このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2013年9月9日月曜日

山行記 : 2013年8月20日~8月23日 槍ヶ岳~大キレット~穂高縦走 総括



(この記事は「4日目 横尾~上高地」の続きです。)


この夏、僕の唯一のソロ登山が、この3泊4日の槍穂縦走だった。
連れとワイワイ行く山もいいけれど、ソロでなければ味わえない山もある。今回はそれをつくづく感じた山行だった。

山の声に耳を傾け、山と対話する。
己の内なる声に耳を傾け、己と対峙する。

自分はどこまで行けるのか。
山はどこまで自分を受け入れてくれるのか。
常に問い、常に見極め、己の判断の責任は己で取る。
他者の責任まで背負う必要もなく、他者に責任を押し付けることもない。
それこそがソロの醍醐味であるのだと思う。

今回は、厳しい局面に何度か出会った。

槍ヶ岳山頂の直下での嵐。
槍ヶ岳から南岳までの突風。
大キレットの乗っ越し。
へとへとになりながらの北穂からの下り。

それらの局面において、自分はどれだけ適切な判断を下せたのか。
約半月が過ぎた今でも、自問し続けている。

本当に安全に対する配慮は万全だったか。思考停止することはなかったのか。
逆に、安全に拘泥するあまり、無為に踏みとどまってしまったのではないか。

下山後も、常の山行よりも自問がどんどん湧き上がる。
もっと行けたのではないか、もっと行くべきだったのではないか。

でも、きっとそれは、無事に下山する限りは常に付きまとう自問なのではないかと思う。
その自問をしなくて済むのは、山で命を落とした時ではないか。
少なくとも僕は、命を落とすほどの山行をするつもりはサラサラ無いので、きっと登山を続ける限りこの問いと向き合っていかなければならないのだろう。

もう僕の肉体年齢はとっくにピークを過ぎている。
だが、山は変わらずにそこに在り続ける。

僕が追いかけているのはいったい何なのだろう・・・?


(了)






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