このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年12月31日水曜日

山行記 : 2014年12月27日~ 燕岳 3日目 下山



(この記事は「2日目 燕岳へ」の続きです。)


山の朝は早い。

1日目に宮城ゲートからの林道の観音峠で追い抜いた年配の女性の熊鈴が、まさか燕山荘で朝5時に鳴らされるとは思わなかった。惰眠を貪るなという、人生の先輩による忠告だろうか。

そんなわけで、なんとなく荷物をまとめるような、全然まとまらないような、それどころか思考すらもまとまらないような、そんな無為な時間を過ごしているうちに朝食の時間となった。

6:15、朝食。
さすがのクオリティ。美味しくいただいた。
頭は回らなくても、この朝食の美味しさは認識できる。

その後、トイレの渋滞や玄関の渋滞をやり過ごしているうちにどんどん時が過ぎて行き、燕山荘を出たのは7:44だった。
山荘前から燕岳方面を見るも、吹雪のために何も見えず。
こんな天気でも、気温はマイナス10℃までも下がらず、非常に暖かい。

吹雪なので、合戦小屋までは我慢してゴーグルを使うことにするが、山荘の裏に回る頃には早くも曇り始めていた。
いや、ゴーグルが曇るというよりも、その中に装着しているメガネが曇っているのだ。
そういや、メガネに曇り止め塗るの忘れてた。。。

山荘の裏の木には、すでに雪の花が咲いていた。

7:54、山荘の裏の直登を下る。
そこそこ急なので、みんな横向きに降りる。

その後も、せっかくの稜線ながら全く眺望は無い。
ただ黙々と歩く。
メガネが曇るのでトレースを踏み外しそうになる。

バラクラバを付けていたが、暑くて途中で脱いだ。
吹雪なのに暑いって、どんな状況だか。といっても、合戦小屋に近づくごとに、風はどんどん収まっていったのだが。

8:35、合戦小屋に到着。
夜中に降った分だけ、前日よりもう埋もれている気がする。

ここでゴーグルを外し、メガネを拭く。
ものすごい開放感。視界の全てがクリアだ。
ピッケルもトレッキングポールに持ち替えて、樹林帯スタイルに変更する。

合戦小屋から下の樹林帯に入ると、アイゼンがよく利いた昨日とは違って雪がボサボサ。
傾斜がキツくなるとアイゼンごとずるずる滑る。
また、前日までの締まった雪と、昨晩から降り積もったフカフカの雪の区別がつきにくく、あらぬところでアイゼンを引っ掛けてしまい、コケる。気をつけて歩かなければならない。実際僕は、滑落しかけた。

9:13、第三ベンチ通過。

9:42、第二ベンチ通過。

どんどん樹林が濃くなっていく。
カラマツ。
 ダケカンバ。

黙々と歩き、もうすぐ第一ベンチに到着というタイミングで、道端に座り込む男性と、その傍らに佇む男性の2人パーティと遭遇。
挨拶をして通り過ぎようとしたところ、佇んだ方の男性から声をかけられる。
「ワンタッチ式のアイゼンの着け方って分かりますか?」

なぬ?!

聞けば、座り込んだ男性の方のアイゼンがワンタッチ式で、持参した本人も、傍らに佇んだ方(声を掛けてきた方)も、着け方が分からずに難儀しているそうだ。
家で試してきてないんかい!とツッコミたいところだが、解説しながら右足だけ装着してやった。
僕だって、ワンタッチ式なんて使ったことないんだけどな。。。

さて、そんなハプニングもありつつ、10:07、第一ベンチ通過。

カラマツの樹林を抜け、
もうすぐ中房温泉。

登山口手前のツヅラ折りを下り、次第にトレースに土が混じり始めた。
最後の200mは、結局土がむき出しだった。

10:30、中房温泉登山口に到着。

なんとか無事に連れを下山させることができた。今回のミッションの全てはそこにあったので、安堵感に包まれる。

さてここで、連れには中房温泉に預けた荷物を取りに行ってもらい、荷物を預けていない僕はここで待つことにした。

待つこと15分、荷物をしっかりパッキングして連れが戻ってきたので、宮城ゲートを目指して歩き始める。

長い長い林道歩き。

ここまで来ると、もうゆっくり歩きたくない。
連れを急かして容赦なくガンガン歩く。
連れは完全に無口になる。これだけ追い込むと、もう来たくないと思うかもしれんな、、、

13:40、宮城ゲートに到着し、予約していたタクシーに乗り込んで日帰り温泉へ。
その後松本で蕎麦を食べて帰京。

こうして、今シーズンの燕岳登山は終了した。


(「総括」につづく)



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