このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年7月2日水曜日

山行記 : 2014年6月29日 奥秩父 国師ヶ岳・北奥千丈岳 ピクニック登山

朝3:20起床。
外は土砂降りである。こんなんで本当に天気が回復するのか?
が、ヤマテンによると夜明け頃には雨が上がり、午後の早い時間までは晴天に恵まれるという予報だった。それを心の支えに家を出発する。

目指す登山口は奥秩父・大弛峠。
そこから夢の庭園でシャクナゲを見て、国師ヶ岳と北奥千丈岳を歩き、山頂でちょっと凝ったランチを食べて下山するという計画だ。

6:00過ぎ、同行する友人と都内で落ち合い、友人の車で大弛峠を目指す。

中央道を西に向かううちに、次第に雨が上がってきた。
だんだんと好転する空模様。
これは、迷いを振り切って出発して大正解か?!

川上牧丘林道を上がるころには、青空が次第に広がってきた。
かつて、失意の中でトボトボと下った長い林道を、今度は車であっという間に登ってしまう。(参考記事
なんとも複雑な気持ちだ。

9:24、大弛峠の駐車場に到着。
大弛峠は、車で入れる峠としては日本最高地点なのだそうで、その標高は2,350m。富士山の五合目に相当する。
標高が高いだけあって、車を下りると肌寒い。手元の温度計は15℃を下回っていた。

駐車場の正面に大弛峠からの登山道入口がある。
その入口に立てられた大量の看板に促されるように、我々は国師ヶ岳に向かう。

峠から入ってすぐのところに、大弛小屋がある。
この小屋にはいつもツラい状況でお世話になるのだが、今回は余裕のピクニック。風景もちょっと違って見える。

小屋の前を過ぎると、すぐに登山道が現れる。
ここから前国師あたりまでは、このような階段の場所が多く、整備が行き届いている。

登山道の両脇にはコケが生い茂り、奥秩父に対する懐かしさと愛おしさが込み上げる。

延々と伸びる木道と階段。

歩き出した頃にはすっかり雲が切れて、日差しがサンサンと降り注いでいた。
その日差しを受けて、木道から湯気が立っていた。
その湯気を踏み越えて進む。
この鬱蒼とした感じが、奥秩父らしくて嬉しい。

9:43、ピンポイントで見晴らしの良い地点が現れる。
ただ、まだ雲が晴れたわけではないので、山の姿は微妙な見え方だ。

南アルプス方面。

金峰山と朝日岳。

シラビソの若葉も柔らか。

さあ、このまま夢の庭園に行ってシャクナゲの花を見るぞ!と思っていたのだが、いざ夢の庭園に着いても花の姿が全く無い。
シャクナゲも葉っぱばっかり。時期を外してしまったようだ。。。

それでも、夢の庭園からの風景は素晴らしい。
といっても、南アルプスは雲の中だったが。。。

ここまで来ると、空が開けてくる。

オオシラビソの若葉。

青々とした葉と、立ち枯れた木々。
森林の世代交代がこのように行われるのが、シラビソとオオシラビソの森の特徴らしい。

シャクナゲはまだツボミ。

稜線の道、木道の無い箇所は、岩がゴツゴツで道幅も狭い。
これぞ奥秩父。この鬱蒼とした感じが奥秩父なのだ。
ホームに帰ってきたような気持ちになって、とても幸福感に満たされる。

前国師のすぐ手前で視界が開け、奥秩父最高峰・北奥千丈岳の姿が目に飛び込んでくる。

10:14、前国師岳の山頂に到着。

前国師岳から見た北奥千丈岳。
同じく国師ヶ岳。

前国師から再び稜線をたどる。
稜線の道はやや広く、太陽の日差しが明るい。

10:20、北奥千丈岳と国師ヶ岳の分岐に到着。

先に北奥千丈岳に向かう。
白い可憐な花が迎えてくれる。(連れに名前を教えてもらったのに、もう忘れた。)

10:30、北奥千丈岳の山頂に到着。
この写真だと物凄い曇天模様に見えるが、背景がたまたま雲だっただけで、天気は概ね良好だった。
なので、ここから前国師方面を見ると綺麗な青空が広がっている。
国師ヶ岳方面もしかり。
国師ヶ岳の右手に見えるのは甲武信ヶ岳と木賊山だろうか。

残念ながら、金峰山のほうはドンヨリ。

北奥千丈岳の山頂は非常に空いていて快適なので、ここでランチに。
持参した家庭用のフライパン(直径26cm)でベーコンエッグとガーリックトーストを作る。
デカいフライパンで作ると、料理が捗る。
このフライパンは、家庭用ながらもベースの素材がアルミであるため、幾分軽い。これがファスト&ライトの恩恵である。(←違う)
ただ、さすがに嵩張るので、このフライパンと保冷バッグを入れるために70リットルザックを背負わざるを得なかった。どう考えても全行程3時間程のピクニックには似合わない巨大な荷物だ。

僕がフライパンで格闘している間に、連れはキャンベルのミネストローネを温め、ソーセージを焼きにかかっていた。
モリモリ食べながら、山頂からの景色を堪能する。

南アルプスは手前の低い雲が邪魔でよく見えなかったが、それでも隙間から、まだらに雪を残した山容を覗うことができた。

金峰山にかかっていた雲も晴れ、全容を表した。

のんびりランチタイムを堪能し、北奥千丈岳を後にする。

国師ヶ岳との分岐まで戻ると、立ち枯れの樹木と空の青と雲の白のコントラストが眩しかった。

立ち枯れの樹林を抜け、
これぞ奥秩父の稜線、という感じの景色を歩く。

道端には瑞々しいコバイケイソウ。

12:15、シャクナゲの向こうに国師ヶ岳の山頂が見えた。

思えば、僕がここに来るときは、いつもガスって何も見えなかった。
こんなに快晴の国師ヶ岳に立てるとは、夢のようだ。
ただし、快晴の割には水平方向の眺望は積雲に塞がれて遠くまでは見れず。

思いを果たし、下山の途につく。


だまし絵のような木立。

昼下がり、さらに濃くなる青空。

12:39、前国師岳に帰着。
行きよりも天気が回復し、遠くまで見えるようになっていた。

金峰山とその裾野。

国師ヶ岳から国師ノタルへ続く稜線と、その先にある三宝山、甲武信ヶ岳、木賊山。
前国師からの眺めがこんなんだったとは!
ありがたいことだ。

この景色からなかなか去りがたくて、前国師からの下山をしばし躊躇してしまう。
が、しばらくすると天気が下り坂となって、場合によっては雷雨になりそうな気配も感じていたので、いつまでもノンビリしているわけにはいかなかった。
断腸の思いで大弛峠に向かう。

長い木道を下り、
13:16、大弛小屋に到着。
小屋の前では、ご主人と登山客が談笑していた。

車に戻り、帰路につく。

と、14時頃から雨が降り出し、雷まで鳴り始めた。
さっさと下山しておいて良かった。

その頃東京ではとんでもない局地豪雨で、渋谷でマンホールが噴水になっていたとか。
そんなこととはツユ知らず、下山後は勝沼で日帰り温泉に入浴後、ほうとうを食らった。
冷房の効いた部屋で食べる、熱々のほうとう。
まさに文明の暴走である。


こうして奥秩父ピクニック登山は終了した。
満足。



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