正直、1週間も縦走し続けた経験が無いので、翌日からの山行のことを考えると非常に憂鬱になった。
パーティでの登山でも3泊4日、ソロでは2泊3日までしか経験が無いので、1週間という期間は特に恐怖だった。
昔から山が好きだったのだが、同時に怖くもあった。だから、出発にあたっては毎回それなりに覚悟を決める。(だからこそレスキュー保険にも入っているわけで。)
今回は特に気が重く、実は数日前からお腹を壊しっぱなしだった。もちろん、食欲も無い。
4月29日は朝4時に起き、パッキングを開始。85リットルのザックに収まりきらない荷物に呆然となる。やむなく、予備の食料を少し削り、テルモスの山専ボトルも装備から外した。
瑞牆山荘からの情報によるとピッケルもあったほうが良いとのことなので、ザックに括り付ける。
アイゼンは、12本爪で全てをこなせる自信がなく、6本爪と両方持った。
マットは、雪上幕営のことを考えて銀マットとサーマレストのリッジレストを持った。
シュラフの耐寒温度が貧弱なので、ダウンの上下も持った。
メシは山小屋をアテにせず、7日間を全部背負うために、アルファ米とフリーズドライのみである。
これは、軽いのは助かるのだが、ものすごく嵩張る。(特にフリーズドライのパックが、標高が高くなると膨張しやがるので、パッキングに苦労した。)
でも、他の選択肢が思い付かなかった。
SOTOのガスカードリッジは気温が低くなると着火しなくなる(昨年の甲斐駒ケ岳で経験済み)ので、バックアップとしてアルコールストーブを持っていく。ただ、アルコールを大量に持っていくわけにもいかないので、できるだけガスストーブを使えるように、ガスカードリッジのカバーも装着した。
今回の山行は、これまでの登山経験を全部突っ込んでの総力戦のつもりで挑む。装備の選定も1ヶ月かけた。
結果、重さが28kgと、昨今のファスト&ライトに逆行するような重量になり、背負った瞬間に気持ちまで重くなったが、すぐに慣れるだろうと思ってあまり問題に思わなかった。
計画概要でも書いたが、普段から20kgを大幅に超える重量を背負っての登山が多いため、充分耐えられると思っていたのである。
出発時の撮影ではないが、28kgの荷物というのは、ビジュアル的には以下のとおりである。
実際はこれに、マップケースとチェストバッグを斜め掛けする。
比較対象物が無いのでピンとこないかもしれないが、これは85リットルのザックだ。それがパンパンで、しかも外付けまでバリバリだ。(本当は、こんなパッキングは非推奨。)
そもそもこのザック(オスプレーのイーサー85)のコンフォートゾーンは25kgまでだったような気がする。それを思い出したのは、行程2日目の午後だったが。
このザックを背負って、新宿発7:00ちょうどのスーパーあずさ1号に乗り込んだのである。
(つづく)
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