このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2012年6月26日火曜日

2012年6月24日 第7回 乗鞍天空マラソン

ついに乗鞍天空マラソンに出場した。
もう3年も前に、取引先の人からその存在を教わったこの大会に、やっと出場する日が来たのだ。

乗鞍天空マラソンは、距離は30kmと大したことはないが、着目すべきはコースの標高差である。
標高1,500m地点をスタートし、2,700m地点まで上がって、そこから1,800m地点まで折り返すという、過酷なレースなのだ。

山を走るわけだが、いわゆるトレイルランニングではなく、すべて舗装路を走るオンロードのランニング大会だ。
乗鞍は3,000m級の複数の山々の総称なのだが、それらの山頂直下までバス通りが通っている。
このバス通りがこの大会のコースなわけである。


東京からでは当日入りは無理なので、当然前日入りをする。
乗鞍観光センターから紹介された宿まで、電車とバスを乗り継いで、東京から約5時間の旅。


宿の名前は「並木荘」。
















小じんまりした民宿だが、隅々までちゃんと掃除の行き届いた、とてもキレイな宿だった。
しかも、HPには「露天風呂×1・・・開放感を大切にしました。」と書いてあるだけの露天風呂だが、これがまた気持ちの良い、キレイな露天風呂だ。
朝ごはんも、大会向けに朝の5時半から食べさせてくれて、しかもその内容は、そのへんの旅館など及びもつかないほど丁寧で豊富な内容。特に、ワラビの味噌汁が美味しかった。
8時スタートの大会には、時刻も種類も量も、非常に適した朝食だった。

宿の方もとても大らかで親切で、心の底からお礼をお伝えしたい。

宿を出たところから見える乗鞍は、この季節には珍しいほどクッキリと、その姿を現していた。
















さて、その並木荘を出て、会場に向かう。
大会当日の朝は、大会の送迎バスが路線バスの停留所から出場者をピックアップしてくれる仕組みだ。
「町を挙げての一大イベント!」という感じが、こういうところからもヒシヒシと伝わってくる。

会場につくと、物好きな人々がスタートを待っていた。
並みのマラソン大会とは違った、変な熱気に包まれている。
出場者の世間話も、
「○○のウルトラマラソンはXXだ。」
「○○のトレランのコースはXXだ。」
など、ちょっと頭のネジが3本ぐらい飛んでしまっている内容が多い。


そして、スタート直前の、憂いと興奮がナイマゼになった参加者たち。
ここで、大会プロデューサの軽妙なトークがスタート30秒前まで続く。
















向こうには、目指す乗鞍の山々が待ち構えている。
なんという雄大さ。
そして好天。

8:00、スタートの号砲が鳴り、いっせいにスタート。
参加者が2,000人程度のためか、どうやらネットタイムは計っていない模様。


スタートしてすぐに、コース真正面に乗鞍の山々が全貌を現す。
















感動の風景。神々しささえ感じる。

ほどなく、コースは新緑の樹林帯に入る。
















樹林帯では、天ぷらにしたら美味そうなウドや、今が盛りのヤマツツジなどが目を楽しませてくれる。

コースの10km手前ぐらいで現れる大滝。





















こんなに天気が良いと、暑すぎて滝壷に飛び込みたい!

ヘアピンカープを幾つ越えたか分からなくなった頃に、冷泉小屋が姿を現す。
















冷泉小屋の名前の通り、小屋の正面には冷たそうな雪解け水がザバザバ流れていた。





















これで顔洗ったら気持ち良さそう。

どんどん標高を上げるたびに、どんどん山が近づいてくる。

















第4、第6エイドは位ヶ原山荘。
















下りのときは、ここでトイレを逃すとゴールまでトイレは無い。注意すべし。(実際僕は漏れそうだった。)

位ヶ原山荘を過ぎると、雪壁はもうすぐ。
遠くには穂高の山々が見える。すごく得した気分。
















梅雨の季節に、こんな天気の良いことがあるんだなぁと、自分の晴れ男ぶりに驚くばかりだ。(←ただの勘違い)

そして、いよいよ雪壁ゾーンに差し掛かる。
















今年は例年に比べてかなり雪が残っているとスタート前に聞いていたので、非常に楽しみだ。


ついに雪壁登場!

















雪壁は標高を上げるごとにどんどん高さを増していく。
































一番高いところで、6mはあるだろう。
こりゃ儲けた。こんなに立派な雪壁が見れるとは思ってなかった。
































バスで来ればこんなに苦労せずに見られる風景なわけだが、自分の足でたどり着いたからこその感動であるはずだ。

参加者の多くが、この雪壁を背に記念写真を撮っていた。もはやタイムそっちのけである。
そう、この乗鞍天空マラソンは、タイムも大切ではあるものの、それ以上に、この風景が大切なのだ。
実際、こんなに参加者が写真ばかり撮っているマラソン大会を見たことが無い。

そうこうするうちに、いよいよ折り返し地点が近づいてくる。
















雪渓には真新しいシュプールが描かれていて、実際、バックカントリースキーやバックカントリースノーボードの人たちが何人も居た。
こっちは半袖短パンなのに、彼らは分厚いウェアを着込んでいる。もはや季節感がグチャグチャな風景だ。

まー、マラソンランナーは気温0度でも半袖短パンだからなー、、、

そんなわけで折り返し地点。
















この折り返し地点を回りこんで、第5エイドに至る。

エイドにはいろいろな食べ物が用意されている。

酢メシ。
















バナナ。
















このほかに、煮物なども用意されていたが、何よりも美味かったのが野沢菜だった。

さすが野沢菜の名産地といったところだが、やはり体が塩分を欲していたに違いない。
これまで食べたどんな野沢菜よりも美味かった。

あとはひたすら下るだけ。


下りは得意なつもりだったので飛ばせるだろうと思っていたが、第6エイドを前にピタっと足が止まってしまった。
なんということだ。

あとはひたすら重い足を引きずるようにして下る。
どんどん後続に抜かされていく。くやしい。でも、足が上がらない。

ゴールまで残り1kmを切ったところで、ピッコロ大魔王とサイヤ人に抜かれた。
なんという屈辱。


吐きそうになりながらゴールしたが、目標タイムにわずかに届かず。
この「わずかに」を食いきれなかったところに、自分のメンタルの弱さを見た。
猛省である。

実際、行きつけのマッサージ師には「この筋肉の状態なら、あと20分は早く走れたはず」という、いつもの厳しいご意見をいただいた次第だ。

この反省を活かして、8月末の日光白根の50kmトレランの大会には万全で臨みたいと思う。


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