埼玉県毛呂山町で行われる「第2回 RaidLight新緑の奥武蔵もろやまトレイルラン」に出場するために、池袋から東武東上線に乗って、坂戸駅で越生線に乗り換えるはずだった。それが、うっかり車中で寝てしまって、目が覚めると妙に社内が空いていた。池袋を出たときにはトレイルランナー風の乗客がチラホラいたのに、それが誰一人いなくなっている。
と同時に、電車が止まりドアが開いた。
見ると、「ひがしまつやま」の表示。
あー、、、寝過ごした。。。
慌てて下車して、反対側のホームに移動。
そもそも、前日の夜まで、このレースへの出走は迷っていた。
右足首の捻挫後、足首の可動域が極端に小さくなっていて、横方向の負荷がかかると痛みを強く感じる状態が続いている。
しかも、天気予報は雨。滑りやすくなったトレイルで、この右足首で踏ん張りがきくとは思えない。
寝過ごしてしまったのは、このまま出走を回避しろというお告げなのではないだろうか。
が、結局、会場に向かう。
越生線の東毛呂駅に着くと、改札のすぐ近くで送迎バスがスタンバイされていた。
さっそく乗り込むが、空模様はすっかり雨。
車中でバナナを食べ、鎮痛剤を飲む。鎮痛剤を使うと、痛みは軽くなるが、不具合が発生した時に体が出すシグナルに気付けなくなる恐れがある。でも、飲まなかったら多分無理。
家を出る前に非伸縮タイプのテーピングで右足首を固めてあるのでいくらかマシだったが、やはり薬に頼らざるを得ない気持ちだった。
会場に着くと、雨をモノともせずに、ランナーたちが集っている。
出発までは傘をさしててもいいんじゃないかと思うが、誰も傘をさしていない。
受付を済ませ、先に到着していた仲間が3人と、その応援の奥様方2人と合流。
到着が遅くなったので、開会式を脇目に準備をすることに。
開会式が終わると、スタートラインへ。
幅4m程度の路上にひしめき合うランナーたち。
この大会はコースに林道や舗装路も多く、高低差もさほどではないためか、ロード用のシューズで参加している選手も多く、また、ハイドレーションを装備している選手は少数派だった。
そんななか、僕の目の前に並んでいたご年配のランナーは、ザックのメッシュポケットにマルハンの田楽みそチューブを装備しており、度肝を抜かれた。これは、途中のエイドでおでんが提供されたとき(いや、提供されるかどうか知らんけど)のための装備なのだろうか。
一方僕は、ハイドレーションに水1リットル、CCDを溶かした水をペットボトルに500ml、雨具上下、ポケットティッシュ3つ、アミノバイタル(ジェルタイプ)1つ、ヘッドライト、レスキューシート、地図、コンパス、財布、ケータイ2コ、その他救急グッズ少しをTempo 8に詰め込んで背負っていた。
やりすぎの感もあるが、キタタンではもっと装備が重くなると思うので、これぐらいは背負っておかなければなるまい。
そして、10:00。
スタートの合図。
狭い道にひしめき合っているので、のろのろとスタートする。
スタート直後は、片側一車線の道をバラけて走る。
これが次第に上り斜面に変わっていく。
この先、鎌北湖の北岸を抜けてさらに進む。(鎌北湖は鮒の匂いがした。)
ついに舗装路は車線の無い道になる。斜度もぐっとキツくなる。
その先すぐに、砂利道となる。
砂利道に入ってすぐに、トレイルへの入口が現れ、その手前には第1エイドが設けられていた。
ここですさまじい渋滞。
近付くとこんな感じ。
第1エイドでは、水とアクエリアスが提供されていた。
ここでの渋滞を引き起こしているのは、道幅の狭さと急登だ。道幅は、追い越すどころかすれ違いもキツイんじゃないかというような幅。やむを得ないので、黙々と前の人に続いて登る。
急登はすぐに終わり、それに伴って渋滞も少し解消される。
このコースは非常に緩やかなトレイルが多く、走りやすい場所が多い。
それでいて道幅は狭いので、のんびりしていると自分が渋滞の原因になってしまう。
が、右足首にきを使いながらなので、そういう時には脇に避けるという作戦で、マイペースで進む。
スタートして1時間弱、写真を撮っていたら後続のピカチューに抜かされる。
ピカチューというか、頭部は中の人が丸見え状態。
暑かったのだろう。
この急登の向こうに一本杉峠がある。
この写真中央が一本杉だそうで。
左側に紛らわしい踏み跡(登山道か?)があったが、画像中央下のルート表示で迷わずに済んだ。
この後も非常に丁寧にルート表示がされており、判断に迷った分岐は1箇所だけだった。
この大会全体として、非常に丁寧な運営で、好感が持てる。参加費安いのに、驚きだ。
この峠の向こうは下り坂なのだが、途中で急な箇所が1箇所あり、ロード用のシューズで参加しているランナーが思いっきりブレーキになって渋滞を引き起こしていた。
山を舐めるのは勝手だが、渋滞を引き起こすのはカンベンしてくれ。。。こっちは下りで巻き返す作戦なんだから。。。
そう、僕はフィジカルが弱い。もちろんメンタルもだが。
なので、その弱いフィジカルと弱いメンタルをカバーするためには、何らかの作戦が必要になる。
それが、「登りはガマン、下りで飛ばす」だ。
登りは普通に歩くだけでも心拍数が上がる。走って登ると、心拍数はもっと急激に上がる。その割に、スピードは上がらない。だから、登りではできるだけスピードを落とさずに早足で歩く。つらくても我慢して、ペースを落とさないように歩く。
下りは、足の着き方と回転数がコツだと思っている。できるだけ筋肉へのダメージが少なくなるように歩幅を小さくしながら、回転数を上げてスピードを保つ。(この練習をしていて先月捻挫したのだが、、、)
そんなわけで、焦れながら下る。
下りきると、そこには第2エイドが。(ここは第1エイドと同じ場所の模様。)
ここでは、水、コーラ、アクエリアスの他に、グレープフルーツとバナナが供されていた。
ありがたくグレープフルーツをいただく。
このエイドで、ピカチューを抜かす。
しばらく砂利道を走る。
道端にはお花畑も。
再びトレイルに突入。
が、わりとすぐに再び砂利道に出る。
第3エイドはユガテという場所にあった。
ここでは、給食の種類が一気に増えた。
ユガテは、数少ない(全部で4箇所の)トイレポイントの1つだ。
ただし、男女兼用で、小便器1つ、個室2つという小規模なトイレなので要注意だ。といっても、この時点ではもはや、行列ができるほどダンゴにはなっていない。
トイレの向かいには、大変立派なツツジが花を咲かせていた。
この先すぐに、急登が現れる。
急登はここが最後で、あとは急な上りは無い。
登りきって、のんびり下ってのんびり上ると、北向地蔵に至る。
北向地蔵の横にはアスファルトの道が通っているが、その道は使わずトレイルを南下。
そのまま下っていくと、間もなく舗装路に出る。民家もチラホラ。
そんな民家の生垣がエライことになっていて、すさまじく立派な花を咲かせていた。
花の名前は分からなかったけれど、非常にキレイだった。
そのままアスファルトを下る。
アスファルトの下りは足に来る。ツライ。
すぐに第4エイドに到着。
このエイドでは、フルーツポンチやお粥が供されていた。すごい。
そのお粥も、白粥でなく、なんらかの味付けがされていそうな色だった。
お粥にも興味があったが、フルーツポンチをいただく。
ここから、トレイルに入る。ゆるやかな上り坂。
登りきると急に現れる「馬頭観音」の碑。観音はどこにおわす??
その後、また別な尾根道に出ると、鋭角に左折する。
これはコース表示が無かったら確実に外れてた。
この尾根道に、残り15kmの表示。
その先には、再び北向地蔵。
さっきはこの反対側を通った。
ここから北東に向かって下る。
ガンガン下る。下りこそ勝負のポイントだ。
が、右足首が悲鳴を上げる。鎮痛剤飲んでも、痛いものは痛い。
それでも可能な限り飛ばした。
すると、急に視界が開け、ツツジだらけの斜面が目に飛び込んできた。
すごい。
いったい何だろうと思ったら、正面には鎌北湖レイクビューホステルがあった。
ということは、園庭みたいなものか?
この鎌北湖レイクビューホステルのすぐそばに最後のエイドがあった。(写真は撮り忘れた。)
この最後のエイドはコトのほか充実していて、ドリンクは
- コカ・コーラ
- アクエリアス
- ファンタオレンジ
- ファンタグレープ
- 水
という5種類。
そして食べ物は、
- グレープフルーツ
- バナナ
- トマト(!)
- おにぎり
という充実ぶり。
特にトマトが美味しかった。
エイドの先は、偽木の階段を上る。
右足首に気を遣って、結果として体力を温存することになってしまったので、まだまだ余力がある。
なので、ぐいぐい登った。
登りきると、今度は偽木の階段を下った。
雨が降って濡れた偽木は、非常に滑る。とても怖い。
怖いけれども、どんどん先行するランナーを追い越す。怖い怖いと思いながら追い越す。
捻挫した時もそういうテンションだったなーと、自省した。
その先、今度は嫌がらせのように石畳のルートに至る。
濡れた石畳は、ものすごく滑る。
石畳の横には渓流が流れていてステキなのだが、とにかく滑る。
しかも、微妙にアップダウンがあって、余計に滑る。
恐怖の時間だった。
石畳が終わると、ついに最後のアスファルト区間。このままメイン会場である毛呂山総合公園まで、残り1km少々の道を走る。
が、ここにきて足が止まる。
僕が履いていたスポルティバのWildcat2.0は、ソールが非常に硬い。このため、根っこや岩などの突き上げに対しては非常に有効なのだが、アスファルトを走るのが非常にしんどい。極端なことをいえば、登山靴のソールで走っているようなものなのだ。
途中、ついトボトボ歩いてしまう。
最後の700m程度は、右足首を壊さない程度に頑張って走った。それでも右足首が悲鳴をあげている。朝飲んだ鎮痛剤の効果が覚めてきちゃったかな・・・。
ゴールでは先にゴールしていた仲間たちが出迎えてくれた。
ゴール後タイムを聞いてみると、どうやら僕は1時間も待たせてしまったらしい。。。
正直、現在の右足首の状態と、それに伴ってのトレーニング不足の中で無事ゴールできるとは思っていなかったが、かなり余力を残してのゴールにほっとした。
ここからコンディションを整えて、キタタンの完走を目指したい。
走り終わってみて、この大会は非常に良く気配りがされており、素晴らしい運営能力だと思った。
コースも、この地味な里山を上手くつなげて、ある程度変化に富んだコース作りがなされているなぁと。初心者でも無理なく走れる区間も多く、楽しい大会であるという印象を持った。
お疲れ様でした。またどっか走りに行きましょう。
返信削除おつかれさまでした!
削除毎度ゴールでお待たせしてしまってスミマセン。。。
是非、また、トレーニングもキタタンもよろしくお願いします!