなわけで、期せずしてエビ小屋山をスルーしてしまい、舗装された林道に出る。
この道は、実は2010年度版の「山と高原地図」には出ていないので注意。
そんなわけでしばらく林道歩きをして、また登山道に戻る。
登山道に戻っても、鬱蒼として眺望の効かない樹林帯であることには変わりは無い。
いいかげん樹林帯に飽きてきたところ、赤杭山手前の957mピークを巻いたところで、南~南西方面の眺望が突然開けた。
御前山、大岳山、御岳山がはっきり見える。
双眼鏡で見てみたら、御岳山頂の御岳神社まで視認することができた。
14:41、登山道に赤杭山への道標が現れる。
赤杭山へは登山道を離れ、落ち葉を踏みしめながら、木々の間のなだらかな場所を歩く。
14:42、赤杭山山頂到着。
荒れてるわけではないが、特に面白みも無い。
樹木の間から御岳山方面が見えないではないが、腰掛けて休んでいこうと思うような山頂でないのは確かだ。
赤杭山山頂から30分ほど下ると、分岐が現れる。
予定のルートは古里駅だが、ズマド山にも興味が無いわけではない。
でも、もうだいぶ時間も押しているので、予定通り古里駅へ向かう。
ここから、単調な植林の道をダラダラ下るだけのルートだ。
そんなルートで、木々の間から石採の山が見えた途端に、より一層テンションが非常に下がった。
一昨年見た武甲山の姿も、正視に堪えなかった。こういう現実も受け止めなければならないのだろうが、心が痛むのだ。
退屈な植林の道を黙々と歩き、15:56、登山口到着。
登山口は階段。
階段脇にはこんな看板も。
近くにはこんな花も。(名前忘れた。)
【総評】
川苔山を舐めちゃいけない。
川乗橋から山頂までのルートは、マイナスイオン出まくりの素敵な風景の連続だし、地味にキツイ斜面や難所もある、コンパクトでおいしいコースだ。
ただ、赤杭尾根は強いてお勧めするほどではない。
川乗橋から入った人の多くが鳩ノ巣に下りていく理由がよく分かった。
おつかれさまでした!
返信削除名前忘れた花は、シャガですw
小仏城山あたりにもいっぱい咲いてますよ。
あと『ハシリドコロ』ねw
あー、あれがシャガなのか!
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