このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年6月8日日曜日

『Trail Running 2014』が丸々1冊かけて訴えたかったこと

Trail Running 2014』というムックが発売された。


よくあるトレランのムックかと思って読んでみたら、その内容に驚かせられた。
冒頭の鏑木毅さんのロングインタビューに始まり、その多くの誌面を割いて、トレイルランナーのマナーと心構え、および、トレイルラン大会の自然環境に与えるインパクトについて警鐘を鳴らすものだった。

ついにここまできてしまったか。

僕もこのブログでたびたび言及してきたが、ロード上がりのシリアスランナーほど、山を舐めているし、環境に対する配慮を欠くケースが多い。
それが、僕のような半端モンのトレイルランナーにも分かるぐらい、目に余る状況が山では発生している。

その問題が表面化している事例は多々あるが、分かりやすいところで言えば、鎌倉アルプスでのトレラン大会中止と、トレラン禁止の動きだろう。(参考記事


登山もトレランも両方とも愛する僕としては、これはたいへん残念であるし、由々しき状況だと思っている。

このトレラン問題に触れるにつけ、かつてスノーボーダーが置かれていた逆風を思い出す。
かつて僕は、1990年代初頭にスノーボードをはじめた。
その当時、スノーボーダーはスキー場から締め出されそうになっていた。理由は、スノーボーダーのマナーが悪すぎて、スキーヤーとの事故も発生していたためだ。

当時の日本ではスノーボードに関する情報が極端に少なく、エクストリーム系のスノーボードのビデオなどに憧れた一部のスノーボーダーによって無茶が行われていた。その結果、スキーヤーやスキー場からの反発を招き、スノーボーダーのスキー場利用について大幅に制限されたのである。

結局、スキー場とスノーボード界によるマナーの呼びかけなどが行われたり、スキー場を利用するうえで技能検定をパスしないとリフトの使用を許可しないといった制限を課すなどして、技術的・精神的啓蒙が積極的に行われ、また、その後エクストリームでないスノーボーダーが激増したことなどが幸いして、スノーボードは市民権を得た。

が、スノーボードの場合は、人の管理下にあるスキー場での話である。
山では、そんな管理は不可能だ。
それならば、トレイルランナーに対する啓蒙はどうすれば良いのか。
それも含め、本書では様々な提言がなされている。


僕のような素人のこんなブログを読んでくれるみなさんは、きっとこのような問題に対して前向きに取り組んでいる方々に違いないと思う。
本来はこういうことに無自覚な人々に対して強く訴えていきたいのだが、どうすれば声が届くものか・・・。



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