このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年7月7日月曜日

山行記 : 2014年7月5日 乾徳山 岩場の雨天トレーニング

昨年、小雨が降ったり止んだりの天気で剱岳登頂を断念せざる得なかった我が剱岳登山隊。
雪辱に燃えるメンバー3名で、濡れた岩場のトレーニングのために雨天の日をわざわざ選んで奥秩父・乾徳山に行ってきた。

バスだとコースタイムがタイトなのと、濡れた岩場以外の平凡な林道や登山道があまりに長いので、メンバーの一人に車を出してもらい、大平荘まで乗り入れることにした。


9:20頃、小雨の降り続く中、大平荘の駐車場に到着。
天気が悪いためか、広い駐車場には他に停まっている車は無かった。

出発の準備をしていると、大平荘の方と思しき男性が近づいてきて、僕から駐車場代800円を受け取って去っていく。やっぱ有料だったのか。

駐車場の斜め向かいにその大平荘がある。

そのまま林道を西に向かうと、牧場の中に乾徳山登山口へのショートカットルートが用意されている。

牧草地を抜け、樹林帯に入る。

このショートカットルートを抜け、林道に出たところが乾徳山登山口だ。
9:44、いよいよここからが登山道である。

登山道に入ると、奥秩父独特の鬱蒼とした樹林となる。
コケも茂っている。

たびたび林道を横切ったり、場合によっては林道を歩きながら、徐々に標高を稼いでいく。

その間も雨は振り続いていた。
この日の気温は梅雨冷えとも言えるほど涼しかったが、それでも雨具を着て歩くと暑くて汗が噴き出す。
しかも、地味に斜面が急だ。

が、歩き始めて1時間もしないうちに斜面がなだらかになってきた。
気持ちの良い広葉樹林の森だ。

10:35、扇平到着。視界が開けて月見岩が現れる。
ここは広々としていて、天気が良ければ眼下に塩山の町が見渡せて非常に開放感のある場所。
残念ながら今日は何も見えない。
月見岩は高さ2mちょっとで、難易度の低いボルダーとしても楽しい。
が、今日は濡れているのでやめておく。

再び樹林に入る。

すぐに登山道は岩っぽくなってくる。
滑らないように足の置き場所を慎重に選びながら歩く。

11:02、髭剃岩に到着。

11:06、難所その1。
たくさんの人々が通ったからだろう、足場の岩は角が取れて丸みを帯びている。
これが濡れているものだから、滑りそうで非常に怖い。
5月に両神山八丁尾根のピストンをやり遂げたメンバーではあるが、それでも恐怖を感じるような状況だ。

昨年来たときは快晴だったので、当然岩も乾いていた。
その際には気にもしなかったこの岩場が、濡れているだけで急に難易度が上がる。

この鎖場を越えると、天気が良ければ眺めが良いのだが、もちろん今日は何も見えない。

同じ場所から北側を見ると、大きな壁が目前にそびえる。
が、これを登るわけではなく、ちゃんと巻道が用意されている。

この岩を巻くと、登山道はしばらく、岩っぽさがなくなる。
登山道には小さな花が咲いていた。

この途中、見晴らしの良い場所が3箇所ほどあり、ランチをするには非常に良いのだが、今回はさっさと先を急ぐ。
そのような見晴らしの良い場所のうち、最も山頂から近い場所では、山頂を望むことができる。

11:30、山頂直下に到着。
ここから標高にして10m程度で山頂なのだが、こんなタイミングで「迂回路」の看板が立てられているのは、僕の知る限りではここだけだ。
なぜこんなところに「迂回路」が用意されているのかというと、その理由はこれだ。
これが乾徳山名物、山頂に登るための10mの壁だ。
正面向かってやや右、クラックの入った一枚岩を登ると、そこが山頂だ。

去年来たときにはこのクラックを頼りにして、鎖を使わずにサクサク登れた。
が、今回は1箇所、どうしても鎖を握らざるを得ない場所があった。
足裏のフリクションはほとんど期待できず、なかなか苦しんだ。

登って上から見るとこんな感じ。

そんなわけで、11:35、山頂に到着。

山頂には先着のパーティ3名がいた。
今日会った初めての登山者だ。
彼らは挨拶をすると下山道の方に降りていった。

山頂で10分程度の休憩をし、その間に昼ごはんを詰め込む。
その間もシトシトと雨は降り続く。
次第に体が冷えてきた。

12:00、下山開始。
下山道を下り始める。はしごを2箇所下り、


で、このすぐ先に下山路の入口がある。
去年来たときに、その入口が分からず10分ぐらいウロウロした。
だが、今回は場所が分かっているので、すぐに下山道に入れる。

はずだったのに。。。

たしかにここだったはず、という場所には樹木が鬱蒼と生い茂っていて、登山道らしきものの形跡が僅かにあるだけ。
前回間違えた道には、前回同様タオルが結びつけたままになっているのに、なんで正規の下山道が消えてしまっているんだ??

結局10分程度行ったり来たり、無理矢理下ってみたりと色々してみたが、結局下山道が見つからず。
さっきの先行パーティはいったいどこに下ったんだ??

やむなく、来た道を引き返す。
山頂から迂回路を通り、登ってきた道を扇平に向かう。

途中、ガイド登山だという16名パーティとすれ違った。
この日出会った2パーティ目だ。
このパーティ、ガイドらしき人物以外は全員熟女。どういう企画なんだ、、、


13:15、扇平にようやく出ようとするところ。
そして、扇平に出る。
気付けば、ほとんど雨は上がっていた。
写真では分かりにくいが、塩山の町が薄らと見えた。

このまま来た道を引き返しても良かったが、それも何なので、高原ヒュッテ経由で帰ることにした。

扇平から高原ヒュッテへの道は疎林で開放感がある。

20分ほど下りると高原ヒュッテに至る。
本当にこの小屋にはトイレが無いのか確認したが、やはり見当たらない。

ここからは林道を下る。
途中の富士見百景からは、富士山は見えず。
相変わらず空は雲に覆われていた。
が、少しずつその色は薄くなっていっていた。

途中で、何を思ったか道満尾根に降りてしまう。
道標には「徳和」とともに「大平高原」と書いてあったから降りたのだが、どう考えてもこの尾根は道満尾根だろうと途中で気付き、引き返して林道を歩いた。
危ない危ない。

雲はかなり薄くなり、雲の切れ間からは青空が顔をのぞかせた。

林道は途中からコンクリートの舗装道となる。
そのコンクリートには、乾く前に獣たちに散々蹂躙された跡が散見された。
乾いていないコンクリートの感触が楽しかったのだろうか。明らかに行ったり来たりしている。

14:50、大平高原の牧場に到着。
天気はすっかり好転していた。

こうして雨天トレーニングは終了した。


0 件のコメント:

コメントを投稿