(この記事は「3日目 下山」の続きです。)
今回で年末年始の燕岳は3回目となった。
不思議なもので、40歳を過ぎた頃から
「ああ、今年も○○だなぁ」
と、前年と変わりなくこの時を迎えられたという感覚が愛おしくなってきた。
初めて年末年始の燕岳に訪れた際の気持ちとは打って変わって、今や僕にとっての年末年始の燕岳はまさに
「ああ、今年も無事にここに来れたなぁ」
という感慨を得るために来ていると言っても言い過ぎではないものとなりつつある。
さて、そんなわけで今回は、厳冬期の北アルプスで初めてソロではなく、パーティを組んでみたわけだが、同じ厳冬期でもやはり日帰りで丹沢や奥多摩に行くのとはワケが違うというのを改めて思い知らされた。
パーティを組んで厳冬期の北アルプスに入山するならば、年末年始の燕岳とはいえ、ソロの時よりもむしろリスクのあり方のバリエーションが増えるということを念頭に置かなくてはならないことが分かった。
まさか林道歩きであんなに凍えるなんて、想像もしていなかった。。。
僕の装備はどちらかというと、速攻タイプの装備である。
薄くて軽くて動きやすい、というのを身上にしているような装備は、やはり使用する状況が限られるということを思い知らされた。
さて、そんな装備は以下のとおり。
<ウェア(山頂に向かう際)>
- アウターシェル : マウンテンハードウェア「クエーサープルオーバー」
- パンツ : マウンテンハードウェア「リボンメドゥパンツ」
- グローブ : マウンテンハードウェア「ハイドラエクストグローブ」
- バラクラバ : アウトドアリサーチ「ニンジャクラバ」
- インナー : ファイントラック「アクティブスキン」(長袖)、モンベル「スーパーメリノウールEXP. ハイネックシャツ」、モンベル「スーパーメリノウールEXP. ウエストウォーマー」
- ミドル : コロンビアのやたら薄手のフリースジャケット(とっくに廃版)
インナーに関しては、ファイントラックのアクティブスキンは最早、手放すことができなくなっている。明らかに体感温度が異なるし、汗をかいたあとの冷えが全然違う。低体温症のリスクが大幅に減らせるのは間違い無いだろう。
また、今回はモンベルの腹巻を着用してみた。
2014年の3月に、西穂独標にて冷えによる腹痛のために塗炭の苦しみを味わい、学習した結果である。が、今回は気温が高すぎて、むしろ暑かった。ちゃんと気温に合わせて着用すべきであった。
なお、アウターに関しては完全に速攻系の装備なので、体の発熱量が少なかったり、稜線で長時間寒風に晒されたりするのには向かない。今回は気温が高めだったから良かったけれど、これが通常の気温だったらヤバかったかもしれない。
なお、アウターに関しては完全に速攻系の装備なので、体の発熱量が少なかったり、稜線で長時間寒風に晒されたりするのには向かない。今回は気温が高めだったから良かったけれど、これが通常の気温だったらヤバかったかもしれない。
<ギア>
今回は特に目新しいものは用意していない。
前回と何ら変わるところが無かった。
ただし、ロウアルパインのロングスパッツと、視力矯正付きスポーツサングラスを破損してしまい、買い換えるハメになった。
出費が痛い。。。
ちなみに、僕らが下山した次の日、燕岳では本格的な遭難で1名死亡している。
「北アルプス燕岳で遭難の女性 死亡確認」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150102/k10014395281000.html
僕らは天気予報を重視して予定を1日早めるなどの対策をした。29日以降は年明けまで天気が崩れるのは既定路線だったのだ。
先日受講したヤマテンの猪熊さんの講習によると、冬の天気については4日先まで90%の確率で当たるそうだ。(数時間のズレはあるものの)
それを考えれば、冬こそ、天気予報をアテにして動かなければならない。
それについては「ヤマふぉと」さんが、非常に適切な考察をされているので、リンクを貼らせていただく。
ヤマふぉと「年末年始の山岳遭難に思う」
http://yamaphoto55.blog133.fc2.com/blog-entry-647.html
ちょっとしたリスクヘッジで避けられる事故は、なんとしても避けなければならないのだ。
(了)
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