このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。
2013年9月9日月曜日
山行記 : 2013年8月20日~8月23日 槍ヶ岳~大キレット~穂高縦走 4日目 横尾~上高地
(この記事は「3日目その2 北穂~横尾」の続きです。)
4日目の朝は、雨の音で目が覚めた。
マジか・・・。
昨日の夕方はあんなに天気が良かったし、予報では午前中ぐらいは天気が保つって話だったのに。
といっても、あとはほとんど平坦な道を上高地まで歩くだけなので、多少雨が降ったところで命の危険は無い。ちょっと不快なだけだ。
横尾から上高地までは、最短ルートを歩くと約4時間のコースタイム。
いつもの勢いで6時とかに出発してしまうと、上高地には10時に着いてしまう。
が、上高地での日帰り入浴は、一番早い施設でも12時から。
完全に時間を持て余してしまう。
ということで、朝はゆっくりダラダラと過ごす。
朝食を取り始めたのも6時を回ってから。
この時点でほとんどの客は宿を出発していた。
その後もダラダラしながら過ごすが、持参した2冊の本も昨日までの3日間で読み終えてしまい、やることも無い。
ヒマに耐えられなくなり、7:30、宿を出る。
昨日宿の前から見えた穂高は、今日はすっかり雲の中。
雨は非常に小降りになっているが、あの雲の中は荒れているのだろう。
昨日のうちに下りてしまって正解だった。
小降りではあるものの、一応雨具のジャケットだけは着て出発した。
道はほとんどアップダウンの無い平坦に整えられた道だ。
自動車のタイヤの跡などもあったりする。いわゆる林道だ。
7:43、沢が登山道を横切って梓川に流れ込んでいた。
普段よりも水量が多いのだろう。
林道を歩いていると、遠くから雷の音が聞こえてきた。
こんな朝っぱらから雷とは・・・。
本当に、昨日のうちに降りておいてよかった。。。
特に変化の無い道を淡々と歩き、7:49、林道は梓川の川原に接する。
水面から蒸気霧(※2013年9月25日追記:これは「蒸気霧」ではなく「移流霧」と言うのだそうです。)が発生していた。
8:13、新村橋に到着。
この新村橋は、涸沢からのパノラマコースとの合流地点でもある。
この吊り橋の向こうがパノラマコース。
パノラマコースはなかなかタフなルートのようで、雪が残るうちはコースが閉鎖されている。
この日もまだ、開通していなかった。
なお、僕が持っている2010年版の「山と高原地図」では一般ルートになっているが、最新版では破線ルートになっている。
涸沢から上高地への距離としては、横尾経由よりも短いものの、コースタイムは却って長いという罠のようなコースだ。
8:26、徳澤園に到着。
こんなに悪天候の平日に、どこから人が湧いたのかと思うぐらいの混雑ぶりだった。
徳澤のテント場。
このあたりから、雨粒が少し大きくなってきた。
道端のベンチに荷物を下ろして、ザックにザックカバーをかける。
その間も、雷鳴が聞こえていた。さっきよりも少し近づいてきている。
8:35、徳澤ロッジの前を通過。
8:38、徳沢を渡る。
その後すぐ、梓川沿いに出る。
ここは明神岳の展望が良いポイントらしいのだが、なんも見えない。
道は再び河岸を離れる。
8:54、古池の横を通る。
古池の先には、梓川に注ぎ込む小さな川が流れていて、なかなか美しい。
9:03、登山道を横切る沢。
9:10、徳本峠への分岐に到着。
もちろん、徳本峠には向かわず、直進し、白沢を渡る。
9:14、明神館が見えてきた。
こちら側から見ると地味だが、正面に回ると納得の店構えだ。
そこらへんに居る人々の服装が、登山者ばかりでなく散歩風の人が増えてきた。
ここはもう下界なんだなぁと、しみじみ思う。
特に、ペットボトルを捨てるゴミ箱が設置されているのが衝撃だった。
高尾山なんか、下山してもゴミ箱が無いのに。
さて、このまま直進すると、10時過ぎには上高地に到着してしまう。
そうなるといくらなんでも時間を持て余してしまう。
コーヒーでも飲みながらのんびり、というのも魅力的だが、汗や雨で濡れた服を着たままで2時間近く待つというのも不愉快だ。
それなら、軽く上高地観光をして時間を潰すほうが良いかもしれない。
というわけで、ここから進路を梓川の対岸に取ることにした。
そこには、嘉門次レリーフや明神池、自然探勝路、ウェストン碑など、一度は見ておきたい場所がある。
人生初の上高地なので、そんな観光もなかなか魅力的だ。
というわけで、梓川を渡る。
9:21、明神橋に到着。
橋の上からは五峰からの尾根が見えたが、ピークは雲の中。
渡ってすぐ「山のひだや」が見えるが、素通り。
9:25、明神池への分岐。
明神池方面に向かうと、まずは鳥居がお出迎えだ。
鳥居をくぐるとすぐに、右手に嘉門次のレリーフ。
日本近代登山の黎明期に山の案内人として有名な嘉門次を偲ぶレリーフである。
その向かい側には、嘉門次の子孫が営む嘉門次小屋がある。
中では小屋の人が魚を焼いているようで、美味しそうな匂いが漂っている。
この奥に、穂高神社奥宮がある。
この神社の社務所でお金を払い、明神池に入場する。
入るとすぐに熊出没注意。
明神池。
意外と普通。
明神二ノ池。
この先はややワイルドな道があるが、すぐに行き止まりとなる。
なんとなく消化不良のまま明神池を出る。
以降、上高地の探勝路散策になるので、点景的に画像を上げておく。
10:48、河童橋手前のホテル白樺荘前に到着。
ここからの眺めが、まさに穂高を望む上高地の有名な景色だったのか。
肝心の穂高は雲の中だったが、この景色を見ることができて心が震えた。
『岳』で、東京から一歩も出たことがないという老婆に三歩が見せた景色は、ここからの眺めだったのか。
しかも、勝手に涸沢カールだと思い込んでいたら、このカールは岳沢だったのか。
梓川の川面からは蒸気霧(※2013年9月25日追記:これは「蒸気霧」ではなく「移流霧」と言うのだそうです。)が。
10:45、河童橋に到着。
これを渡ればバスターミナル方面だが、今は渡らず梓川の右岸を歩く。
お風呂の時間までまだまだ間があるので、ウェストン碑を目指す。
ウェストンといえば、「日本アルプス」の名付け親だ。
よほど故郷が恋しかったのか、ヨーロッパアルプスと似ても似つかない山々に「アルプス」の名を冠したことの功罪は凄まじいが、いずれにしても日本の近代登山の祖とも言える存在だ。
ウェストン碑には、完全につまらない舗装路を歩く。
11:03、ウェストン碑に到着。
そこから再び河童橋方面に戻る。
上高地アルペンホテルで風呂に入るのだ。
11:20、上高地アルペンホテル到着。
僕の調べた限り、ここが日帰り入浴のなかで最も早い時間にオープンする。
が、それも12:00からなので、しばらくロビーで待つ。
その後、風呂に入ってすぐにバスターミナルへ。
バスターミナルに着いた途端に激しい土砂降りとなる。
天気に恵まれない4日間であった。
(「総括」につづく)
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