このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年7月27日日曜日

山行記 : 2014年7月20日~21日 南八ヶ岳 編笠山・権現岳縦走 1日目 行程編



(この記事は「計画概要」の続きです。)


山の朝は早い。

連れは集合時間に遅れてきた挙句、特急券を買っていないばかりか、下車する駅すら把握していない有り様。
なんのための計画書なのか。ひとしきり説教をする。
まぁ、こんな頑固ジジイとの山旅では、連れも気苦労が絶えないだろう。

新宿6:30発の特急あずさで出発。
登山客の数も少なく、幸いにも問題なく自由席に座れる。やはり悪天候の影響だろうか。


小淵沢駅で電車を降り、タクシーで観音平へ向かう。
この道は、2年前に八ヶ岳全山縦走をした際に通った道だ。あの時は何だかとても憂鬱な気持ちだったことを思い出す。

9:15、観音平到着。
駐車場はすでに満車で、路駐が100m程も伸びていた。

タクシーを降り、身支度を整えていたら、見知った顔が現れた。
正月の燕岳登山で2年連続で出会った人だ。偶然の再会を共に喜ぶ。
聞けば、彼は連れと今晩青年小屋のテント場で幕営する予定だという。コースも幕営場所もかぶっていた。偶然とはスゴイものである。

彼とは、今年に入って2、3回ほど山でニアミスしていた。いつか山でバッタリ出会うのではないかと思っていたが、まさか八ヶ岳でもややマイナーな編笠で出会うとは。

お互いの連れを紹介し、しばしの立ち話の後、彼らは先に出発した。
僕らはその後身支度をして、9:26、追いかけるように出発した。

観音平の登山口。
まずは編笠山の山頂を目指す。

登山口から入ってすぐに、アザミが咲いていた。
この季節、このぐらいの標高を歩くときにチクチクして辛いのだが、色合いは好きだ。

キバナノヤマオダマキか?

ニッコウキスゲ。

ウツボグサ。

登山口を入った瞬間からさまざまな花々が目に飛び込んでくる。
この時期の登山はこれだから止められない。

登山道には人影がまばら。もともとあまり混んでいるコースではないが、それにしても人が少ない。

名前の分からない花。
誰かに教えてもらったような気もするのだが、なかなか覚えられない。

歩き始めて20分もすると、次第に道が険しくなってくる。
編笠山は円錐形の山で、頂上に近づくに連れて二次曲線的に傾斜がキツくなる。この程度はまだまだ序の口だ。

そうこうするうちに、先に出発していた知人に追いついて追い越す。
彼らは早めのランチを食べていた。

木々の隙間から見える空は薄い灰色。
あまり芳しい天気ではないが、その分いくらか涼しくて歩くには丁度良い。

樹林帯での湿った環境のせいか、花だけでなくキノコも発達していた。

標高を上げるにつれ、ガスの中へ入っていく。

切通しのような岩を通り抜け、
10:06、雲海に到着。
雲海という名前なのに、雲海が見える標高でもなく、むしろ雲の中。
もしかして、雲の中という意味で「雲海」なのだろうか。

雲海を過ぎると、次第に巨大な岩が多くなってくる。
なぜか矢印が「♂」マーク。

途中で見かけた伐採樹木の年輪は綺麗な同心円。
普通は日光の当たる側の年輪の幅が広くなったりするだろうに、どうやったらこんなに真円になるのだろうか。

次第に道は岩だらけになり、
傾斜も増していく。

シラビソの新芽がかわいい。

そして、ついにシャクナゲ発見。
大弛峠の夢の庭園で見ることができなかった分、嬉しさ倍増だ。

10:50、押手川に到着。
ここで道が分岐し、一方は編笠山山頂へ、もう一方は山頂を巻いて青年小屋へと続いている。
この時点ではあまり巻道に対して関心を払っていなかったが、このあと、この巻道の存在が我々を助け、また、苦しめる。

もちろん、この時点では山頂へのルートをとる。

山頂へのルートは、やっぱり岩っぽい急登。
しばらくは樹林が続く。

10:58、ナメコ発見。
ナメコだよね??
判別に自信無し。

その後再び登山道は岩と、
根っこと、
コケが延々と続く。

たまに木々の切れ間から見える空には、ちょっとヤバそうな雲。
どうか13時ぐらいまでは保ってくれと願いながら、急登を黙々と登る。

が、そんな祈りも虚しく、森林限界直下の鉄ハシゴまでたどり着いた時、ついに大粒の雨がバラバラと落ちてきた。
急いで雨具を着て、ザックカバーを着ける。

と、その時、眩い光が!
数秒後にガラガラガラ!という大きな音が鳴り響く。
来てしまった、雷だ。

こんな近くで雷が鳴っているのに、森林限界の上に飛び出すのはただのバカだ。
撤退を早々に決め、押手川まで下り、そこから巻道伝いに青年小屋を目指すことにした。

そんな我々を尻目に、すぐそばに居た、年配の女性リーダーに引き連れられた年配の男性2人という3人パーティは、編笠山の山頂に突っ込んで行く気マンマンだった。
年配男性のうちの1人が雨具を着ようとしているのを女性リーダーが
「○○さん! こんな程度なら雨具は必要ありません!」
と、ピシャリと言い放つ。シュンとしてシブシブ従う男性。
このシチュエーションで山頂に突っ込むという判断といい、雨具を着させない判断といい、こういう人がトムラウシで遭難死するんだろうなーと考えさせられるひと時だった。
結果として無事であったとしても、それは単に運が良かっただけで、「これまで大丈夫だったから今後も大丈夫だ」というブラックスワン的考え方では、リスクマネジメントが出来たことにはならないのである。

半ば呆れながら、我々は来た道を引き返した。
目指すは、編笠岳を巻いて青年小屋に達する道。
いかに雷が鳴っているとはいえ、標高を下げて樹林帯の中を進む分には、完全に安全が保証されるわけではないにしろ、だいぶマシなはずだ。
また、もし雷がヒドくなるようであれば、巻道に向かわずそのまま観音平に降りてしまえばいい。

降りしきる雨の中を、黙々と下る。
今しがた登ってきた岩と木の根の急斜面は、濡れて厄介なルートへと変身していた。

この濡れた登山道を、慎重に、かつ、急いで下る。
急ぐあまり、木の根で滑って転びかけるなどのハプニングもありながらも、雷が怖くて、とにかく先を急いだ。
雨具で蒸れて暑い。

途中、雲の隙間から日差しが降り注ぐこともあったが、一貫して天気は悪い。

12:45、押手川に到着。
徒労の往復2時間であった。
ここから、巻道を青年小屋へと向かう。

ここまで、登山口を過ぎてすぐに追い抜いた知人には出会わなかった。
ということは、知人も巻道に進路を取ったに違いない。

巻道とはいえ、そこそこの上りが続く。

巻道を200mほど入ったところに、ちょっと開けた場所があった。
ちょうどこのタイミングで、日差しが降り注いでいる。
ここで大休止とし、昼飯にした。

そこにはシャクナゲが咲いており、亀の甲羅干しのように陽光を浴びる我々の目を楽しませてくれた。


休憩で停滞していると体が冷えてきて、もう色々とやる気が失せてくるのだが、この時ももう歩くのがシンドく感じていた。もうシャクナゲも見れたし、下山してもいいんじゃないかとさえ思えてくる。
が、さすがに連れの手前そんなことも言えず、出発準備に取り掛かった頃に、また雨が降り出した。
なんともコロコロと変わる天候だ。
道端のゴゼンタチバナもずぶ濡れである。

再び歩き出した我々の目の前に現れたのは、山頂への道と大して変わらない、ゴロゴロの岩っぽい斜面だ。

コケの絨毯も生い茂っている。

14:05、下り斜面に差し掛かる。
ここからしばらくは、緩やかな下り坂だ。

ますますコケの絨毯が濃くなる。

14:16、ここから登り返しが始まる。

木々の切れ間から、編笠山のシルエットがうっすらと見えた。
いや、見えなさすぎて、これが編笠山なのかどうかも判別がつかない。
方角的にたぶんそうだろう、というだけである。

ここからは比較的緩やかな上り。
植生が少し変わり、次第にダケカンバが増えてくる。

14:31、木々の間から編笠山が見えた。

ここまで来ると、青年小屋ももう少し。
登山道の様子からも、森の切れ目が近そうなことが分かる。

すぐに樹林が切れて、編笠山が姿を表した。
あの山頂経由の方が、余程早く到着できたのに・・・。無念である。

14:42、青年小屋にやっと到着。
観音平からここに到着するだけのライトな登山だったはずなのに、なんという疲労感だ・・・。

あとはここで1泊だ。


(「1日目 幕営編」へ続く)


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