先日、フィリピンに赴任している知人から、「フィリピンの富士山に登りに来ませんか?」と誘われた。
それはマヨン山という山で、ルソン島の南端のほうにあるそうだ。標高は富士山に大きく及ばないものの、コニーデ独特の円錐形は富士山にも劣らぬ美しさだという。
残念ながらまだ実現してはいないが、せっかくなのでいつか登りに行きたいと思っている。
そのマヨン山は別名「ルソン富士」というそうで、名付けたのは、異国の地で望郷の思いに駆られた日本人だという。
そんな話を聞いた矢先に書店で見かけたのが『世界の「富士山」』。
こんなドンピシャなものが新刊で出るとは、なんという偶然か。
さっそく買って読んでみると、世界には日本人が世界各国で勝手に「○○富士」と名前をつけて呼んでいる山が沢山あることを知った。
しかも、南米や東南アジア、極東などには、特に望郷の思いを強く抱く抑圧された邦人により名付けられたものが多いようで、心を締め付けられるようだ。
特に、アリューシャン列島にあるアッツ島という島には熱田富士と呼ばれる山があり、この島にまつわる太平洋戦争中の玉砕戦の話を本書によって初めて知った。
その話がショッキングであると同時に、そんなショッキングなことを自分が知らなかったことにもショックを受け、今、その玉砕戦について書かれた『アッツ島玉砕戦』という本を読んでいる。
正しいリーダーシップ無きところに正しい戦略も正しい用兵も存在し得ないということは、我々にとって歴史が証明してくれた自明の理であるにもかかわらず、それを充分に学習しているとは思いがたいこの国の現状を鑑みるに、返すがえすも無念でならない。
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