シェルパ斉藤さんというと、僕とはちょっとジャンルの違う人、という印象が強い。
何が?と問われると明確に答えられないのだが、なんとなく匂いがちがうというか・・・。
でも、せっかくなので新刊『シェルパ斉藤の世界10大トレイル紀行 The World's Best 10 Trails』を買って読んでみた。
内容としては、シェルパ斉藤さんが読んだアメリカの雑誌に特集が組まれていた「世界7大トレイル」みたいな記事が発端だそうで、それに3つの別なトレイルを加えた10本のロングトレイルを旅した紀行文として編まれている。
記事はライトで読みやすく、こんなに豪華なトレイルがこんなにお手軽な記事で味わえることは大変ありがたい。
また、「オレにも行けるかも?」と思わせるような敷居の低さを感じさせる書き方は、おそらく氏の真骨頂なのだろう。
実際僕は、第2章「オートルート」を読んで、そこに登場するイギリスで出版されているオートルートのガイド本を購入してしまったぐらいだ。
ただ、ライト過ぎて、読み者としてはやや物足りないようにも感じた。
たとえば、アパラチアン・トレイルは20ページちょっと。
加藤則芳さんの2段組で600ページ以上もの大作『メインの森を目指して』を読んだ後では、非常に物足りない。もちろん、両氏は歩いた距離も全く違うので、そりゃ書くボリュームも違うよな、とは思うのだが、それを考えに入れても物足りない。
そこで、ふと頓悟した。
シェルパ斉藤さんに対して感じる「匂い」の違いについて。
多分、シェルパ斉藤さんにとって、旅(トレイルをバックパッキングすること)は、全面的にpleasureであるに違いない。少なくとも、そういうスタンスで文章を書いていると思う。
それに対して僕は、どうしても「修行」の2文字が頭から離れない。なので、必ずしも常に楽しいばかりではないし、山に行くよりも家で寝ていたいと思うことも度々だ。
我ながら不健全だなぁとは思うけど、仕方が無い。きっと僕はネクラなのだろう。
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