羽根田氏の遭難ドキュメント本については以前にも紹介したことがあるが、いつも非常にリアルにイメージできるケーススタディを提供してくれるので、様々な状況を想定して学習できる。
今回のテーマは単独行ということで、僕にとっても身近なテーマである。
僕は、単独で日帰り登山に行くことはほとんどないが、2泊以上の山行はほぼ確実に単独だ。
1泊までは一緒に行く仲間もいるが、2泊以上になると誰も乗ってこないのだ。寂しい話だ。
とはいえ、単独行が嫌かというと、そんなことはない。
むしろ好きだ。そういう人も、実際は多いのではないだろうか。
建前論では、単独行に対する風当たりは強い。危険だというのがその理由だ。
確かに、何か有ったときのフォローは、単独行ではあまり期待できない。
「何かあったら他の登山者に助けを求めればいい」
ということを言う人もいるが、それこそとんでもない了見違いだ。
なにせ、助けを求められたほうは、自分の 山行計画を放り出してでも応じなくてはならない。
安易にそんな迷惑をかけてはいかんのである。
だからといって、単独行をやめられるかといえば、それは無理な相談だ。リスク回避が最優先なのだったら、そもそも山なんか登らないのだから。
というわけで、単独行にあたっては、他者のフォローを一切期待せずに本当の意味での自己責任で対処できるようにリスクマネジメントできるようになる必要がある。
で、本書を読んでみて思ったことは、結局、単独だろうがパーティだろうが、気をつけなきゃならないことは同じだということ。
- 計画書を提出すること
- 道に迷う前に地図と照らし合わせること
- 軽挙な行動は慎むこと
この3点がやはり最も重要なのだと。
むしろ、パーティの場合よりも単独行のほうが、自身の注意だけでこの3点を担保できるのだから、リスクコントロールを担保しやすいと思う。
だからそこ、全ては自分にかかっているのだ。
こんにちは。
返信削除この紹介を読んで、興味がわき本を購入しました。
良い本を紹介してもらえて、ありがとうございました!
コメントありがとうございます!
削除とても励みになります。