このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2013年4月6日土曜日

2013年春 大型ザック事情

春が来た。

各社の新作ザックが店頭に並び始めたので、例によって気になるモデルを試してきた。
といっても、あくまでお目当ては70リットル以上の大型ザック。

なお、ここで述べている着用感は、あくまで身長166cm、体重60kg弱の僕が試してみての印象なので、すべての人に当てはまることではないということだけ、ご諒解いただきたい。


<ホグロフス>

LEX 110 が何よりもインパクト大。110リットルのサイズ感に負けないシッカリした作りながら、本体重量は3,600g 。グレゴリーの60リットルクラスのザックの重さを考えれば、110リットルでこれなら軽いものだろう。
実際、本体の素材は普通のナイロンじゃなく、薄くて強度のある素材の模様。

詳細はオフィシャルサイトに譲るが、びっくりしたのは雨蓋の容量。随分デカいなぁと思って見ていたら、なんと20リットルだそうな。しかもこの雨蓋、取り外してデイパックとしても使えるという。
20リットルと言ったら、日帰り登山ぐらい余裕でできてしまうわけで、ベースキャンプから日帰りで山行なんていう使い方もできる。とても惹かれる。

本体の形としては、「太い」というのではなく、「高い」といった感じ。
同じ110リットルでも、モンベルのスーパーエクスペディションパック110 は「太い」感じだが、LEX110 は太さで容量を確保するのではなく、本体を長くして容量を確保している感じで、しかも、下に長いのではなく、上に長い印象を持った。なので、実際に背負ってみると「高い」という感じ。登山道に枝が張り出しているようなところを歩く際にはちょっと苦労しそうだ。また、これを背負ったまま倒木の下をくぐるのは、おそらく無理だろう。
また、上に長いわりに、パッと見では本体下部がシュッと細くなっているように見えるのでバランスを心配したが、実は本体下部にはマチがあり、マチをフルに使ってパンパンに荷物を詰めた場合には、比較的寸胴な形になるようだ。

ショルダーハーネスやウェストハーネスは固くてしっかりしたものだが、OXOのようにやたら固くて分厚いというものでもなく、必要十分ではなかろうか。実際に30kg以上の荷物を詰めて試してみたいところではある。

サイズは1サイズだが、背面長はベロクロで調整する仕組みになっているので、僕のような小柄なタイプでもしっかりとフィットさせることができた。

このLEXシリーズには、110リットルの他に80リットルのタイプもあるが、このザックの本領を発揮するのは110 のほうに違いない。80リットルクラスにこの仕様は、オーバースペックな気がする。

なお、僕は同社のMATRIXシリーズの70リットルを愛用しているのだが、今年からMATRIXシリーズは60リットルまでしか展開しなくなってしまった。
正直、70リットルをパンパンにすると、MATRIXのショルダーハーネスやウェストハーネスは華奢すぎて心もとなかった。そこを考えると、70リットルの廃番化はやむを得ない判断なのかもしれない。


<オスプレー>

オスプレーのハイエンドモデルであるアルゴンが、この春から廃番になり、その後継としてジーニスというシリーズが登場した。その最大容量モデルが、105リットルである。(その他に、88リットルと75リットルのモデルがある。)

店頭に105リットルが無かったので、88リットルタイプを背負ってみたのだが、アルゴンとはまた違った背負い心地だ。というか、アルゴンの後継と言いながらも、仕様は全く異なる。別物と考えるのが良さそうだ。

昨年、イーサー85で28kgほど担いだところ、ハーネスがヘタってしまった経緯があるのだが、ジーニスの推奨重量22~36kgなので、荷物の多い僕でも安心の設計だ。
実際、ショルダーハーネスやウェストハーネスの造りもしっかりしていて、ちゃんと負荷を軽減してくれそうだ。

サイズ展開はMとLで、僕はMでちょうど良かった。
今僕が使っているイーサーもMサイズでちょうどなので、背面長の仕様は変わっていないようだ。

なお、アルゴン110が44,100円だったのに対して、ジーニス105は35,700円。ものすごくお財布に優しい。モンベルのスーパーエクスペディションパック110 は2万円なので、もっとお財布に優しいが、僕としてはジーニス105に心が傾く。
なお、ホグロフスのLEX110 は5万円以上するので、お財布との折衝がなかなか難しい。


<アークテリクス>

アークテリクスの名品 Bora95 がこの春で廃番になってしまった。。。
フロントに付いた大きなポケットが、アイゼンだのゲイターだのを入れておくのに便利で、素材も冬山に堪えうるタフなものだったのだが、昨今の軽量化の煽りを喰らってか、後継モデルにその座を譲った。
その後継モデルというのが、ALTRAシリーズだ。
なのだが、最大容量は85リットル。形も、アークテリクスらしい細長い感じではなく、やや寸胴な感じ。うーん、あんまり食指が動かないなぁ。高いし。


<ザ・ノースフェイス>

この春、マティスクレスト72 というザックが発売された。
昨年あったエルロボシリーズは、廃番になった模様。
エルロボのウリは、がっちりサポートする固めのハーネスだったのだが、マティスクレストはその対極を行くような軽量化モデルだ。
と思ったら、本体重量が2.5kgもある。僕のマトリックス70は1.7kgしかないのに。
で、2.5kgもある割に、ショルダーハーネスがものすごく薄い。果たして、この貧弱なショルダーハーネスで70リットルの荷物を支えられるのだろうか。支えられるとしたら、このショルダーハーネスは肩の動きに対する干渉が少ないので、とても良い。

ウェストハーネスは、よくある普通の70リットルザックぐらいの固さ。あまり個性は感じない。
ただ、背面の腰に当たる部分にパットがあり、これがウェストハーネスのフィット感を高める効果があるようだ。が、僕の骨盤の形にはフィットしなかった。無念。

また、同じく今年からのモデルで、コンネスシリーズがある。コンネスシリーズの最大容量モデルは82リットルだ。
本体重量もマティスクレストとそう変わらないし、造りもあまり違いを感じられないのだが、それぞれどういう用途で使い分けることを想定しているのだろうか。
ちょっと分からない。



<結論>

マトリックス70、バルトロ75、イーサー85を持っている僕としては、次に買うとしたらやはり100リットル超のサイズだろう。
となると、お金があればホグロフスのLEX110、現実的にはジーニス110といったところか。
うーん、悩む。。。



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