このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年11月9日日曜日

2014年11月8日 アドベンチャーウィークエンドin御岳 OMM対策講習会

僕は小学生の頃から、夏休みの宿題は、夏休み終了間際に駆け込みで処理するほうだった。
中学生になってからはもっとヒドいことに、学校が始まってから取り掛かったりしていた。

そんなわけで、OMMに出場することを決めてから半年も経過した今、大会まで残り時間が僅かになって尻に火がつき、OMM主催側がレコメンドする、アドベンチャーチーム「Real Discovery」主催の地図読み講習会に参加してきた。

といっても、正直なところ、地図読みに関してあまり危機感を持っていなかったのは事実だ。
これまでの登山経験において、常に地図と地形を照合しながら歩いてきたし、下山したあとも地形を思い出しながら振り返りを欠かしたことがなかったからだ。
もちろん、あまり精緻な読図ができるとは自分でも思っておらず、たとえば房総の山の中に放り込まれたら、全く歯が立たないだろうなとは思っていたが。

それが、この講習会に参加することで、自分の読図力がどの程度であったかを痛烈に自覚させられることとなった。


なお、今回の模様は、僕としてはかなり必死だったこともあって、写真は無し。文章のみでのレポートとさせていただく。

*****

朝、新宿駅からホリデー快速おくたまに乗り、集合場所である御嶽駅を目指す。
車内は登山者と思われる乗客が9割を占めていた。きっと奥多摩方面の紅葉を見に行くのだろう。
そんなゆる山ハイキングに行くほうが、どれだけ精神的に楽なことか。

7:52、御嶽駅に到着。
ジジババ、ニーチャンネーチャンが、かなりの割合で下車する。
嗚呼、この人たちはみんな御岳山に行くんだろうなぁ。
こちらはこれから講習会だ。
しかもOMMの相棒は、予定があるとかでこの講習に参加しない。そんな参加者、ほかにいるんだろうか。
不安を抱えながら、集合場所である駅前の御嶽交流センターに向かう。

すると、ハイカーたちとは明らかに異質な、走る気マンマンの格好をした一団がいた。怖い。

恐る恐る近づいて声をかけると、まさにこの講習会の講師である小澤さんだった。
小澤さんは見るからに快活なタフガイで、人当たりの良い笑顔の方だった。

この日の参加者は僕を入れて10名。
OMMのパートナーと一緒に参加しているのは1組だけで、あとの8名は単独での参加だった。
これなら僕も浮かないで済む。

それにしても、みんなタフそうだ。
最近めっきり体力の衰えた僕が、果たしてついていけるのだろうか。


全員集合したら、場所を御岳渓谷の岸辺の東屋に移し、1時間程度の座学。
この日御岳渓谷では大規模なカヤックの大会が開かれていて、大変な賑わい。それを横目に、読図の基礎の基礎について教わる。

僕は高校山岳部時代、「地図の読めない山岳部部長」として、学校内の極々一部で有名だったのだが、大人になってから完全に我流で地図読みを学んできた。このため、基礎がすっぽり抜け落ちている。
このため座学では、それを改めて思い知らされて暗澹たる気持ちになった。
何事も、我流ではアカンなぁ。。。


座学が終わると、フィールドに出ての講習。
全員で、御岳渓流沿いの名も道も無い山に入り、配布された地図上にマークされた地点を探るという演習が行われた。
この時に、受講生10名が4チームに分けられた。2名チームが2つ、3名チームが2つ。
このチームで、午後のミニレースも行動することになる。

午前中の実地講習においては、基礎が全く抜け落ちている僕でも、経験でカバーすることで大ハズレはしなくて済んだ。
が、それはあくまで、一定程度見通しが効き、冷静な判断もできる状態でのこと。本番で通用するほど安定性のあるスキルではないことは、自分でよく分かっていた。(だからこそ講習会に参加しているわけだが。)


12時頃、実地講習をいったん撤収してランチタイム。
御嶽交流センターに場所を借りて、各自セブンイレブンで買ったものを食べる。
この時、午後のミニレースの地図が配布され、各チームで20分程度の作戦会議が行われた。
初対面同士ということもあるが、ミニレースのチェックポイントを如何に効率よく回るのかについて、地図を読みながら計画を立てるのは、なかなか時間のかかるものだ。OMM本番においては、こんなに悠長に時間をかけてはいられないだろう。


13:00、作戦タイム終了。
御嶽交流センターを出て、川原で装備チェックと、テントorツェルトの設置・撤収とパッキングタイムの計測が行われた。
ツェルト派の人たちは、設営に随分手こずっていた。

それが終了すると、本日のメインディッシュであるミニレースが開始される。
すっかり体も冷えていたので、体を動かせるのはとてもありがたい。

13:40頃、4チームいっせいスタート。
講師の小澤さんと、そのお仲間のタケさん、高橋さんが、4チームの安全をサポートする。
さすがOMMレコメンドの講習会。配慮が徹底されている。


ミニレースの詳細は省略するけれど、内容としては11箇所のチェックポイントを順番に回ってゴールするというもの。
チェックポイントは小澤さんが設置したものだそうだ。
最短で10km未満で回れるルート設計になっているとのこと。
アスファルトや登山道の移動も一部あるものの、ほとんどは地図上に道が載っていない場所をルートファインディングする必要がある。

事前のブリーフィングでは、小澤さん本人が8歳のご息女と一緒に回った際には2時間半で回れたとのこと。もちろん設置した本人なので、地図読みの必要は無いく、その分のタイムロスは無い前提での所要時間だ。
(よくよく後で聞いてみたら、その8歳のご息女は、雲取山の山頂から鴨沢まで下山するのに、2時間半しかかからないそうだ。そんな8歳児のタイムを「8歳児」というバイアスがかかった状態で参考にするのはヤバイ。)
なお、これまでの受講生で、早くて3時間半、遅いと6時間ぐらいとのことだった。

とりあえず、18時までに下山することを目標にスタートする。


ミニレースのコース詳細は省略するが、終わってみて考えれば、ちゃんと地形と標高を冷静に確認しながら行動すれば、決して難しいチェックポイントではなかった。
が、思い込み、思考力の低下、地図読みの浅さなどの要因が組み合わさって、大幅なロストを3回もしてしまった。
結果、チームメンバーが取ったGPSログによれば13km以上の移動距離だった模様。これは、小澤さんがこのコースで講習をしたチームの中で一番の移動距離だったようだ。つまり、ムダが一番多かったということだ。。。
このロストにより、一時は3位を大きく離しての2位につけていたのに、大幅に遅れての3位でゴールすることになってしまった。

ゴールしたのは18:50。
日没が16:30頃だったので、暗くなってから2時間余りもウロウロすることになってしまった。
無念だ。


その後、風呂に入ってサッパリしてから、チームメンバー+タケさんでご飯を食べながらの反省会。
タケさんからいろいろと示唆に富んだアドバイスをいただいた。
帰りの電車では、小澤さんとも合流。ここでも多岐にわたってアドバイスをいただく。


この日1日で得た知識、理解、教訓は概ね以下のとおり。備忘録的に記述する。

  • 東伊豆の地形は急峻。
  • スタート直後は走らずに止まって、ちゃんとコースの戦略を練ること。
  • 自分でも気付かないうちに脳が栄養不足に陥って思考力が低下する。
  • クリフバーのジェルはパワージェルよりマズイが、飲んだ3分後には効果が現れた。すごい。
  • なぜそこにチェックポイントが置かれたのか、オーガナイザーの意図を読むこと。
  • なぜそこに道があるのか。地図に載っていない道でも、その様子から性質を考える。
  • 暗くなると全然地形が見えなくなるので、高度計が頼り。
  • ランドマークに頼ると、そのランドマークしか目に入らなくなり、総合的な判断ができなくなりがち。
  • 高圧線の鉄塔の下は磁場がすごい。コンパスが狂う。


非常に得るものの大きい講習会だった。
状況が許せば、本番前にOMMの相棒を連れてもう一回このミニレースのコースを回りたい。



2 件のコメント:

  1. お疲れ様でした。
    初めまして。自分はぎりぎり四時間切る事が出来ましたがルートファインディングは難しかったです。
    本番では頑張りましょう

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    1. お疲れさまでした!
      当日またお会いしましょう!

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