このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2012年5月2日水曜日

山行記 : 2012年4月29日~ 奥秩父主脈全山縦走(失敗) 計画概要

今年のゴールデンウィークは中日に休暇を貰って9連休にし、奥秩父主脈全山縦走に挑戦した。
今こうしてブログを更新しているということは、すでに失敗に終わって下山したことを意味する。
無念だ。

すでに失敗に終わった山行を、計画から振り返って記すことは、日経ビジネスの「敗軍の将 兵を語る」と同程度には意味のあることだろうと思うので、リベンジの気持ちを込めてアップしたいと思う。


今回の計画は、以下のとおりの日程を考えていた。

1日目 : 瑞牆山荘 ~ 富士見平小屋(デポ) ~ 瑞牆山ピストン
2日目 : 富士見平小屋 ~ 金峰山 ~ 朝日岳 ~ 大弛小屋(デポ) ~北奥千丈岳ピストン
3日目 : 大弛小屋 ~ 国師ヶ岳 ~ 甲武信ヶ岳 ~ 甲武信小屋
4日目 : 甲武信小屋 ~ 破風山 ~ 雁坂峠 ~ 雁峠 ~ 笠取小屋
5日目 : 笠取小屋 ~ 将監小屋
6日目 : 将監小屋 ~ 飛龍山 ~ 雲取山 ~ 雲取山荘
7日目 : 雲取山荘 ~ 長沢背稜 ~ 東日原

そう、奥秩父主脈をやっつけた上に、積年の課題であった長沢背稜もまとめてやっつけようという行程だ。
(失敗した今となっては、根拠の無い強気に支えられた計画であったと猛省している。)

しかも、上記の行程全てをテント泊で過ごすという計画で、そのうちの少なくとも2泊は確実に雪上幕営という、セルフ罰ゲームとでも言うべき山行だ。

この行程の最大の山場は3日目の大弛~甲武信である。
ルート上に雪が非常に深く残っているままで、かつ、トレースもロクに無いという状況が予想された。しかも、「山と高原地図」のコースタイムそのままに歩いたとしても、7時間弱の行動時間が計算され、当然、雪道であればそのタイムよりも大幅に遅れるに違いない。
最終日(体力的にそうとう厳しくなっているであろう)の長沢背稜もかなりキツイと思われるが、ルート上に凍結はあっても雪のツボ足は無いだろうから、やはり大弛~甲武信が最もキツイに違いない。

これが無雪期であれば、おそらく6泊ではなく4泊でスケジュールを組み立てたと思うが、残雪期であることを考慮に入れての保守的なスケジュールを組んだつもりであった。
実際、残雪のために遅れを取るとしても、コースタイムの1.5倍を見込んでおけば大丈夫だろうと考えて、1日最大12時間程度の行動までは覚悟していたのである。


準備にあたっては、今回のルート上の奥秩父主脈に関する情報として、先人のブログ等に加え、リアルタイムな情報としてヤマケイオンラインの瑞牆山荘からの情報を頼りにした。

結果、主な装備としては以下のとおりとなった。

【衣】
・ハードシェルは持たず、防寒は雨具とマイクロフリースとソフトシェルで
・帰宅時と、途中の緊急事態に備えての着替え
・ダウンジャケット&ダウンパンツ
・ウインドブレーカー
・オーバーグローブ、インナーグローブ、メッシュグローブ

【食】
主食:アルファ米とフリーズドライの食料(7日分+予備少々)
行動食:アルフォート、グミ、サプリ系キャンディ、ドライフルーツ
ストーブ:SOTOマイクロレギュレーター、SOTOガス缶、アルコールストーブ、アルコール800ml
調理具:プリムスのケトル
食器:プラスチックの食器、MSRのスプーン
水:ソースのハイドレーション(2リットル)、ペットボトル少々

【住】
・テント:モンベルの旧ステラリッジI型、グランドシート
・テントマット:銀マット
・スリーピングマット:サーマレスト リッジレスト
・竹ペグ
・シュラフ(0度まで対応)

【その他】
熊スプレー
・ピッケル
・12本爪アイゼン
・6本爪アイゼン
・ラジオ
・au携帯、iPhone、iPhone用充電バッテリー
・マムートのヘッドライト
・ストック2本
・保温ボトル(小さいやつ)
・文庫本4冊
・ロウアルパインのロングスパッツ
・医薬品等
・トイレットペーパー
・地図(2万5000分の1、5万分の1)
・細引き 7m
・45リットルのゴミ袋
・ザックカバー
・温度計
・ホイスル
・コンパス
・手ぬぐい
・デジカメ
・防水マッチ
・ライター

と、だいたいこんな程度のものを詰め込むと、70リットルのザックでは事足りず、オスプレーのイーサー85を使うことになった。(せっかく70リットルのザックを新調したのに・・・。)
で、さらに、テント場に荷物をデポしてピストンする際に使用するサブザックとして、イーサーのアドオンであるSOLOを外付けした。

そんなこんなで、荷物の重さは28kgぐらい。
僕の場合、だいたいいつも2泊3日の無雪期ソロテント泊の荷物が23kgぐらいなので、積雪期の6泊7日ならこんなもんか、と問題意識を全く持たなかった。
僕は元々「ファスト&ライト」にあまり興味が無く、スロー&ステイな登山スタイルなので、加重に鈍感なのは確かだ。
高校生のときは生野菜やら生米やらを背負って30kgぐらいの装備で山に行っていたし、そのへんの大学の山岳部は40kgぐらい背負うだろうし、歩荷トレーニングにもちょうどいい、というぐらいにしか考えなかったのである。(これが今回の失敗の最も大きな要因だと、後から思い知ることになる。)


おそらく来年以降のゴールデンウィークに奥秩父主脈縦走に挑戦する人もいらっしゃると思うので、今回の失敗の記録が何らかの参考になれば幸いである。

それでは、次の記事からは、実際の山行の状況をアップしていきたい。



(→「山行記 : 【1日目 その1】2012年4月29日~ 奥秩父主脈全山縦走(失敗) 出発編」へ)

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