(この記事は「3日目 沈殿」の続きです。)
山の朝は早い。
この日は撤収して帰京するだけだったので、特に急ぐ必要はなかったのだが、連れが黒部ダムまで歩くというので、早朝見送る。
元々連れは長野県側に降りる予定だったのだが、せっかくなので歩きたいとのこと。
テント泊装備を背負ってそんな距離を歩けるのだろうかと心配しながら見送った。
(結局無事にたどり着けたとの連絡が、あとから届いた。)
6時半、まだ雷鳥沢には陽が差さない。
さて、この日の朝は、上空に入った寒気の影響もあってすさまじく寒かった。
フライシートの内側にはビッシリと霜が。
テントを撤収するにあたって霜をバサバサと払ってみたら、地面に雪が降ったみたいになってしまった。
こんな日に登山したかったなぁ。
撤収して室堂に向かう途中、無風のみくりが池には、立山と浄土山がきれいに映りこんでいた。
これが、竜神の住むみくりが池なのかと思わせるほどの、さざなみ一つ無い真っ平らな水面。
室堂の草紅葉と早朝の青空。
バスの中から、剱岳に別れを告げる。
そのままいろいろ乗り継いで、11時には富山駅にたどりついた。
富山って、路面電車が走ってるんだね。
せっかく日本海側に来たのだから、地元の有名店に立ち寄って寿司を食べる。
さらに、帰りの新幹線の中でも、鱒寿司を食べる。
というわけで、3泊4日の山行は、山行というよりも観光と言った方がしっくりくる内容となってしまった。
まあ、たまには良いではないか。
こんな贅沢な時間の過ごし方をできるのも、今年のチャレンジングな山行は8月頭の穂高縦走で打ち止めと決めていたからだ。
この調子で、今年の残りはダラダラ生きたい。
(了)
0 件のコメント:
コメントを投稿