このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2015年4月5日日曜日

山行記 : 2015年3月28日 高尾山から生藤山まで

最近、仕事の影響で山行の回数自体がめっきり減り、かつ、やりきった感のある山行が無い状態のまま春を迎えてしまって、失意の中にある。

今年も7月の北丹沢12時間山岳耐久レースにエントリーしてみたものの、また今回もゴールできないんじゃないかという陰鬱な思いに苛まれているのだ。

実際、この記事を書いている4/4、5の土日も、仕事が山積みで下界に留まっている。(こうしてブログを書いているのは、単なる現実逃避によるものだ。)

とはいえ、一方では、やっと重い腰(太ったせいで物理的にも重くなってしまった)を上げて、ロードで多少の走り込みを再開した。
最もコンディションの良かった3年前に比べたら雲泥の差であるが、少しずつ、動ける体作りには着手しはじめてはいる。


そんななか、奇跡的に土日のスケジュールが空き、天気も申し分無いことから、久しぶりに山を走ってみた。
訪れたのは高尾山。久しぶりのトレランであるから、このぐらいぬるく始めたい。


計画としては、高尾山口から稲荷山コースを登り、高尾山へ。
その後、縦走路をたどって陣場山まで行き、和田峠を経由して生藤山へ。
最後は軍刀利神社に降りるというルートだ。
「山と高原地図」のコースタイムではおよそ10時間のコース。これを何とか、休憩コミコミで7時間で終わらせたい。本当は6時間と言いたいところだが、たぶん今の自分の体では、7時間でも十分にチャレンジングだ。


8:45、高尾山口駅に降り立った。
駅の改装工事中で、落ち着いて身支度をできるような場所も無いので、ケーブルカーの清滝駅前にさっさと移動する。

8:55、ケーブルカー清滝駅前に到着。
駅前で、ランドネの取材陣が犬連れの登山者の写真を撮っていた。
それを尻目に、ベンチで身支度する。

9:06、稲荷山コースの登山口。
いきなりの行列に出食わすも、今の僕にはちょうど良いペース。
と思っていたら、サクっと前を譲られた。そりゃこっちがトレランの格好してたら、相手も気を使っちゃうよなー。。。
止むを得ないので、お一人お一人にお礼を言いながら前に出る。
うーん、体が重い。

久しぶりの稲荷山コースは、相変わらずで、なんかホッとする。
登山をしたことない人に限って高尾山をバカにするが、高尾山はすばらしい山だということを声を大にして言いたいのである。

9:27、稲荷山に到着。
できれば20分以内で着きたかったが、今の自分では(略

稲荷山からの展望は、あまり明瞭ではなかった。春霞?曇天?

9:47、高尾山山頂に向かう最後の階段が見えてきた。
太ったせいで、階段がつらい。ヒィヒィ言いながら登る。

9:50、高尾山の山頂に到着。
山頂には、やたらたくさんの車が駐車していた。
どうも工事車両のようだ。
高尾山自体は良い山だが、山頂はいつ来ても興覚めである。

展望台からは、富士山もちゃんと見えた。
左端の大山から、右端の富士山まで、しっかりクリアに見えている。
あまり青空ではないが、雲が高いのか、眺望は良好だった。

あまりここでのんびりしていても仕方が無いので、さっさと先を急ぐ。

9:56、もみじ台の茶屋の前を通過。
今日も元気に営業中。

もみじ台の植生保護ロープには、2014年の名残りが見受けられた。
ここ数年の日本社会を見ていると、コンテンツの浪費が激しく、テレビ業界にも芸人を育てるような余力も無さそうで、日本エレキテル連合はそのような状況の犠牲になったとしか言いようが無い。
本来、彼女たちはテレビ向きの芸風ではなかったのに。

閑話休題。

もみじ台から少し降りたところにある山桜の木。
まだツボミは固そうだ。

10:24、もみじ台を降りきって巻き道との合流地点でキブシの花を発見。

さて、ここから城山に向かって登り返すのだが、
あれ?
なんだか、すごく整備されてる。
って、砂利道かよ!

たしかにこのあたりの登山道はかなりえぐれてしまっていて、明らかにオーバーユース状態だったわけだけど、まさか砂利を埋め込むとは思わなかった。
良いほうに考えれば、スニーカーでも歩ける、ということだろう。

10:12、一丁平に到着。
あれ、、、一丁平ってもうちょっと木が生い茂ってたような記憶が。。。
なんというか、代々木公園よりもショボい場所になってしまったなぁ。。。

ちなみに、トイレは改装中。

10:15、一丁平の展望台に到着。
ここからの富士山は、安定のクオリティ。

一丁平からは緩やかな上りを走り、10:26、城山の山頂に到着。
茶屋のテーブル下に、なにやら白いものがやたらと散らばっているので、まさかもう山桜が散った後なのか?!と戦慄が走ったが、よく見てみると
単なる砂利だった。
今日はよく砂利に遭遇するなぁ。。。

さて、城山といえばお花畑。
山の花ではないけれど、キレイなのは同じ。




梅の花も見頃。

紅梅もいい感じ。

ここで、僕の中で恒例になっている、城山の茶屋のラムネを飲む。
今回は富士山を眺めながら。
ラムネを飲みながらこの風景を見ていると、糖質制限なんてチッポケに思えてくるぜ!(という言い訳。)

飲み終わるとラムネの瓶を茶屋に返して、再び走り始めた。
近くににいた登山者が、仲間に対して
「ここから先は、かなり山っぽくなるから」
と話していたが、まさにその通り。
歩いている人の数がグンと減り、出で立ちも登山スタイルの人ばかりになる。

10:38、小仏峠手前の廃屋に到着。

相模湖が見えた。
でも、あまり風情は無い。

10:40、小仏峠到着。
相変わらず、詳細図世話人の方が販売に精を出しておられる。

小仏峠を過ぎると、景信山までは上り一辺倒。
緩やかになったり急になったり。

景信山の山頂直下でスミレ発見。

11:00、景信茶屋に到着。
ミツマタの花も咲いていた。

景信茶屋の脇をすり抜け、かげ信小屋に到着。
ここは2年前、捻挫をして往生していたときに、青竹の杖を譲ってもらった深い恩義のある茶屋である。いまでもそのときの青竹の杖は自宅にとってある。

が、今回は一休みする暇も無いので、先を急ぐ。

関東平野の景色だけは確認したが、春霞のせいでパッとしない。

景信山を過ぎたあたりから、次第に青空が見えるようになってきた。

この道中、唯一の泥んこが現れた。
思い返せば、このあたりは季節を問わずいつも泥んこな気がする。

11:19、分岐が現れる。一方は尾根、一方は巻き道である。
今回僕は、トレーニングに来ているのである。巻いてどうする。
迷わず尾根を選ぶ。

11:23、再び分岐。
もちろん迷わず尾根道へ。
が、今回の階段はそれなりにキツく、登り始めてすぐに後悔した。

階段が終わっても、更なる斜面が続く。
さらに後悔した。
が、今さら戻っても楽にはならないので、前進するのみである。

三度分岐が現れる。
今度はいよいよ堂所山である。
左を行けば巻き道。2年前に捻挫をした、因縁の場所である。
右に行けば堂所山。エグい斜面である。

もちろん、巻くなんてもってのほか。
で、登り始めて30秒で後悔し始めた。
恥と後悔の多さについては、ちょっとやそっとでは人後に落ちない自信がある。きっと学習能力が無いのだろう。

11:36、堂所山山頂手前の分岐に到着。
ここで、反対側からやってきた年配の団体に出食わした。
静寂の山だと思っていた堂所山で、まさかこんな騒がしい状況に巻き込まれるとは・・・。

当然その団体も堂所山山頂に向かう。

山頂でゆっくり、本日の目的地である生藤山を見ながら昼飯でも食おうと思っていたのに、これじゃ台無しである。
呪わしい思いで景色を写真に収め、早々に山頂をあとにした。

メシを食おうと思っていたタイミングでメシを食えず、ややシャリバテしながら先に進む。
次に落ち着いてメシを食えそうな場所は、明王峠か。
いや、トレランなのに落ち着いてメシを食っている場合か、と思われる向きもあるかもしれないが、トレランだろうと登山だろうと歩荷だとうろ、メシを食わなきゃ力が出ないんだよ、と。

そんなわけで、11:57、明王峠に到着。

本当ならすでに陣場山に着いていたい時刻であるが、到着できなかったもんは仕方が無い。
一応、13時までに陣場山に到着できなかった場合は、陣場山で下山することにしていた。つまり、リタイアである。情けない。

が、それはそれとして、メシを食おう。
セカセカしていたのでは、せっかくの景色も台無しである。
日差しも柔らかく、それでいて暖かく、絶好の行楽日和だ。

20分ほどかけてメシを食い、再び出発するも、足が冷えて上手く走れない。
まー、仕方が無い。

12:19、「萩ノ丸」という道標が現れる。
あれ、こんなん前からあったっけ・・・?

陣場への道は、快適な尾根道。高尾~陣場で、走って最も気持ちが良いのはこの辺りだろう。

しばらく走ると、いよいよ陣場山の山頂が見えてきた。

12:42、陣場山の山頂に到着。

目指す生藤山もはっきり見える。

とりあえず、タイムリミットの13時まではまだ時間もあるので、ゆずシャーベットを食べることにする。
しかしこれが僕の甘さであり、この山行最大の失敗でもあった。
なんと、シャーベットが固すぎてスプーンが刺さらないのである。

溶けるのを待つうちに、時間は刻々と過ぎていく。でも、シャーベットは溶けない。
なんのゲームだ、これは。

結局、食べ終わるまで20分を要した。
どんだけ悠長なトレランだ。

慌てて和田峠に駆け下りようとするも、階段に足を引っ掛けそうで、怖くてスピードが上がらない。
道の景色は、なんだか初冬のたたずまいで、季節感がおかしくなりそうだ。
新緑よ、はやく芽吹け。

13:13、和田峠に到着。
そこには、20人ぐらいのロードバイクの人たちがいて、大声で談笑していた。
ひとのことは言えないが、自転車でこんなところまで来るとは、ご苦労なことだ。

和田峠でトイレを済ませ、13:16、いよいよ生藤山の登山口を通過する。

林道を入るとすぐ、登山口が現れる。
ここから尾根に上がるまでの間(地図上の距離で200mぐらいか)は、そこそこの傾斜を登る。
つらい。
情けないことに、すでに随分と足にきており、この程度の斜面でも心が折れそうになる。
やはり、露骨に体が衰えている。
2年前なら、高尾~陣場を6時間で往復しても元気だったのに。

やっと尾根に上がると一瞬だけなだらかな場所が現れる。
そこには小さな石祠が設置されていた。

ここから先は、また登ったり、
細い尾根を通ったり、
ちょっと下ってみたり、
などを繰り返す。

高尾~陣場の延長として登り始めたが、なにやら生藤山は山の様子が明らかに違う。
入山者が少ないからなのか、それとも、もはやここは奥多摩ということなのか。

13:36、醍醐峠の分岐に到着。

13:38、またもや分岐が現れる。
醍醐丸への道と、巻き道だ。
もちろん、醍醐丸に向かう。

が、次の瞬間、やっぱり後悔した。
この長い上り坂。もうイヤ。
この先、13:47、醍醐丸に到着。

ここで弱気の虫が、耳元でささやきかけてくる。
「もうここまで来たんだから、いいじゃん。さっきの醍醐峠まで戻って、和田バス停に降りちゃいなよ。そうすれば、1時間もあれば下山できるぜ。」
と。
嗚呼、なんと魅せられる誘いであろうか。
もう疲れたし下山したい。さっさとウチに帰ってビール飲んで寝たい。

が、もんもんとする頭の中とは裏腹に、足は勝手に生藤山へと向かっていた。これが登山者の性なのだろうか。

が、下り始めてまたも心が折れそうになる。
なんという急斜面。
地図じゃ、こんなに急な感じしなかったぞ。

13:55、ようやく巻き道と合流。
ここからも、さらに巻き道が出ているが、ここまで来たらもう意地なので、尾根に向かう。

が、やっぱりすぐに後悔し始める。
登る登る。
もう堪忍しておくんなはれ。

13:59、小ピークに出るものの、
その先はまた急な下りと急な上り。

登り返しが終わると、そこはやたらフラットな尾根。
快適なシングルトラックである。
この先全部こんな感じだったら楽なのに。。。

という願いもむなしく、道はこの先、急な下りとなる。
ここまで、軽い気持ちで来たことを後悔させるには十分な地形である。
完全にナメてた。

14:04、やっとの思いで巻き道と合流。

この先、しばらくはなだらかな尾根道を歩く。
枯れた木々の隙間から、さっきまで自分が居た陣場山が見えた。
あの時は、まさか生藤山がこんなにキツい山だとは想像もしていなかった。オレのバカ。

14:13、山ノ神の分岐に到着。
エスケープするならこれがほぼ最後のチャンスだ。
どうするオレ?!
と、自問自答する心とは裏腹に、すでに足は生藤山に向かっていた。
もう堪忍して。

14:30、なんだか岩っぽい場所が現れる。
その向こうはヤセ尾根。

しばらくは走りやすい道が続くが、
もはや走っているのかヨタっているのか、分からない状態である。

唯一の救いは、天気が良いことだ。
この時期の陽光は、元気を貰える。
そんな日差しを存分に浴びることのできる尾根道だった。

14:48、連行峰に到着。
ここまで来れば、あとはタカが知れている。

などと思ってしまった僕をあざ笑うかのように続く、下り階段。

14:53、なだらかな小ピークを通過し、
尾根道を抜ける。

少し気分が上向いてきたそのとき、茅丸の巻き道との分岐が現れた。(写真は撮り忘れた。)
もちろん、気分が上向いていたので、巻き道なんか行かない。
そして、例によって、すぐに後悔する。
ここに来てこの階段はキツい。
しかも、土が流出してしまっているので、階段というよりもハードルでしかない。

それでもなんとか、15:01、茅丸に到着。
茅丸は、藤野町十五名山なんだそうな。そういうものがあるのを始めて知った。

展望はまあまあ。
納得感のあるピークであった。

が、上りのキツい山は、当然下りもキツい。
嫌な斜面である。

15:04、ようやく巻き道と合流。
残すところは生藤山のピークのみ!

と勇んだ矢先に、今度は肝心の生藤山を巻く道が現れた。
なんだかもう、ピークというピークに巻き道が用意されているな。
ある意味これは、精神修養になる。

もちろん、巻き道など選ばぬ。

が、
巻かない道は、これ。
分岐に立った時点で見えちゃってるの、これが。

斜面が、分岐を見下しておられる。
いや、分岐にたたずみ気持ちが萎えている僕を見下しておられる。

巻き道の誘惑と、巻かない道の困難。
こんな分かりやすく目の前に提示されたら、ツラい。
やはり山は精神修養の場なのだなぁ。


断腸の思いで、巻かない道を登り始める。
きっとこれを上りきれば、そこは生藤山のピークのはず。
がんばれオレ。

って、
これ、小ピークやないかーい!

本当のピークは、この先にある模様。

そしてついに、15:13、生藤山山頂に到着。
生藤山も藤野町十五名山の模様。

ここでしばし、休憩をする。
ゆるやかな日差しが心地よい。
このまま寝てしまいたいという誘惑を振り切り、10分ほどで腰を上げた。

下りは、なかなかのツヅラ折り。

15:26、巻き道と合流。

15:27、上岩というところへの分岐。
この「上岩」というのがどこのことなのかさっぱり分からなかったが、軍刀利(ぐんだり)神社に降りようと思っている僕には関係の無い道だということだけは分かる。

分岐を過ぎると、三国山に向かって登り返し。

そして、15:28、本日最後のピークである三国山に到着。
ここもやっぱり藤野町十五名山。

展望もなかなか。

生藤山よりもこちらのほうが、休憩地としては適している模様。

下山してから調べたところ、読みは「みくにやま」ではなく「さんごくさん」だそうな。
すごい違和感。


さて、ここまで来ればあとは下るだけである。
さっさと下って、さっさと帰ろう。

まずは熊倉山方面へと向かう。

熊倉山への道の途中に分岐があり、それを下るのが軍刀利神社へ降りるには早そうなのだ。

15:34、怪しげな道標。
写真右の道標には分岐について何も書かれていないが、左下の人工物が怪しい。

回り込んでみると、
あー、やっぱりそうだ。

だが、一見すると道には見えない。
直近に人が歩いた気配が無い。
本当にここなのか?

だが、ここしか無さそうなので、行ってみる。
すると、たしかに道ではあるものの、ものすごく細い。
道幅は30cmぐらいだろうか。
しかも、路肩がもろくて、踏み抜きそうで怖い。
走ることは当然自粛。

そんな道を歩くこと15分。分岐が現れた。
この分岐から先は、まともな道になった。
もちろん、展望の無い裏山の道である。
黙々と先を急ぐ。

15:54、軍刀利神社の奥の院に到着。
お参りし、今回の山行の無事を感謝した。

奥の院の目の前には沢が流れ、小さな橋がかかっていた。

また、沢のほとりには、大きなカツラの神木があり、非常に良い佇まいであった。

奥の院からは普通の林道。

巨大な砂防ダムと、
そのすぐそばに立てられた、奥の院への入り口となる鳥居。

15:59、軍刀利神社に到着。
ここでも、無事に下山できたことに感謝を述べる。

軍刀利神社は随分古くからある神社のようで、名前からも連想できるように戦の神様のようだ。
(詳しくはホームページを参照)


この先、ちょっと歩いたところにバス停があるのだが、バスが来るまであと約2時間ある。
さすがに2時間待つのはイヤなので、タクシーで上野原駅まで行くことにした。

3,000円ぐらいで行けるかなと思ったら、5,000円近くかかってしまって、かなりゲンナリ。

こうして久々のトレランは終わった。


最近不完全燃焼で終わることが非常に多かったので、今回は久しぶりにやりきった感のある山行となった。
7月のキタタンに向けて、きっちりと体を作りこんでいきたい。


<今回の教訓>

やはり、「山と高原地図」では地形が分からな過ぎる。
1/25,000の地形図は必須だ。




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