このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2015年5月7日木曜日

山行記 : 2015年4月25日 奥多摩・金比羅尾根から御嶽駅まで

「山と高原地図」を眺めていた。
あるブログで、武蔵五日市駅近くから伸びる金比羅尾根について、登山をするには退屈だけれどトレランには気持ちが良さそうだ、という記事を見かけたので、ルートを考えていたのだ。

金比羅尾根を上がって日の出山に出たとして、そこからどういうルートで下山すると楽しいだろうか。

御岳山に行っちゃうと、あんまりピンと来ないルートしかない。
かといって三室山方面に行くのも長いばかりで気が進まない。

と、日の出山から三室山へ向かう途中の高峰から、顕著な尾根が御嶽駅に向かって伸びていることに気付いた。
「山と高原地図」では実線も破線もついていないが、かなり緩やかな尾根で、道が付いていないのが不自然なぐらいだ。
奥多摩の登山詳細図を見てみたところ、やはりコースが書かれていた。が、道標は無く熟達者向けとのこと。これは読図の練習にちょうど良さそうだ。

ということで、OMMの相棒を誘ってプチトレーニングに出た。
コースは、武蔵五日市から金比羅尾根を登り、日の出山から高峰に下り、そこから一気に御嶽駅に下りる。
トレランの走力トレーニングとしてはショボいが、読図トレーニングも含まれるので、意義はあるだろう。


当日、コースが短いのを良いことに、出発時刻を遅めにしてみた。
前日、会社の打ち上げ飲み会なので、ちょっと日和ったのだ。

9:09、新宿を出発。武蔵五日市駅に着いたのは10:30頃だった。
すでにそのタイミングで小腹が空いており、駅の売店で買い食い。
その後に出発の身支度をして、のんびり出発した。

気温は高め。軽いジョグでも汗が流れる。

東町信号から横道に入り、さらに狭い路地に入り、10:59、民家の庭に立てられた道標に行き当たった。
こうした地元の方の協力があってこそ、我々登山者は迷わず目的地にたどり着けるのである。
ありがたいことだ。

11:02、分岐。
右手の上り坂に向かう。走るにはちょっとシンドい角度の斜面だ。

途中、神社の前を通る。
そのすぐ先で、車両通行禁止の表示が現れる。
その先は砂利道だ。

ちょくちょく現れる樽方面への分岐。
なぜこんなにも樽に誘われるのか全く以って不明。

こんな林道歩きは退屈なんじゃないかと思っていたが、どうしてどうして、非常に楽しい道であった。
それは、いろいろな花が目を楽しませてくれたから。
特に、ツツジは紫、白、赤と、いろいろな色で目を楽しませてくれた。



それもそのはず、ここは「つつじ園」という場所なのだそうだ。
まさに季節がドンピシャだったということだ。

もちろん、ツツジだけでなく、いろいろな花が咲いていた。
シャガの群生は見物だ。


11:23、金比羅公園の入り口に到着。
入り口には、この近辺で見られる野鳥のビジュアルと名前の紹介。
が、字が小さすぎて読めない。

この案内板の前で、連れとひとしきり野鳥談義をする。
僕は野鳥については全く詳しくないのだが、山を楽しむ者として、花も鳥も同定できるようになりたいと願っている。こういう機会は学習のためには欠かせないのだ。

ここには展望台もあるが、眺めはそこそこ。

ここから少し上がったところに真新しい東屋がある。
ここからの眺めはまずまず。

11:33、琴平神社に到着。

トイレもある。

神社を回りこむように道が続いている。
神社の裏には、非常に大きな岩が鎮座していた。

11:41、なにやら工事をしている広場に出た。
その広場に沿って柵が設けられ、樹木が一列に植えられていた。

ここはいったい、何なのだろう?

柵のそばにはシャガの群生。

その先は、いよいよ本格的に登山道になってきた。

道端に立派なウラシマソウ。こんな部族、どっかにいそうだ。

なだらかで走りやすい尾根道も多いのが金比羅尾根の特徴。

小さな緑のトンネル。

ドクダミの群生。

そして、突如道端で語られる金比羅尾根の歴史。
そうか、行者の道であったか。

さらにダラダラと続く道。
トレランスタイルだから良かったけれど、これが普通の登山として来ていたら苦痛以外の何物でもなかっただろうな。。。

と、飽きた頃にたまに現れる岩っぽい場所。

12:16、南沢山の道標。
あまりにヒョッコリ現れて驚いた。
なんせ、こんな登山道の途中だし。

このあたりから、木の幹に「信」の字がペイントされていた。
いったい何の印なのか、さっぱり分からない。

12:22、伐採跡の植林地に出た。
展望は良いが、広がるのは里山の風景。

12:27、今度は「和」の文字がペイントされている地域が現れた。
やっぱり何なのか分からない。

このあたりのちょっとだけ見晴らしの良い場所で、昼休憩。

12:52、大岩の横を通る道もなだらか。

その先に、突然フェンスが現れた。
そのフェンスに貼り付けられた雑な道標。

そのフェンスが途切れたあたりで見晴らしが良くなる。
花爛漫である。

13:01、ハセツネの65km地点の道標が現れる。
ヘソ曲がりの僕は、あんな一瞬でエントリーが定員に達してしまうような大会には食指が動かないのだが、それでもやはり、このような道標を見ると、なんとなくの感慨はある。

いかにもハセツネのルートっぽい根っこ道が続く。

道端に、今度はマムシグサ。

13:14、麻生山の西の四差路に到着。

東側には麻生山への道が続くが、
無視して西へ進む。

殺風景な伐採地を抜け、
 13:24、巨大なヤマザクラに出くわす。
ちょっと遠近感がおかしくなる。

13:28、あれに見えるは日の出山か?
向こうから、やたら騒がしい話し声が聞こえてくると思ったら、20人ぐらいの団体さんが朗らかに歩いていた。
そんな団体で登山をする理由は僕には分からないが、楽しそうで何よりである。

なんだか雨がポツポツ降ってきたが、今のところは行動に支障無さそう。

13:29、日の出山を経由せずに御岳山へ抜けるルートが現れるが、スルーして日の出山へ向かう。

来し方を見ると、麻生山が尖がっていた。

13:34、いよいよ日の出山の山頂へ向かう分岐に到着。

ここからは、ひたすら階段。
登る。
 登る。
 登る。
登る。

13:49、やっと日の出山の山頂に到着。

しばらく山頂で休憩したのち、13:57、高峰に向かって出発。

山頂直下のヤマザクラは満開。

降り始めるとすぐに杉の樹林に突入。
そこからさらに下る下る。

14:05、つるつる温泉への分岐を無視。

ルートは、ところによってはいくばくか狭くなる。

14:23、登山道が急カーブになり、その角に広場とベンチが。
地図で見ても、こんなところ通らないはずなんだけどな・・・。

14:28、分岐が現れる。
この細い階段が、どうも高峰方面に続いている気がするので、登ってみる。

この頃から、どうも雷鳴がハッキリと聞こえるようになってきた。
はやく下山しなければと、気ばかり急く。

登ってみると、思ってたのと逆方向に向かって「高峰」を示す道標が立てられている。
地図と見比べてみると、どうやら、そもそも高峰に上がるための分岐に気付かず通過してしまったらしい。
ここでリカバーできてよかった。。。

と、ホッしている間にも、近くで雷鳴が聞こえる。
生きた心地がしない。
走って高峰へ向かう。

14:36、高峰の山頂に到着。

やっぱり雷が聞こえる。
ビビりながら、早々に下山開始。
高峰から真北に伸びる顕著な尾根を下る。

このルートは「山と高原地図」には載っていないが、登山詳細図や2万5000分の1の地形図には載っている。
この黒い矢印のルートだ。

北に伸びる顕著な尾根は、道標こそ無いものの、踏み跡も地形も明瞭なので、地図さえ読めれば迷いようが無い。
この尾根を急いで下っている最中にも、近くで雷鳴が聞こえる。
生きた心地がしない。

14:54、尾根が二股に分かれる558ピークに到着。
ここから、進路を北東に転じる。

北側斜面を左に見ながら下るのだが、この北側斜面というのが御嶽駅から見えているハゲ斜面だったはずであることに思い至り、まさかこの雷の下、ハゲ斜面を歩かなきゃならなかったりするのか?!と戦慄が走ったが、この北東尾根は伐採箇所と樹林の境目となっており、自分が避雷針のようになるのだけは避けることができた。

踏み跡はやや不明瞭。

さらに笹薮に突入。
道はさらに分かりにくくなる。

その笹薮を抜けると、やはり恐れていたことが現実となった。
それは、
ハゲ斜面に道が付いていることだった。

雷鳴は相変わらず轟いているのに、木が一本も生えていない斜面を通るなんて、自殺行為ではないのか。
といっても、ほかに下れそうなルートも無いので、身を低くして突っ切るしかない。

中腰のまま、連れにも身を低くするように強要しつつ、ひたすら斜面を下る。
何度か雷鳴が聞こえ、肝をつぶす。

結局中腰姿勢で斜面を降りている時間は10分もなかったのだが、主観的には20分ぐらいに感じた。もう2度とこんな目には遭いたくない。

15:17、アスファルトの道に出た。
助かった。生きて帰れた・・・。

下に降りてから斜面を見上げると、そのハゲっぷりがよく分かる。

こうしてこの日の山行は終わった。


軽い気持ちで来たトレーニングだったのに、まさかこんなに命の危険を感じながらの山行になるとは、、、
やはり山を甘く見ちゃイカン。


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