その昔(といっては失礼だが)、市毛良枝さんは「お嫁さんにしたい女優」ランキングの1位が定位置だった人気女優だった。今では、そういう種類の人気とはまた別な存在ではあろうと思うが、やはり現在も魅力的な女優だと思う。
そんな市毛さんが登山家だったなんて最近まで知らなかった。
なんで知ったかといえば、市毛さんの書いた『山なんて嫌いだった』がヤマケイ文庫から出たからだ。
さっそく読んでみた。
やっぱり女優さんなんだなーと。
文章の運びが情感豊かで、それでいて素朴で、表現を生業にしてきた人の力を見せ付けられた思いだ。これはおそらく、職業作家のように文章を生業にしてきた人には書けない文章で、だからといって、役者以外の表現者(たとえばミュージシャンとか画家とか)にも書けない文章ではないかと思う。
これがまさに人柄なんだと言ってしまえばそれまでだが、派手さは無いが心に染みるような文章が綴られている良書であると強く推したい。
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