ちょっと前から、青森から山口まで、本州の背骨である大分水界を徒歩で歩き切りたい、という夢とも妄想ともつかない思いを抱くようになった。
もうすぐ40歳になる、特に資産も持っていない一介のサラリーマンにとっては、それはただの妄想でしかないのだが、現実逃避半分のこの妄想が頭を離れない。
世の中には、世界の8000m峰をもうすぐ全て制覇しようという人もいるのに、自分の妄想のなんと貧弱なことかと恥ずかしくなるのだが、身の丈に合った妄想であると思えば致し方ない。
ただ、大分水界の正確な位置などは資料が少なく、実際に歩くとなるとかなり苦労をしそうな気がする。
そんなとき、ひとつの指南書になりそうなのが堀公俊氏の『日本の分水嶺』である。
氏はファシリテーションで有名なコンサルタントでありながら、分水嶺マニアという、非常にニッチなところを掘り下げている人である。
本書を読むと、大分水界からそう離れていないところに、町があるようなケースもあるようだし、アパラチアントレイルのスルーハイクのように補給をしながら歩くことも可能なのではないかと思った。
じっくり計画と資金を用意したいところである。
なお、本書が記されたあとの刊行となるが、分水嶺に関する書作としては、細川舜司氏の『日本の「分水嶺」をゆく―本州縦断二七九七キロ 単独初踏破の全記録』もあることを添えておきたい。
(買ったはいいが、まだ未読だ。)
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