このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年6月3日火曜日

山行記 : 2014年5月31日 海沢探勝路からの大岳山 

滝マニアの同僚と、奥多摩の海沢探勝路に行ってきた。

海沢探勝路には大きな滝が3つもあって、なかなかのスポットであるらしい。
その一方で、ルートは整備されておらず、急登。「山と高原地図」では破線ルートになっている。
滝マニアの同僚はこの夏に鳳凰三山にあるドンドコ沢に行きたいと言っているので、そのトレーニングにはモッテコイの場所だろうと思い、連れていくことにした。

事前情報では特に危険箇所も無いということなので決行したが、破線ルートであることを考え、念の為に20mのお助けロープを持参した。(結局、使うような場所は全く無かったが。)


7:44、新宿駅をホリデー快速で出発する。
車内は通勤電車のような混雑。梅雨入り直前の晴天を逃すまいと、猫も杓子も山へ山へと向かう。

9:14、奥多摩駅到着。

奥多摩駅のホームは大量の登山者で溢れかえる。
そして、その多くは改札を出ると鴨沢西行きのバスに並ぶ。日帰り風の人、テント泊にしてもやたら荷物のデカい人、老いも若きも混在する長蛇の列だ。
だが、我々はバスに乗らず、海沢林道を目指して歩く。

身支度をして、9時半ごろに奥多摩駅前を出発。
ビジターセンター前の交差点を渡って、
ひたすら道路を歩く。
アスファルトの照り返しが暑い。

この日は、今年はじめて東京都心で真夏日を記録することとなるほどの天気。
遮るものの無いアスファルトの道路を登山靴で歩くのは、ただの苦行でしかない。

途中で、道路脇の小学校から運動会の開会式の校長挨拶が聞こえてきた。
こんな天気では、小学生に死人が発生するのではないかと心配になったが、僕がどうこう言うようなことでもないので思考停止。

10:02、林道入口に到着。
林道も舗装されているので、歩きにくさは変わらない。
が、木陰がある分、これまでの道路よりは幾分涼しい。

林道は海沢沿いを通っているのだが、これが全然魅力を感じない川で、アスファルトの林道を歩く退屈さをさらに助長するほど、ちょっと小汚い印象。

さらには、途中から干上がってしまい、果たしてこの上流にある滝の水量は大丈夫なんだろうかと不安になる。

10:11、アメリカキャンプ村前を通過。
「アメリカ」と「キャンプ」がセットになっていると、軍隊しか連想できない僕ですが、ここがオートキャンプ場だということはかろうじて理解できた。
1950年代のアメリカ住宅をイメージしたであろう建物もチラホラ。

ここより上流では、沢の流れが復活していた。
一安心。

次第に沢は渓流のようになってきた。

10:18、古めかしいトンネルが現れる。海沢隧道というらしい。
内部は、途中区間で手彫りになっていて、より古めかしさを醸し出していた。
手彫りの場所では、このデコボコに音が吸収されて、声も反響しなくなる。
それもそれで不気味だ。
できれば日が暮れてから来るのはゴメンこうむりたい。
念のため、帰宅してからネットで調べてみたが、特に怪談めいた話は無いようで安心した。

トンネルを抜けても、あいかわらず林道は海沢沿いを通っている。

10:47、いい加減林道歩きに嫌気が差してきた頃、林道の対岸に3段になった滝が見えた。
非常に立派な滝だが、「山と高原地図」には、名前どころか、その存在さえも記されていない。
一方、さすが『登山詳細図 奥多摩東部』にはしっかり滝のマークが記されていたが、名前は「三段滝」。その投げやりな名前を見る限り、おそらく正式な名称の無い無名滝なのだろう。こんなに立派なのに。

10:52、海沢園地に到着。
仮設トイレ2基、東屋、ルート案内の看板、以上。
「園地」というには、あまりに殺風景だ。

とはいえ、目の前の沢は幾分か渓流っぽさを増している。


念のため、ルート案内板を撮りつつ、
東屋でしばし休憩を取る。

そこに、レンタサイクルで来たという若い男性が入ってきた。レンタサイクル屋で貰ったアバウトな地図を頼りに仲間数人で来たのだが、ここまで来る途中で残りのメンバーどんどん遅れていき、その到着を待っているのだと言う。

結局僕らはそこで15分ほど休憩したのだが、その男性の仲間が現れることはなかった。

11:11、海沢園地を出発。
道標には「海沢の四滝」と書かれている。
えーと、この先の滝は、三ツ釜ノ滝、ネジレノ滝、大滝しか地図には書かれていないが、ほかにも滝があるのか?
と思いながら沢を渡ると、
渡ってすぐに、矛盾した道標が現れる。
やっぱり3つなんじゃなかろうか。
(あとになって知ったが、大滝の上に不動滝というのがあるそうだ。が、そこに至る道は荒れ放題のようだ。)

ここから先は破線ルートということになっているが、道標もあるし登山道もしっかり付いている。

11:13、岩室発見。

その先に続く、岩っぽい新緑の道。

新緑に目を奪われながら歩いていたら、11:15、不意に鉄の階段と滝が現れた。
それが三ツ釜ノ滝だった。
全然ショボい・・・。
いや、滝に罪は無いのだが、ウォータースライダーのような中途半端な角度の流れで、規模も小さい。
これを「三滝」と銘打っているのであれば、残りの2つも思いやられるなぁ。。。

三ツ釜ノ滝の上部には、こんな釜もある。
きれいと言えばきれいだが、ショボいと言えばやっぱりショボい。

ここから先は、少し急登も出てき始める。
登った分だけまた下って、
沢のほとりに出る。

11:23、ネジレノ滝への分岐。

この先に、案内板で「二枚岩の乗越」とされている岩と思われる、のっぺりした岩が現れる。
よく見ると、足が置きやすいように、コンクリートてステップが作られている。
破線ルートのはずなのに、至れり尽くせりのルート整備だ。

11:24、ネジレノ滝に到着。
滝はこの奥、まるで、岩に隠れるようにして流れていた。
こんな巨岩の間を縫うようにして流れ落ちる滝。
悩ましげに身をくねらせる流れ。
岩の隙間から差し込む光。
そして、静かに水をたたえる釜。
いずれもが調和した、すばらしい滝だった。
決して規模は大きくないが、それは全く問題ではない。

しばし呆然と眺め、再び登山道に引き返す。

ふたたび急登の登山道を進み、
11:31、分岐に到着。
これを右に行くと、沢沿いでなく山側を通って海沢園地に至る。
もちろん、左へ進む。

11:33、ロープ場が現れる。
この時はロープの必然性を全く感じなかったが、雨が降ったりして滑るときには、ありがたみを感じるかもしれない。

その先の一枚岩にも、足をかける場所がコンクリートで設置されている。

登山道はシングルトラックだがはっきりしているし、新緑に包まれての心地よいトレッキングだ。
破線ルートな感じが全くしない。

11:37、大滝への分岐に到着。

急坂を下って沢筋に下りると、そこに大滝が現れる。
滝壺のほとりに下りる。
大滝の名前に恥じぬ、30mの大きな滝だ。
ここでランチ。
朝、都心のスターバックスでサーモス山専ボトルにいれてもらったアイスコーヒーを食後に飲む。
やっぱりこういう場所で飲むコーヒーは美味い。しかも、山専ボトルの性能のおかげで、キンキンに冷たいままだ。

たっぷりと大滝の様子を堪能して、12:15、出発する。
大滝からの登り返しの途中で、アカガエルに出会った。
ちょっとカワイイ。

12:18、大岳への登山道との分岐に戻る。

ここから大岳山へのルートは、海沢園地の案内図でも悪路とされている。
どの程度なのだろうか。

スタート直後は、普通の登山道だ。
石段も築かれている。

斜面は急で、短時間でぐんぐん高度を上げていく。
それでも登山道は、狭いながらもはっきりしているし、よく整備されている。

12:30、大岳山まで2.1kmの道標。
ここから次第に高度を下げ、沢に下りる。

沢に下りると、渡渉。
バラバラになって転がっている丸太は、たぶん橋の残骸だ。
ここに来て、破線ルートの本領発揮か?と思ったが、沢の水量が非常に少なく、難なく渡渉完了。

沢の様子は、御岳山のロックガーデンのよう。

対岸には、ワサビ田と、おそらくそのワサビを運ぶための軌道があった。
ワサビ田は、果たして人の手が入っているのかどうか分からない雰囲気。

ここから、緩やかに登る。
この付近の道は、やや荒れているところもあった。

その先で、軌道をくぐる。

このあたりにもワサビ田があるのだが、沢のすぐ脇にあるにもかかわらず干上がっているようだった。
耕作が放棄されていそうな雰囲気。

12:58、大岳山まで1.4kmの道標が現れる。
ここから沢筋を離れ、急登が始まる。

いかにも奥多摩の標高1,000m未満といった感じの景色。
アホみたいな急坂に、いかにもな植林。
それでも、ちゃんと手入れはされている様子。
林業の皆様には頭が下がる。

13:09、サワガニを見つけた。
沢からずいぶん離れた場所なのだが、こんなところまで上がってくるのだなぁ。

その後も続く急登。

ところどころにピンクテープでマーキングされている。

引き続き急登。
激しくバテた連れが、何度も立ち止まって休憩する。

13:26、道標が倒れていた。

ここから100m余り先にある道標までは、引き続き急登。
次第に尾根が見えてくる。

尾根に上がるところに、道標がある。
この道標から大岳山まで、あと0.8km。

ここから山頂までは、ここまでのような厳しい急登はもう無い。
気持ちの良い尾根歩きだ。
こういう尾根道は、いつまでも歩いていたい。

周囲は広葉樹の若葉の森。

ツツジも咲いている。
今年はツツジの時期に石尾根の千本ツツジに行けそうになかったが、大岳山のツツジもなかなかのもの。

このあたりで、海沢探勝路へと降りていく男性2人組とすれ違った。
こっちで道が合っているのか不安そうで、僕らが海沢から来たことを知ると安堵していた。
が、この時点でもう14時になろうというタイミング。
果たして日差しのあるうちに林道を抜けられるのだろうか。
日が暮れてしまった後に海沢隧道は通りたくないものだ。

13:58、鋸山と大岳山を結ぶ縦走路に出る。
道標には、海沢探勝路を指す案内が無いばかりか、登山道を塞ぐように何本も丸太が置かれていた。
これでは、たしかに先ほどの男性2人も道が合っているの不安になって当然だろう。
というか、よくこの状態でこの登山道に入ってこようと思ったものだ。

ここから先は普通の登山道で、たくさんの登山者とすれ違う。
海沢探勝路とは別世界のようだ。

大岳山っぽいちょっとした岩を越えたりして、
ついに大岳山の山頂が登山道の先に見えた。

14:05、大岳山山頂に到着。

二等三角点。

気温が高すぎて空気中に水蒸気が多く、山頂からの眺めは、それほど遠くまで見えず。

滝マニアで山頂には興味が無かったはずの連れが、「頂上いいなー、気持ちいいなー」と頻りに感嘆の声を上げていた。
この程度でそれほどまでに喜ぶのなら、もっともっと素晴らしいコンディションでの眺めならばどうなってしまうのやら。
もちろん、眺望のことばかりでなく、ほとんど人に遇うことのない寂しい山中を経ての賑やかな山頂で、人恋しさが爆発したのかもしれない。
僕は人の気配の無い山のほうが好きなのだが、連れにとっては、それでは寂しすぎるようだ。

そんな感動のあまり、連れはしばらく山頂から動かなかった。
20分ほどの休憩を経て、再び歩き出す。
あとは大岳山を下って御岳ロープウェイまでの地味なルートをたどるだけだ。冒険的要素は何も無い。

大岳山らしい、岩の露出した登山道を下る。


14:36、大岳神社に到着。
この神社の狛犬も、ちょっと変わって面白い。
もはや、獅子にも犬にも見えない。

14:38、大岳山荘(休業中)の上の広場に到着。

14:47、鎖場を通過。

退屈ながらも美しい新緑の登山道を下り、
15:17、ロックガーデンの入口に到着。
疲れていたし、腹も減っていたので、ロックガーデンには寄らずにさっさと御岳ロープウェイに向かう。

15:36、天狗の腰掛け杉に到着。

ここからの眺望も好きなのだが、この日はモヤがかかっていてイマイチ。

ここから、神苑の森に入り、
15:50、御嶽神社の入口前に到着。

土産物屋でコーラを買って飲み干しつつ、ロープウェイの駅を目指す。
16:03、ロープウェイの駅に到着。

下山後は、御嶽駅前の玉川屋という蕎麦屋にピットイン。
鴨汁そばが美味い。

帰路につく元気を得て、無事帰宅。


結果、海沢探勝路は、一定程度地図が読めるならば、迷いようのない明瞭なコースだった。
この程度のコースならば、東北の山では破線で描かれることはないだろう。


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