このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。
2013年6月15日土曜日
山行記 : 2013年6月8~9日 六ツ石山~雲取山 トレランスタイルで(2日目)
(この記事は「1日目」編の続きです。)
1日目の夜は、20時に寝床に付いたものの、寒さのためにすぐに目が覚める。
体がだいぶ疲れているのですぐに入眠するが、次の瞬間に体が震えて目が覚めるということを繰り返した。
こんなの、一昨年の7月に、夏山装備で残雪の上に寝たとき以来だ。
着られるものは全部着て、OMMのシュラフにくるまっているのだが、銀マットだけでは地面の冷たさを防ぐことができずに腰が冷える。やっぱり金をケチらずに、エアマットを買うべきだった。。。
そうこうするうちに次第に夜が更けてゆき、テント場がすっかり寝静まった頃、近くの林から
「キャア!キャア!」
という獣の鳴き声が執拗に繰り返し聞こえてきた。
僕が知っているシカの鳴き声とは違うし、サルにしては「群れ」という感じもしないので、いったい何の動物なのかは不明なままだ。
時計を見ると、0時を回ったところだった。
サルということに思いが至った時点で、ふと、1つの不安が頭をよぎった。
そういえば、このシェルターは前室なんていうものは当然存在しないので、靴は外に出しっぱなしだ。一応ゴミ袋に入れてあるので夜露に濡れることはないが、サルが悪戯して持っていってしまったら、下山どころか山荘に行くのもままならないなーと。
が、シュラフから出るのも億劫で、何の対策をすることもなく寝返りをうつだけ。
午前2時を回ったころから、寒さをあまり強く感じなくなった。
慣れたのか、それもと外気が温かくなったのか、よく分からないが、これまでよりは目を覚ます頻度が減った。
これで、ある程度まとまった睡眠が取れるようになるかと思った矢先の午前3時半頃。
テント場がガサガサし始める。
みんな今日の行動準備を始めたようだ。
さすが、山の朝は早い。
このテント場の人たちは、こんな朝早くに起きて、今日はどこまで行くのだろうか。単にご来光を見たいだけだろうか。
僕はこの日、下界で用事があるため、鴨沢バス停を9:32に出るバスに乗らなければならない。
普通に駆け降りることができれば午前7時に出発すれば間に合うのだが、足首が未だ本調子でないので、それでは不安だ。
ということで、午前6:00出発を予定していた。3時間半あればさすがに着くだろうと。(ちなみに、コースタイムは4時間ちょっと。)
予定としては午前5時頃に起きて、1時間程度で身支度をして出発、というスケジュールを考えていたが、テント場全体がザワザワしていてとても寝てられないので、午前4時に起床。
シェルター内の気温は10℃。
幸い、ストックシェルターの内側は結露することもなく、サラサラのままだ。今年のモデルから透湿性のある素材に変えたとのことだったが、それが良い影響を与えているのかもしれない。
おかげで、OMMのシュラフも濡れていない。濡れに強い素材とはいえ、やっぱりシュラフは濡らしたくないものだ。
シュラフにくるまったまま、持参したランチパックをもそもそと食べ、その後、シェルターの外に出て撤収作業を開始。シェルターの居住空間は狭いので、外に出て作業をした方が圧倒的にやりやすいのだ。
幸い、外に置きっぱなしにした靴に異常無し。一安心だ。
撤収作業をおこなっていると、いつの間にか太陽が昇っていた。
荷物が少ない分、撤収作業にもあまり時間がかからず、午前5時には全てのパッキングが終わってしまった。
このまま6時までここで待機していても仕方が無いので、A先輩夫妻に声をかけて早々に出ることにした。
5:15、まずは雲取山山頂に向けて、雲取山荘前を出発。
朝日を受けて輝く雲取山荘。
雲取山の山頂を巻いてしまうことも考えたが、前日と打って変わっての好天なので、山頂に行かないのはもったいない。
調子よくサクサク登れて、5:34、雲取山の山頂に到着。
雲取山山頂からの和名倉山。その向こうに見える雪山は八ヶ岳か?
もちろん、富士山も見える。
ここからの富士山は、1年半ぶりぐらいか。
山頂の西、避難小屋側からの富士山。
ここから、いよいよ石尾根を下りはじめる。
これだけ晴れていると、石尾根の下りは最高の景観を眺めながらの行程となる。
まさに至福のひととき。
山頂直下からの富士山もなかなか。
昨日はよく見えなかった、飛龍山とその向こうの奥秩父の山々。
5:48、小雲取山の分岐に到着。
5:59、ヨモギノ頭に到着。
ヨモギノ頭からの景色も、昨日と打って変わって遠くまで見渡せる。
6:03、奥多摩小屋に到着。
おととしの11月、富士山を眺めながらコーヒーを飲むためだけにテント泊をした、まさにその場所から、同じ富士山を望む。
この眺めは、飽きることが無い。
奥多摩小屋の向こう側は、まさしくテント街道。
ヘリポートのほうまでテントが続いていた。
というか、ヘリポートにテントを張っているおバカさんまでいた。そこはガチでマズい場所だからやめとけっての。
セクシーな木の手前では、遠くにはっきりと、南アルプスの山影が確認できた。
6:18、セクシーな木の横を通過。
ここまでで、出発から約1時間。
まあまあといったところか。
6:24、ブナ坂に到着。
ブナ坂からは、七ツ石山には登らず、巻道を走る。
が、あまり寝ていないせいか、足が重い。
七ツ石小屋へ向かう分岐を2つパスして、そのまま鴨沢に向かってどんどん下る。
堂所の少し上にある、折り返すように曲がる箇所から、
この日最後の富士山の姿を拝む。
実は僕は、この場所から富士山が見えることを知らなかった。
単に忘れていたのか、これまで気づかなかったのか、いままでここを通った時にガスがかかっていたのか、理由はよくわからないが、とにかく知らなかった。
なので、木々の間から急に姿を現した富士山を見た瞬間、思わず「おぉ。。。。」と唸ってしまった。
ソロ登山は、こういう時に感動を共有できる相手がいないのが寂しい。
ふたたび登山道は樹林の中に入る。
濃い樹林の中にあって、さらに標高もだいぶ下げてきたので、体感の気温がどんどん上がってきた。
7:10、堂所を通過。
ブナ坂からここまで1時間弱。
走ったはずなのにほぼコースタイムだ。おかしいな。。。
堂所から先は、次第に尾根筋から外れていく。
ヒノキ林も増えてくる。
次第に右足首が痛くなってくる。
走れないことはないが、タイムリミットである 9:32 まで時間が有り余っているので、もう走るのは止めた。
それでも、すれ違う登山者達に、
「おー、もう降りてきたのか、早いなー」
「健脚だねぇ」
などと声をかけられ、ちょっといい気になる。
7:43、廃屋も健在。(健在とは言わんか・・・。)
7:54、登山口に到着。
白タクに声をかけられるのを警戒したが、さすがにこんな早朝には張っていない模様。
そのままバス停へ向かう。
鴨沢山の家の前から見た奥多摩湖はすっかり干上がっていた。
6月でこれじゃ、東京ははたして今年の夏を無事に越すことはできるのだろうか。
非常に不安だ。
8:14、鴨沢バス停に到着。
予定していた9:32よりも早いバスに乗れないかなぁ、なんて思って時刻表を見たら、なんと8時台にはバスが無い!!
後半のんびりしなければ、あるいは7:47に乗れたかもしれないが、もはやアフター・フェスティバル。
バスが来るまで1時間以上の待ちぼうけだ。
仕方がないので、バス停のトイレで汗ダクの服を着替え、その後日だまりで本を読みながら時間を潰した。なんとも長閑な朝だ。
そう、まだ朝なのだ。
9:32、バスが時刻通りにやってきて、無事座席に座れた。
こうして僕の慌ただしい山行は終わった。
(「総括」編につづく)
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