重たいイーサー85はテントの中にデポし、SOLOとチェストバッグ、それにマップケースという身軽な出で立ちで、いよいよ瑞牆山へ出発。
SOLOには、
- 雨具(ジャケットのみ)
- 6本爪アイゼン
- 水の入った500mlペットボトル
- 朝、コンビニで買ったパン
だけを詰め込んだ。チェストバッグに行動食、コンパス、ヘッドライトなどが入っている。
服装は、
【上半身】
モンベルの薄手の長袖Tシャツの上に、マウンテンハードウェアのジップアップTシャツを重ね着。
【下半身】
ノースフェイスのクオーター丈のパンツの下に、ユニクロのヒートテックのタイツ。
ロングスパッツは着けず。
という軽装だ。
瑞牆山へのルートは、富士見平小屋のすぐ手前から伸びている。
12:00に出発。
まずは、斜面をトラバースするような登山道をしばらく歩く。
岩がゴロゴロしていて、けっこう歩きづらい。
足首を捻らないように気をつけたいところである。
12:15、小川山への分岐点に差し掛かる。
小川山への登山道は、国土地理院の2万5000分の1の地図には載っていないが、「山と高原地図」では破線ルートになっている。それによると、飯森山の北側斜面をトラバースするルートのようだ。
もちろん今回は小川山に用は無い。
ここから瑞牆山へのルートは、いったん川に下る。急斜面をガンガン下る。
すると、広く開けた河原に出る。
これが天鳥川(あまどりがわ)だ。
上流の方を見やると、大きな岩がゴロゴロしており、その隙間を縫うように水が流れている。
ここは渡渉ポイントであるが、雪解けの今の時期でも足元を濡らさずに、岩を飛び石のように使って渡ることができた。(雨が降れば事情は異なるだろうが。)
川を渡ってすぐにベンチのある広場があり、休憩する人も多く居る。
この広場の先からが、いよいよ瑞牆山のワイルドな登りとなる。
まず最初に出迎えてくれるのは、瑞牆山らしい巨岩。
是非、画像をクリックして大きい画像で見て欲しいのだが、巨岩の右側に階段がある。
その階段との対比で、その大きさの程が知れよう。
岩の割れ目は、人が登ろうと思えば充分に可能なぐらいの幅がある。
その巨石が転がらないようにであろうか、つっかえ棒のように木が立てかけられている。
でも、この巨石に対してこの程度のつっかえ棒が、いかほどの効果をもたらすのだろう?
教えて偉い人!
そんなこんなで巨石の脇の階段を抜けると、ワイルドな急登が続く。
これ、登山道ですよ。枯れた沢じゃないですよ。
まー、登山道が沢筋を伝っているんですけどね。
そして、どんどん登る。
ワイルド。
ワイルド。
ワイルド!
身軽な装備じゃないと、なかなか歩きにくい登山道だ。
ロープが垂らされている場が3箇所あるが、僕は調子に乗ってそれを使わずに登っていたら、コケて膝と肘を強打した。ナメちゃいけない。
で、2,000m弱のところにある大ヤスリ岩。
この岩を右に巻くように山頂へ向かう。
ここから先は、ところどころで凍結箇所があったものの、南側の斜面についてはアイゼン無しでも問題なかった。
が、山頂への分岐からは北側斜面に回りこんでプッシュアップすることになるので、雪や氷がすごいことに。
下の画像は山頂への分岐。
ここから先は登山道がカチカチで、アイゼン無しで進むのはあまりにも危険。
特に最後の急登はロープを掴まないと登れないような場所だが、岩が氷で覆われていて非常に危険だった。
実際に、斜面で滑り落ちてる人がいた。その人に怪我が無かったのが奇跡だ。
13:53、瑞牆山山頂到着。
目の前には金峰山。
五丈岩も見て取れる。(画像の中心やや右)
眼下には大ヤスリ岩と、山梨の低山。
瑞牆山荘の赤い屋根も、緑の絨毯のなかにポツンと見て取ることができる。(画像の中心やや右)
遠くには八ヶ岳。
北東には小川山。
山頂の直ぐ東側に見える断崖。
残念ながらモヤが濃くて、南アルプスはあまりよく見えなかった。
山頂はたくさんの人で賑やかだった。
賑やかなのはいいのだが、30人ぐらいの若い団体さんが、パーティの半分以下の人しかアイゼンを持ってきていなかったようで、下山にあたってリーダーらしき人が「アイゼン持っている人は、持っていない人に片方貸してあげてください。」と呼びかけていた。
山頂に登りたかったのはよく分かるけど、凍結箇所は登りよりも下りのほうが断然危険なのだから、そういう無茶はやめて欲しい。
そもそも、この時期の奥秩父で2,000m超の山を登るのに、アイゼン持ってきていないというのはどういうことなんだ。
案の定、この若者の団体は、下山に当たってものすごい渋滞を引き起こしていた。
おかげで下山予定時刻を1時間もオーバーするハメになってしまった。
正直なところ僕も、この山頂直下の凍結に関しては、ここまでキツイことになっているとは想像していなかった。
今年の2月に雲取山に行ったときの、山頂直下の北側斜面よりもひどいことになっていた。
しかも、極短い距離とはいえ非常に急な斜面だったので、6本爪アイゼンでは少し怖かった。
あとは富士見平小屋のテントに戻って、白飯のアルファ米にフリーズドライの親子丼をかけて食べ、小屋でビールを買って飲んで終了。
驚いたのは、富士見平小屋のテント場では、auもsoftbankも電波がしっかり入ったということ。
おかげで、下界と連絡を取ることができた。
その後、2日目の行程に不安を抱きながら20時には就寝。
(つづく)
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