そりゃ、人里離れたところで、テントの薄っぺらい生地越しに外の気配をモロに感じるような環境で寝ていれば、夜陰の向こうに人ならぬものの存在を感じるようなこともあるだろうさ。
といっても、僕は霊感とはまったく無縁のままに中年になってしまったわけで。
そんな僕でも、今年の秋に蔵王連峰の全山縦走に行く計画を立てるにあたっては、八方平とかでテン泊してたらオバケが出るんじゃないかなどと不安なり、単独行を止めて蔵王に慣れた友人を誘って行くことにした次第。
そんな弱気を起こさせたのが、下掲の書籍だ。
安曇潤平『赤いヤッケの男』
安曇潤平『黒い遭難碑』
いずれも安曇潤平氏の著書だが、語りのテンポや、まさに序破急といった展開など、怖いけどイヤな感じのしない怪談である。
文中に登場する山の名称などはほとんど全てイニシャルで語られているが、実在の山のようで、よく読めば「あー、あそこか」と分かるようなものばかりだ。
それだけに余計に怖い。
特に、自分がよく行く山だったりすると、本当にゾッとする。。。
ちなみに『赤いヤッケの男』のほうでは文庫化されており、そちらでは一部のイニシャルが実名にリライトされているそうで。
だが、わざわざ買って読んでみたが、どの部分がリライトされているのかよくわからなかった。
なお、著者の個人サイトはこちら。
くも膜下出血からの復活など、山とはまた一味違った話なども読めるサイトなので、おすすめ。
0 件のコメント:
コメントを投稿