前日まで3泊4日で槍穂縦走だったのに、何をトチ狂ったか、会社の同僚といっしょに西沢渓谷に滝を見に行った。
新宿から特急あずさに乗り、塩山で下車。
その後バスに1時間ほど揺られる。
途中、道の駅みとみでは、雁坂2000m級稜線クリスタルトレイルランに出場すると思われるトレイルランナーたちでごったがえしていた。
どこもかしこもトレイルランだなー。
西沢渓谷入口バス停に到着したのは10:05。
天気はあいにくの曇天模様。
朝方までは雨が降っていた様子だ。
この様子では、沢は増水しているに違いない。注意せねば。
西沢渓谷入口バス停には売店もトイレもある。
この売店では、ヨモギ餅や炊き込みご飯を売っていた。
昼ご飯を持参してしまっていたので炊き込みご飯は諦めるも、せっかくなのでヨモギ餅は食べてみた。
文句なしに美味い。
ひとごこち着いたところで、出発する。
コースタイムで4時間程度の、アップダウンも少ない周回コースだ。
槍穂帰りの僕としては、ちょうど良い整理運動といったところか。
まずは、沢に沿って舗装道路を歩く。
あきらかに沢登りだろうという装備の一団の後ろを歩く。
もちろん、そんなガチガチの装備の人たちばかりでなく、限りなく普段着に近い格好をした観光客も多数いた。
そのギャップがすごい。
ちなみに僕は、足元がトレランシューズである他は普通の登山の服装だ。
10:17、ゲートに到着。
ゲートの先もしばらく舗装道路が続くのだが、その舗装道路の上に、おそらく昨日から今朝にかけても雨で流れ出して来たのであろう、泥が覆いかぶさっている箇所が見受けられた。
昨日の昼間はかなりの豪雨だったようで、バスの中から見た笛吹川は泥で濁っていた。
そりゃ、これだけいろいろなところで土砂が流れ出していれば、川の水も濁るわなぁ。
10:28、なれいの滝に到着。
ちょっと遠くて、写真での再現性が低い。
まさか、名にし負う西沢渓谷の滝とはこの程度なんじゃないだろうな、と不安がよぎる。
引き続き観光客などと抜きつ抜かれつ林道を進む。
10:30、ネトリ橋との分岐に到着。
分岐には祠がある。
この分岐からネトリ橋には向かわず直進するのが一般的な進行方向のようなので、そのまま他の観光客と共に直進する。
10:35、近丸新道の入口に到着。
甲武信ヶ岳に登りたいのはヤマヤマだが、今回の目的は西沢渓谷なので、そのまま林道を進む。
10:38、ヌク沢に掛かる橋が見えてきた。
ここには、トロッコを走らせていた道の残骸である橋梁がある。
ヌク沢の水は、やはり濁っていた。
こんなんで、滝は楽しめるのだろうか。。。不安がより一層大きくなる。
さらに林道を歩き、
10:42、徳ちゃん新道の入口にたどり着く。
分岐の奥に見えるのは、休業中の西沢山荘だ。
もはや、休業中というよりも、廃業状態ではなかろうかと思わせる外観。
すぐその先には、『山と溪谷』の田部重治の文学碑がある。
なぜ文学碑が自動車のような形をしているのかは分からない。
文学碑の先は、いよいよトレイルとなる。
10:48、二俣吊り橋を渡る。
二俣吊り橋から見た下流側。だいぶ濁りが少なくなってきた。
上流側は砂防ダム。
砂防ダムの向こうには鶏冠山の姿が見える。
吊り橋を渡ると、階段状の急登が現れる。
10:53、「鶏冠山→」の道標が現れる。
こんな道、僕が確認できる地図ではどこにも載っていないのだが、どうやらここから東沢に出て渡渉後、鶏冠山へアプローチするようだ。(参考記事)
この分岐(?)には、こんな看板も立っている。
どうやらここからが西沢渓谷な模様。
トレイルも、いよいよ狭くなる。
この画像のすぐ先は、
こんな階段になっているのだが、途中で大久保の滝が見える。
でも、ちょっと遠い。
続いて現れるのが三重の滝。
三重の滝は滝見台が設置されているのだが、その滝見台には11:06に到着。
この滝見台からは、三重の滝が間近に見ることができる。
前日の雨の影響か、ド迫力の水量だ。
三重の滝を一段目側から見るとこんな感じ。
また、同じ地点から上流側を見ると、こんなに穏やかで瑞々しい渓流の佇まい。
この渓流沿いに切り出された登山道を進む。
この道がまた、濡れていて滑りやすい。
コケて落ちたら、この水量なら確実に滝まで運ばれてしまう。
地味にスリルのある道だ。
ちょうどこのあたりで、渓流の真ん中にある大きな岩の上に、流木が打ち上げられているのが見えたのだが、その佇まいがまるでオットセイのようで、思わず「ニシちゃん」と名付けたくなった。
11:16、フグ岩に到着。
あんまりフグっぽくない。
そういえば、フグはなぜ海の生き物なのに「河豚」と書くのだろう。
もっと豚っぽいカバは「河馬」と書くので、豚じゃなく馬である模様。
ちなみに、「海豚」はイルカのことだが、あんまりブタっぽくないなぁ。
11:16、ウナギの床に到着。
美しいナメ滝だとは思うが、あんまりウナギっぽくないような・・・。
もうちょっと水量が少ないとウナギっぽいのだろうか。
11:18、人面洞に到着。
画像左の洞の部分に人面のような凹凸がいくつも見られるということなのだが、後ろが閊えているためのんびり確認してる暇もなく通り過ぎた。
登山道は引き続き、ゴルジュをむりやり削り出したような佇まいで伸びている。
11:23、竜神の滝に到着。
水量が多いせいか水の勢いがあって、水の落ち方がすごい。
11:25、恋糸の滝に到着。
樹木が邪魔で見えにくい。
このあたりまで来ると、ひっきり無しにキレイな滝が現れるので、テンションは上がりっぱなしでありつつも、ありがたみは薄れてきてしまっていた。
が、11:29、そんな中弛み気分を吹き飛ばす貞泉の滝が登場。
ド迫力。
こんなウォータースライダーを滑り落ちてみたいものだ。
浮かび上がれるか分からないけど。
貞泉の滝のすぐ上も、水量十分の迫力。
こんなところには落ちたくないものだ。
連れにも十分に注意するよう、改めて呼びかける。
登山道には落石も。
11:36、こんなに幅の広い滝に遭遇。名前は特に無いようだ。
この流れ方を見ていると、普段はここまで幅が広いわけではないのかもしれない。
それにしても、美しい渓流続きで見飽きることがない。
でも、見とれているとコケそうになる、滑りやすい足元。
11:40、母胎渕に到着。
すごい穴だ。
おそらく水の流れの力で徐々に削られていったのだろうけれど、いったいどういう流れがあるのだろうか。
その後も美しい渓流は続く。
11:47、カエル岩に到着。
カエル岩は写真右奥、川の中洲のように盛り上がる岩石郡の一番上の岩だ。
11:51、方丈橋が見えてくる。
方丈橋の上からは、七ツ釜五段の滝の一番下の部分が見える。
橋を渡るとすぐに急登となる。
登ると、いよいよ七ツ釜五段の滝の姿が見えてくる。
急登の先は、トラバース気味に七ツ釜五段の滝を回り込むように登山道が続く。
このため、滝の様子も別角度からの眺めも堪能できる。
水量も多く、凄みがあrった。
登山道脇の崖からも、ざぶざぶと水が流れている。
12:03、七ツ釜五段の滝の先で川原に下りる。
昼食を、この画像の中央やや左の大きな岩の上で取る。
渓流を間近に眺めながらの昼食は、ことのほか美味い。
いつまでもここで水の流れを眺めていたいのだが、渓流の空気は夏でもヒンヤリと冷たく、体が冷えてしまう。
滞在時間20分ちょっとで再び歩き出す。
12:31、不動滝に到着。
七ツ釜五段の滝の後なので、若干の迫力不足を感じる。
シャクナゲ群生地を抜け、
12:40、西沢渓谷周回コースの最奥地に到着。
この建物はトイレ。
この奥には旧トロッコ道が続いているが、今回はこれ以上奥には行かない。
ここからは、旧トロッコ道を下る。
12:44、さわぐるみ橋に到着。
さわぐるみ橋のたもとに、「方丈橋」の説明書きが立てられていた。
方丈橋って一般名称だったんだ。知らなかった。
この道はトロッコ道だっただけあって、軌道が残っている。
トロッコ道だっただけあって、道の傾斜は緩やか。
12:48、五つ淵に到着。
ここからは、七ツ釜五段の滝が見える。
が、遠すぎてピンと来ない。
このすぐ目の前に、しゃくなげ橋という吊り橋がある。
この吊り橋には、しゃくなげのレリーフが付けられている。
12:53、「ひこいっちゃんころばし」という場所に至る。
そうか、ひこいっちゃんはここで転落してしまったのか。
ケガで済んだようで、何よりだが、、、
12:59、今度は「いこりころばし」だ。
なんだか、いろいろな人が方々で落ちてるなぁ。。。
このいこりころばしにある橋が「いこり橋」。
このいこり橋に限らず、このトロッコ道にかかる橋のほとんどは、歩く場所が目の細かい金網状になっており、歩いていると下が見える。
このため、橋を渡ることが高所恐怖症の連れにとってはかなりの苦痛を伴うようで、
「なんでわざわざ下が見えるようにしてあるんだよ! 東京タワーか!」
と毒づいていた。
13:00、めがね岩に到着。
が、メガネ男子である僕には、この岩のどこがメガネなのか分からなかった。
13:03、大展望台に到着。
鶏冠山や破風山が見える。
13:16、大久保沢に至る。
13:24、トロッコの展示と説明書きがあった。
13:33、祠が現れるも、名前も縁起も分からず。
13:36、モフモフのコケが生えた大岩が現れる。
13:38、奥悪沢に到着。
例によって、説明書きが立てられていた。
13:45、バス停への近道が現れる。
なだらかなトロッコ道とは打って変わって、まさしく登山道といった佇まいだ。
この道は距離も近いが、所要時間もいくらか短くて済む。
ほんの5分ほどでこの近道は終わり、再び本道へ。
13:50、ネトリ橋を渡る。
ネトリ橋を渡ったところで、西沢渓谷一周が終了。
広場の祠で無事を感謝して、今朝来た道をバス停まで歩く。
こうして西沢渓谷のトレッキング(というか観光?)は終わった。
前日までのハードさと極端に異なるのんびりしたトレッキングだったが、これはこれで素晴らしい景色の連続で、楽しく過ごすことができた。
人気コースであるのも納得である。
(了)
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