人ごみの嫌いな僕としては、行き先に悩むタイミングでもある。
今年も例によって、どこに行くか悩んでいた。
そんなとき友人から、徳本峠行きを提案された。
そもそもの提案内容は、上高地から徳本峠に入り、島々まで歩くというクラシックルートだったが、今一つピンと来なかったので、徳本峠をベースに霞沢岳に登るという2泊3日のテント泊登山にすることにした。
その友人と2人で行くのだが、友人はテント泊が初めてで、道具の準備から始めた。
行程に関する内容も打ち合わせ、荷物の分担を決めるなどの準備を重ねてきた。
のんびり登山な感じのゆとりのある行程。
晴れれば穂高の眺望がすばらしいとされる霞沢岳の山頂。
わりと最近リフォームされたという徳本峠小屋。
下山後の上高地で食べる、信州りんごを使ったアップルパイ。
準備を進めるごとに、この山行計画で頭をいっぱいにして楽しみにしていたのだが、忌々しいことに、台風19号が3連休の最終日に直撃するという予報は揺るがなかった。
無念である。
このため、直前での計画変更を余儀なくされ、台風の影響の及ばない連休の初日と2日目だけで行ける1泊2日の登山を計画することになった。
計画での制約条件は以下のとおり。
- 1泊2日。テント泊。
- 主な行動はテントをデポした状態で行えること。
- テント場のスペース確保に不安が少ないこと。
- 歩き始めからテント場までは4時間以内で、あまりキツいルートでないこと。
- 登山口まで公共交通機関で行けること。
なかなか厳しい制約であるが、テント泊装備を背負って歩くのが初めての連れに配慮すると、これが精一杯の内容であった。
こうなると、意外と候補が少ない。
燕岳は、条件の2と3と4に合致しない。
西穂高は3に合致しない。
八ヶ岳のほとんどの場所も3に不安が残る。
南アルプスのほとんどの場所は2や4に合致しない。
東北はほとんどテント場が無い。
結局、僕の考えつく範囲では、金峰山(富士見平小屋テント場泊)か、八ヶ岳の行者小屋テント場泊での南八ヶ岳登山ぐらいしか思い付かなかった。
金峰山は連れがあまりピンと来ないようだったので、南八ヶ岳に決定した。
こうして導き出されたルートは、以下のとおりである。
<1日目>
新宿から特急で茅野へ。
茅野からバスで美濃戸口へ。
美濃戸口から徒歩で行者小屋へ。テント泊。
<2日目>
テントをデポしたまま阿弥陀岳、赤岳を縦走し、行者小屋に戻ってテント撤収。
美濃戸口に下山。
コンパクトな行程ではあるが、僕はまだ阿弥陀岳にはまだ登ったことがなかったので、ちょうど良い機会である。
装備は、ざっくり以下のとおり。
- テントは、モンベルのステラリッジ3。1ヶ月ぶり2回目の使用。
- シュラフはNEMOのサイレン。夏前にこれを買って以来、ずっとこればっかり。それに加えて、今回はモンベルのシュラフカバーを使用。
- スリーピングマットは、山と道のU.L.Pad15s+を新規投入。
- ダウンジャケットとダウンパンツを持参。
今回は、この装備で氷点下の環境にどの程度対応できるのかの見極めをするのも重要な課題であった。
11月末のOMMと、今回の行者小屋の最低気温は、おそらく同じぐらい(もしくは、OMMの方が気温が高い)と踏んでいるので、非常に重要な試用である。
食糧計画は、1日目の夕飯が焼肉。
ジップロックのバッグに焼肉用の肉を入れ、そこにタマネギの千切りと焼肉のタレを入れて腐敗防止策とし、さらにそれをジップロックのコンテナに入れて液漏れ対策とした。それをさらに、保冷バッグに保冷剤と共に放り込んでパッキングした。
連れには、大葉とサンチュとわかめスープを持ってきてもらった。
これで、行者小屋で生ビールを注文すれば完璧である。
2日目の朝食はお茶漬け。
起床後すぐに食事をするのは苦手なので、サラサラ流し込めるお茶漬けは重宝する。
ちなみに、この山行計画を、たまたま直前に飲みに行ったAさん夫妻(これまでの山行記にもたびたび登場する、大変お世話になっている先輩だ)に話すと、ちょうど同じ日程で行者小屋行きを検討していたとのこと。ただ、彼らは出発前日の夜に予定があり、朝が少し遅くなるそうだ。
現地で会えたら楽しいなぁ、などと思いながら当日を迎える。
(「1日目 美濃戸口~行者小屋」につづく)
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