そこで、いっしょにキタタンに出場するA先輩と共に丹沢でトレーニング。
大倉から塔ノ岳を経由して、丹沢山、そして、行けるようなら蛭ヶ岳まで往復したい。
というわけで、朝8時半、大倉バス停に到着。
身支度を整え、8:35、大倉バス停を出発。
いったん、2時間で塔ノ岳の山頂にたどり着くのを目標とした。
8:43、登山口到着。
すこしの間、コンクリートの路面が続くが、すぐにボッコボコに石を敷き詰めた路面になる。
これが非常に歩きにくく、油断すると足首がグネりそうになる。
大倉から塔ノ岳までの大倉尾根(通称:バカ尾根)ルートは、ここに限らず、足首がグネりそうになる場所ばかりだ。
右足首のコンディションに不安を抱える自分としては、とても嫌な場所だ。
ここで、ヒルに関する注意を促す看板が建てられていた。
こんな看板は他の山域では見たことがない。
丹沢といえばヒルというぐらいに定番化しているわけだが、その深刻さが窺い知れる看板だ。
次第に道は狭くなっていき、土のトレイルになる。
ここまでくれば、いくばくか歩きやすくなる。
8:56、観音茶屋に到着。
まだ出発したばかりなので、当然素通り。
8:59、分岐。せっかくなので、向かって左側の大倉高原山の家方面にルートを取る。
遠回りになるこっちのルートを選んだのは、尾根沿いの気持ちの良い道だからだ。
尾根に上がると、こんな気持ちの良い新緑のトンネルがある。
9:07、大倉高原山の家に到着。
その先は、見晴茶屋までほぼフラットな地形で、気持ちよく走れる。
9:11、見晴茶屋に到着。
この見晴茶屋を過ぎると、急登が始まる。
見た瞬間に「バカか・・・」と言いたくなるぐらいの急登が真っ直ぐに続いている。
「バカ尾根」とは、本当によく言ったものだ。
しかも、ガレてて歩きづらい。
この急登を登りきると、いったん地形はなだらかになる。
ヘタレな僕は、こういうところだけをずっと走っていたいと切に思うのである。
そういう意味では、奥高尾は非常に良い場所なのだが、やっぱりバカ尾根の方がトレーニングにはなるなぁ、と。
が、このなだらかな地形もすぐに終わり、駒止小屋まで急登が続く。しかも石がゴロゴロ。
で、吐きそうになりながら、9:34、駒止小屋に到着。
ここから堀山の家までは比較的なだらかな地形が続くのだが、木道などが多く走りにくい。
9:47、堀山の家に到着。
この先の急登を上ると、少しずつ視界が開けてきて、富士山も見えてくる。
塔ノ岳に来た際、2回に1回ぐらいしか富士山を見れないのだが、今日はくっきり見えた。
すごく得した気分。
10:00、天神尾根分岐に到着。
塔ノ岳の山頂まであと1.8km。
この上の急登は、とにかく石だらけ。右足首の踏ん張りが効かない僕にはツライ場所だ。
少しずつ高度をあげていくと、次第に樹木の背が低くなってくる。
そうすると当然、だんだんと視界が開けてくる。
進行方向左には富士山。
後ろには相模湾。
いよいよ、花立山荘直下の長い階段に差し掛かる。
僕は、バカ尾根でいちばん見晴らしの良いのはここじゃないかと思っている。
先に挙げた相模湾方面の見晴らしも、ここからならこんなに遮るものがない。
花立山荘まで上がってしまうと、逆に遮るものがいろいろ発生して、こうはいかない。
10:20、花立山荘に到着。
この時点で汗がダックダクだったので、スポーツドリンクを購入。生き返る。
花立山荘の横には、大量の砂利の袋が置かれていた。
これは、翌日の丹沢ボッカ駅伝のための重石か??
戦慄を覚えた。
さて、花立山荘まで来れば、塔ノ岳山頂までそれほど厳しい地形は無い。
伸びる木道。
木道の先に見えるピークを眺めて、
「あれ~? 塔ノ岳ってあんなんだっけ?」
と、2年半ぶりの姿を訝しむ。
木道の上からは、不動ノ峰や蛭ヶ岳の姿が見える。
ツツジと富士。
10:30、馬の背に差し掛かる。
その1。
その2の1。
その2の2。
低山痩せ尾根愛好家としては、この絵ヅラがタマラナイわけで。
馬の背を越えると、金冷シの手前は新緑のトンネルが。
10:32、金冷シに到着。
そして、金冷シの向こうも新緑のトンネル。
ここから山頂までは、あとほんの少し。
気持ちよく走ったり歩いたりしていたら、左手から生き物の歩く音がする。
もしや、と思って見てみたら、やっぱり鹿だった。
背伸びをして、木の幹に生えた白いキノコを食べていた。
こいつら、ほんとに何でも食っちまいやがるな。。。
ここから山頂直下の斜面を登り、10:44、塔ノ岳山頂に到着。
残念ながら目標タイムの2時間は切れず。
山頂の南の端にあったのアバラ屋は撤去されたようで。
塔ノ岳山頂からの富士山は、ヘタクソな小学生が描いたかのようにくっきり浮かび上がっていて、これはこれでアリ。
このまま先を急いで、丹沢山へ向かう。
ゴヨウツツジも満開だった。
塔ノ岳北側斜面からは、不動ノ峰がよく見える。
この斜面は、丸太の土留の階段がやや荒れているので、あまりよそ見をしていると足を取られる可能性がある。
景色を堪能しながらも、慎重に足を運ぶ。
塔ノ岳と日高の最鞍部。
先行するA先輩。どうしても追いつけない。
フルマラソンのタイムで僕より1時間以上も早いので、追いつけるわけもない。。。
日高の手前にある小ピークに出るところ。
枯れた樹木が1本立っているだけで、何やら殺伐とした雰囲気になるものだなぁと。
小ピークのあたりはなだらかな地形が続き、気持ちよく走れる。
さすがにここまで来ると、バカ尾根ほどは混んでいない。
富士山もよく見える。
さっきから富士山ばかりで恐縮だが、やっぱり富士山が見えると得した気分になってしまうのだ。
日高のピークへの登り。
丹沢という山域は、どうしてこうも絶望的な風景をちょくちょく繰り出してくるのだろうか。
11:03、日高に到着。
注目すべきは、この標識の下部にある張り紙。
狩猟期間以外にも鹿猟を行っているようで、行政も本気のようだ。
マジで、いいかげん本気になってもらわないと、食害がシャレにならない。
それにしても、獲った鹿はどうしているのだろうか。まさか廃棄してないだろうな。ちゃんと食肉として流通させているのなら良し。(ちなみに、去年の夏の時点ではこんな状況。)
日高を下ると、前方には竜ヶ馬場が見えてくる。
このあたりから丹沢山の山頂のちょっと手前ぐらいまで、笹原が続く。
笹以外は、鹿も食わない毒草ばかり。
眼下には箒杉沢。
いつ見ても、箒杉沢の大きさに驚く。
竜ヶ馬場への登り。
これを登ればピークかと思いきや、いったんなだらかになって、登りはさらに続く。
竜ヶ馬場への最後の登り。
竜ヶ馬場を越えると、再び不動ノ頭が見えてくる。
ここから丹沢山山頂へは、かなりなだらかなルートとなる。
気持ちよく走り、ところどころ歩く。
11:25、残り100m。
丹沢山山頂直下の登り。
こういうところにツツジの赤紫が現れると、やはりハッとさせられる。
11:27、丹沢山山頂に到着。
山頂に建つみやま山荘。
山頂で、昼飯。
1週間前の大山とは打って変わって、コンビニで買ったおにぎりとクリームパンを詰め込む。
今回はこれ以上進むことは諦め、引き返すことにする。
今回はこれ以上進むことは諦め、引き返すことにする。
11:52、復路突入。
山頂から下り始めてすぐ、塔ノ岳が見える。頂上には尊仏山荘も見えた。
山頂直下のベンチ。
どんどん近づく塔ノ岳。
塔ノ岳との最鞍部再び。
塔ノ岳北側斜面のグズグズな階段を登って、
12:26、塔ノ岳山頂に到着。
山頂で、チャンプに出会う。
チャンプはみんなから声をかけられ、
「塔ノ岳のチャンプだよー」
と言いながら、笑顔を振りまいていた。
さて、ここからバカ尾根の下りとなる。
バカ尾根のなにがツライって、石がゴロゴロで段差もキツく、右足首の踏ん張りが効かない僕にとってはスピードが出しづらいところだ。
できるだけスピードを出すこと。それが今回のトレーニングの目的でもある。
できるだけダメージが小さくなるように気を付けながら、下る。
12:45、花立山荘通過。
13:03、堀山の家通過。
だんだん膝が笑ってくる。
13:13、駒止小屋通過。
久しぶりに営業しているのを見た。
ここで、2人組のトレイルランナーに道を譲られ、慌ててしまって左足首をグネらせてしまう。
怪我はしなくて済んだが、気をつけなければいけない。
石ばかりの急斜面は足に来る。つらいばかりで、気持ちよくはない。
13:29、見晴茶屋通過。
下山ルートは大倉高原山の家方面でなく、距離の短い方を選んだ。
13:39、観音茶屋に到着。
ここでポカリスエットの350ml缶購入。一気飲みした。
いよいよ舗装路に入る前の石を敷いた道に出る。
これが走りにくくて仕方がない。イライラする。
舗装路に出て、最後の追い上げのダッシュ。
13:52、大倉バス停到着。
先に到着していたA先輩に一声かけ、売店でビールを購入。
汗ダクダクのまま、息を切らせつつビールをレジに持っていったら、店員の爽やかにーちゃんに
「美味しく飲めそうですね!」
と言われた。
そう、実際に美味しかった。五臓六腑に染み渡った。
だが、それがこのあとの失態の一要因となったのは間違いない。
その失態は、その後向かった湯花楽という日帰り温泉施設でのことだった。
露天風呂で半身浴しながら寝てしまった。
どれぐらの時間湯につかっていたのかは分からないが、上半身が冷えてしまったので、いったん内風呂につかり直した。
が、つかり始めてすぐに、何か自分の様子がおかしいことに気付いた。こりゃ、長湯をしすぎたかな?と思って、湯から出たら、フラフラしてマトモに立っていられない。
まずい、完全に湯当たりした!
慌てて、湯殿に置かれている椅子に座るものの、吐き気がこみ上げてきた。このままここに居たのではマズイ。そう思って立ち上がって、吐いても良いように風呂場に併設されているトイレに向かおうとした。
が、気付いたら、湯殿の床に倒れていた。仰向けに。
どのように倒れたかは記憶に無いが、頭を打った形跡は無かった。
とりあえず立ち上がって、今度こそトイレの個室にたどり着く。
そのまま便座に座り、こみ上げてくる吐き気やめまいと戦う。
全身から脂汗が染み出し、ボタボタと垂れる。
そうして、どのぐらいの時間を過ごしたのかはよく分からない。おそらく5分~10分ぐらいだったのではないだろうか。
なんとか落ち着いてきたので、脱衣場に移動して、身支度を整る。
鏡を見ると、びっくりするようなクマが目の下に浮き出ていた。
こうなってしまった原因はいくつか考えられる。
・350mlとはいえ、ビールを飲んでいた。
・極端に疲労していた。(トレイルランの疲れだけでなく、前日までの酷務の疲れもあった。)
・長風呂しすぎ。
不覚である。
皆様も十分にお気を付けください。
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