僕の先輩は八ヶ岳を評して、「山のディズニーランド」と言っている。
その心は、あまり広くない山域に、山のあらゆる要素がギュっと詰まっている上に、営業小屋(ディズニーランドで言えば売店や飲食店、さらに、周辺のホテル)がたくさんあるから、ということだ。
たしかに、言われてみれば、南の岩稜、北の樹林帯、それぞれ趣向を凝らした山小屋の数々、文明社会からのアプローチの良さ、そして「八ヶ岳」という名のアミューズなネームバリュー。
どれをとっても確かにディズニーランドだ。
なんとなく、これといった理由も無く行きそびれていただけだが、何故だかわざわざ行く気にもならず、、、
ただ、ある日突然、「全部まとめて行っちゃえばいいんだ!」と思い付き、今回、2泊3日での全山縦走に至った。
今回の行程は、「何を以って全山というのか」というシチメンドクサイことは考えず、とにかく南から北まで歩き通すことを主眼にして検討した。
結果、以下のような予定を立てた。
0日目(9月14日):
仕事を定時で上がって新宿駅直行→小淵沢駅前の宿泊施設に投宿
1日目(9月15日):
観音平→編笠山→権現岳→赤岳→赤岳天望荘
2日目(9月16日):
赤岳天望荘→横岳→硫黄岳→根石岳→天狗岳→中山→丸山→茶臼山→縞枯山→縞枯山荘
3日目(9月17日):
縞枯山荘→北横岳→大岳→双子山→蓼科山→下山
十分に「全山」の名に堪えうるコースではなかろうか。
本当はテント泊で歩きたかったのだが、ちょうどいいところにテント場が無い。
3連休に八ヶ岳の小屋泊まりではきっと混むだろうなぁと憂鬱になったが、背に腹は代えられず、小屋泊まりでの山行とした。
こういうときに出動するザックであるホグロフスのマトリックス70。今回も登場だ。
たかだか2泊3日の無雪期小屋泊縦走に何故こんなデカいザックを使うのかといえば、山以外での移動を全てサンダル履きでおこなうため、その際にザックに登山靴を詰め込んでしまえるようにである。
ただ、デカいザックの欠点は、やはり、油断して荷物をたくさん持ちすぎることである。
今回の山行では、1日着た服は一切、アンダーウェアも含めて翌日には着ない(つまり、全部着替える)という贅沢をしたにもかかわらず、下山後に日帰り温泉に入った後になっても、Tシャツ2枚、長袖Tシャツ1枚、パンツ(ズボンではなく下着の方)1枚が余った。
UL(ウルトラライト)系の人が聞いたら卒倒しそうな無駄である。
さらにその他に防寒着なども手厚く準備していたため、70リットルのザックの約半分は被服が占めるという無茶苦茶な装備になってしまった。
ちなみに、去年の同時期に行った2泊3日のテント泊は60リットルザックで乗り切っている。
だが、今回に関しては、無駄は無駄として反省しつつも、余裕のある大きなザックで行っておいて良かったと心から思うことになった。(詳しくは後述。)
もちろん、北八ヶ岳あたりにはたくさん居るであろうクマに対する警戒のために、熊避けスプレーも右腰にぶら下げている。(ちなみに、八ヶ岳に限らず、そんな人は自分以外に見かけたことはない。)
そんなわけで、八ヶ岳全山縦走の振り返りをこの場を借りて粛々とおこなっていきたいと思う。
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