このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2015年1月26日月曜日

山行記 : 2015年1月18日 丹沢・檜洞丸 すばらしい天気

会社の後輩が、山に行きたいとグズり出して早数ヶ月。
全然スケジュールが合わない日々が続き、ついに冬になってしまった。
が、本格的な積雪期に至っていない丹沢ならば、雪山未経験の後輩でも大丈夫だろうと思い丹沢へ。

その後輩は、のんびり歩くよりも険しいところに行きたい願望が強く、そうなると丹沢の中では僕の知る範囲では檜洞丸の一択となる。
とはいえ、後輩はアイゼン歩行をしたことがないので、あまり険しすぎてもマズイ。
そんなわけで、コースはつつじ新道のピストンに決定した。


小田急線からバスを乗り継ぎ、9:36、西丹沢自然教室に到着。
すばらしい快晴だが、空気は肌寒い。
それでも、日向にいると日差しが暖かく感じる陽気だ。

登山届、トイレ、身支度を済ませて、9:54、出発。

つつじ新道の登山口は西丹沢自然教室から北東に500mほど行ったところにあるのだが、守屋さんの登山詳細図によると、その手前のウェルキャンプからもルートがあるらしい。
せっかくなので、そっちに行ってみることにした。
が、ルートがよく分からず、おとなしく引き返してオーソドックスな登山口に向かうことにした。
出だしから失敗。

10:07、つつじ新道の登山口到着。
この登山口をなんとなく嫌厭したのは、登山口からいきなり険しい沢になってるからだ。
以前、大室山に行く際に前を通って、「ここが登山道なの?!」と思った記憶があったのだが、改めて今回来てみて、イヤだなーと思った。

ただ、それもそんなに長い距離を遡行しなければならないわけでもないので、ぐっと堪えて登る。

すると、すぐに普通の登山道になるわけだが、道幅は狭い。完全にシングルトラックだ。
しかも、尾根に上がるまでのお約束のように、傾斜がキツイ。
体が温まる前の急斜面は、心の底から勘弁して欲しい。

しばらく山腹を上がると、次第に道がなだらかになってくる。
が、斜面をトラバースするようにつけられた道は狭く、ところどころは木の橋が渡されていた。

10:24、東沢沿いの日向に出る。

沢沿いのトラバースは緩やかで、日差しが暖かい。

この先には、ミツマタの群生地があった。
春に来たら、花の蜜でベトベトになりそうだ。

10:48、砂防ダムを越える。

砂防ダムを越えると、渡渉ポイント。ゴーラ沢の出合だ。
こんな看板も立てられている。

沢の水量は意外に多く、飛び石伝いでは向こう岸に渡れない。
やむを得ないので、なるべく浅いところを選んで靴のままジャブジャブ渡る。

ゴーラ沢も渡る。
ゴーラ沢は日陰になっているので、岩のの表面には氷が張っているところも。

ゴーラ沢を渡ったところから階段を登る。

階段の先には、やや険しい道が現れる。

たまに、丹沢っぽいヤセ尾根。

その先には、ツヅラ折りの急登。
連れの心が折れかける。

このツヅラ折りを登りきったところには休憩用のテーブルがある。
このあたりから、富士山の山頂付近が見えるようになってくる。

岩のゴロゴロした登山道を進み、
11:36、展望園地を目前にして、登山道が凍結しはじめた。

せめて園地まではアイゼン無しで行こうと思ったが、斜面が完全に凍っていて、かなり怖い。

諦めてアイゼンを装着する。

この日僕が持ってきたアイゼンは、12本爪、6本爪、そしてスパイクチェーンの3種類だった。
そのうちの1つを連れに貸し与えなければならないので、どれを誰が付けるのが良いかは現地で決めようと思っていた。

いったんここでは、この場では一番歩きにくいであろう12本爪を僕が付け、連れには6本爪を付けさせた。
アイゼンを装着すると凍結した登山道も安心して登ることができたが、土や岩が露出している箇所も多く、アイゼン歩行がしにくい。
たまに岩に刃が当たると、カリっというイヤな感触が足に伝わる。

11:47、展望台への分岐。
檜洞丸への道は、完全に凍結していた。
いったんそちらには進まず、展望台でランチにすることにした。

展望台には大きなベンチが1つ。

富士山がよく見えた。

ここで、僕よりも年下っぽい夫婦とその幼い子供の4人が展望台に現れた。
まさか凍結していると思わずアイゼンを持参していなかったそうで、ここから引き返すそうだ。
うん、さすがに引き返さんといかんよ。この時期の丹沢に来るのにアイゼン無しはイカンだろ。

ランチを終え、再び歩き出す。
まずは先ほどの分岐からトラバースの登山道を歩く。
こんなところ、アイゼン無しでは歩きたくない。

木々の間からは畦ヶ丸がよく見えた。

凍ったトラバースが終わると、今度は険しい斜面がつづく。
日向の斜面のため、雪や氷が融けている場所もたびたび現れ、アイゼンを付けていると非常に歩きにくい。

中途半端に露出している階段も、アイゼンでは非常に歩きにくい。

去年や一昨年に比べて、やはり雪が少ないような気がする。

12:46、鎖が現れるも、
ハシゴもあるので、鎖に頼る必要は無し。

ハシゴを登ると、南アルプスの展望が得られた。

延々と続く木製の階段。

13:03、ベンチが現れる。

このベンチからは、畦ヶ丸が非常にクッキリと見えた。

この先もさらに続く木製の階段。

いいかげん12本爪アイゼンで歩くのがイヤになり、チェーンスパイクに換装した。
この登山道のコンディションなら、初めからこれにすれば良かったのだ。

引き続き尾根を登り続け、
振り返ると、富士山が麓まで丸見えだった。
なんと山中湖も目視で確認できた。
ただただ絶句して見つめるばかり。

その後も容赦なく木製の階段は続き、
いいかげんウンザリしはじめた、13:17、石棚尾根との合流地点に到着。
やっとである。

ここからは、なだらかな尾根道をたどる。

東側には、丹沢主脈の山々。
尊仏山荘も肉眼で確認できた。
また近いうちに、ミャー君の顔を拝みに行きたいものだ。

背後には、富士山。
これを見たくて、ついつい振り返ってしまう。

同角ノ頭の向こうには相模湾。
海の向こうには、うっすらと房総半島も見ることができた。

さらに尾根を登る。
空はあくまでも蒼い。

山頂まであともう少しというところで、ついに南アルプスが全容を現した。

山頂直下、白く枯れた樹木と群青の空のコントラストが美しい。

13:35、檜洞丸の山頂に到着。

山頂の反対側から見ると、何やらいろいろな標識が立てられていて、散漫な印象だ。

山頂には、我々のほかにもう1人の登山者がいて、ラーメンを作っていた。
我々はそんな静かな山頂でベンチに腰掛け、穏やかな日差しを浴びながら、持参したコーヒーをすすった。
下山するのが勿体無いほどの満ち足りたひとときだ。

そのとき、背後から「コツコツコツコツ」という、規則的な音が聞こえた。
あれ?と思って振り返ると、そこにはアカゲラがいた。
激しく頭を振って、木をつつく。
X-JAPANのYOSHIKIはヘッドバンキングのやりすぎで頚椎を傷めたが、アカゲラは大丈夫なのだろうか。少し心配になるほどに激しく木をつついていた。


幸せなひとときだったが、さすがに下山しなければなるまい。
14:00、下山を開始した。

箱根のお山と越前岳・位牌岳との間から見える水面が陽光を受けて光輝き、何かの奇跡のようだ。

再び木道を歩く。

ただひたすらに、来た道をたどる。
途中からは展望も無くなり、ただ黙々と歩く。

15時前に、展望園地の直下でアイゼンを外す。
連れが、開放感にあふれた笑顔を見せた。

再び黙々と下り、膝がしんどいという連れを叱咤激励しながら、16:10、ついに登山口到着。

その後、通り道の自販機でコーラを買おうとするも売っておらず、失意の中でコーンポタージュを購入。
16:22、西丹沢自然教室に到着。
そのまま中に入って薪ストーブにあたろうとするも、入口が開かない。

すると、事務所にいた職員の方から声がかかる。
「今日はもう閉館したんですよー。」

ま・じ・か!

薪ストーブを目指して戻ってきたのに!
こんなことなら石棚尾根を降れば良かった!
バスの時間まであと40分。。。

やむを得ないので、外のベンチでバスを待つ。
次第に寒くなってくる。
コーンポタージュをもう1本飲むも、体は暖まらない。
持参した水の残りが少なく、自販機では水が売り切れのため、コーヒーを沸かすこともできない。
この日一番の難所はここだったか。。。

腹もペコペコ。
行動食として持参したクリフバーを食う。
まさか下山後にこれを食うことになるとは。。。

なんだかいろいろやるせなくなったので、帰京後、渋谷で途中下車をしてカツカレーの大盛りを食う。
これでなんとか心身ともに回復した。


こうして久しぶりの登山が終わった。



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