ここ1ヶ月以上、体調が悪くて、トレイルどころか平地すら走れていない日々が続いている。
日常生活や日帰りトレッキング程度なら大丈夫なのだが、走るとなるとキツイ。
そんな状態なのに、野麦峠スキー場で5月24日に開かれたトレランのレースに出場した。
といっても、たかだか10マイル(16km)のレースなので、なんとでもなるだろうとタカをくくっていた。
だが、現実はそんなに甘くない。
前日の夜、松本のビジネスホテルに泊まり、当日慌てなくて良いように準備万端。
会場に着いたのは10時だった。
乗鞍の先っちょだけが見えていた。
天候は快晴。日差しも強く、気温も高い。
熱中症に気をつけねば。
スタート/ゴールのゲート。
ここからゲレンデがひたすら伸びている。
これを直登するのか・・・?
スタートまで時間があるので、いったん会場を離れ、車で10分のところにあるお店までソバを食べに下りる。
思えば、これが良くなかった。
11:30、会場に戻ると、ちょうど開会式が始まるところだった。
ゆるーい感じの開会式が終わると、スタート地点に移動。
みんなでカウントダウンをして、ゼロと叫んでスタートする。
ゲレンデを直登するのかと思いきや、ゲレンデ脇に付けられた作業用の砂利道がルートだった。
砂利道は大嫌いだ。
スタートしてすぐはいつものペースで走ったのだが、500mも行かないうちに異変を感じた。
明らからにお腹が重い。
そして、さっき食べたソバが込み上げてくる。
うぇっ。
こんな状態、ここ5年以内の記憶には無い。
おそらく腹筋が衰えて、胃袋が揺れるのを抑えられない状態なのではないか。
未消化のソバが入った胃袋は、いまの僕の腹筋には荷が重すぎるということか。。。
なんと情けない。
幸い、吐き出すまでには至らなかったが、1km地点のはるか手前で走れなくなり、歩き出してしまった。
このコンディションでは、リタイアもやむを得ないかもしれない。
ちなみの、この大会は過去3回行われ、そのいずれもが100%の完走率だそうだ。もし僕がここでリタイアすれば、大会史上初のリタイアという汚名を押し頂くことになる。できればそれは避けたい。
朦朧としながら斜面を上り、砂利道を抜けるとゲレンデに出た。
ここらから、ゲレンデを登ることになる。
開放感はあるが、日差しを遮るものが何も無いので暑い。
少し登ると、背後には乗鞍の全容が見えてくる。
この時点ですでに、僕はランナーであることを諦め、トレッカーになることにした。
森林浴と風景を楽しみながらの行楽にシフトチェンジ。
タイムさえ気にしなければ、トレイルランニングの楽しみ方は様々なのだ。
3km地点の少し手前で第一エイド。
食べ物は、赤かぶの酢漬け、野沢菜、バナナが用意されていた。
この赤かぶの酢漬けは、甘酸っぱい味わいが疲れに効く逸品だった。
3km地点。ゲレンデをひたすら登り続ける。
コース脇にはフキノトウ。
食べるにはちょっと育ちすぎ。
3km地点を過ぎてからは、ところどころに雪が残っていた。
ようやくこのレースコースの最高到達点が見えてきた。
最高到達点には、地味な道標。
写真は撮らなかったが、この上にもゲレンデはある。
来年あたりはあの上のゲレンデまでコースになっちゃってんじゃないか、という気もする。
ここからは、乗鞍がはっきり見えるものの、リフトが邪魔。
下り始めると、真正面には御嶽山。
ゲレンデを下り始める直前には、穂高方面が見えてくる。
乗鞍も。
ゲレンデを下りるところでは、スキーの大回転用のポールが立てられており、まさに大回転のようにポールの外側を縫うようにジグザグに下りる。
これをちゃんとやらないと、5分のタイムペナルティが与えられるというルールになっている。
これは、安全上の理由からの、直滑降をさせないための施策なんだだそうな。
ゲレンデは、茎の固い植物を刈り取った跡がところどころにあり、うっかり勢いをつけて踏んでしまうと踏み抜いてしまいそうで怖い。
足元に注意してさらにゲレンデを下りると、やたら見晴らしの良い場所にでる。
その先には、スタート地点に向かうゲレンデが見下ろせる場所。
スタート地点が、第2エイド。
ここには、飲用の水だけでなく、掛ける用の水もあり、ドンブリで掛けてもらえる。
まさに生き返る瞬間だ。
一応コースマップでは、ここから先は比較的なだらかなトレイルが続くようなことが書いてあった。
ただ、やはりトレイルをつなぐために、多少のアスファルトもある。
ただ、アスファルトの部分はそれほど続かず、すぐにトレイルに入る。
快適なフカフカのトレイルで、気分が上向く。
トレイルに入ってすぐ、山小屋のようなものの前を抜ける。
そしてまた少しだけアスファルトを通り、
すぐにまたトレイルに入る。
トレイルに入って間も無く、8kmの標識。
てっきりスタート地点が8km地点だと思っていたので、激しくショックを受ける。
謎の構築物の横を抜け、
このコースの最低到達点へ。
この地点にはトイレもある。
が、「トイレがあるなぁ」と思って見ていたら、係のジーチャンが、
「ちっこじゃねぇ、そっちだ、はやく行け!」
と、やたら急かす。
わかってるって!
ここからしばらく、トレイルというよりも公園道っぽいルートにはツツジが多数咲いていた。
紫のツツジは満開だったが、
赤いツツジはつぼみだった。
種類が違うんかな?
公園道をしばらく進むと、今度は謎の遊具をくぐって、
シングルトラックのトレイルに入る。
このトレイルに入るとすぐに9km地点。
9km地点から振り返ると、こんな感じ。
やや泥濘んだ場所が現れる。
そのすぐ先で、係のオッチャンが立っているすぐ足元に、若いシダが生えていた。
この写真を撮っていたら、
「そんなもんより、こっちのほうがいいぞ」
と、係のオッチャンが声をかけてくる。
見ると、ウドだ!
ウマそうだなぁ。
でも、山菜採りのヒマはないので、写真だけ撮って先を急ぐ。
その先で砂利の林道にニアミスするも、その林道には入らず再びトレイルへ。
10km手前ぐらいだろうか、第3エイドが現れる。
エイドスタッフは松本大学のハッピを着ていた。
メニューは他のエイドと同じ。
水を2杯と赤かぶを頂く。赤かぶウマイ。
エイドを過ぎるとすぐに砂利の林道に出た。
この砂利道、少しだけ上り坂になっていて、ダラダラ続く。
暑い・・・。
やっと砂利が終わってトレイルに入ったと思ったら、
ツヅラ折りで斜面を登る。
「わらび牧場」の看板に反して、ワラビの姿は全く見当たらない。
時期的な問題なのだろうか。
このツヅラ折の上で、若い係員の人が
「ここで登りは終わりです。あとはほとんど下りです!」
と声を張り上げている。
コース地図らか考えてもそんなわけあるまい、と思いながらも、がんばって励ましてくれていることに対してただただ感謝である。
その若い係員の50m程度先が11km地点。
ここからは気持ちの良い雑木林が続く。
シラカバ、ブナなどの樹林で、植生も豊かだ。
思えば、おそらくこのコースで最も気持ちの良い区間だろう。
この気持ちの良いトレイルに、12km地点があった。
13km地点を過ぎてすぐに、開けた場所に出る。
第2エイドを過ぎてからご無沙汰だった雪の峰が見えた。たぶん穂高だ。
この先で、少しのアスファルトコースを経て、
なぜか急登のトレイルに再び入る。
急登はそれほど長くなく、その後すぐに下り基調となる。
比較的ジメジメした道だった。
下りきったところで、美しい沢沿いを通り、
そして渡渉。
この渡渉後は、道が泥濘み、走れない場所が多くなってきた。(写真は15km地点)
3月の高尾山より泥濘んでいた。
ただし、それも登り返すうちに地面が乾いてくる。
登りつめると、見覚えのあるアスファルトの道路に出た。
ここまで来れば、ゴールはすぐそこだ!
と、喜び勇んで走って行ってみたら、なんとコースはゴールゲートの脇をすり抜け、再びゲレンデへ。
なんだこりゃ!
そして、ある程度の高さまで登ったところで、折り返すようにゴールゲートへ。
疾走してゴールするという演出なのだろうか。
何はともあれ、無事にゴールできた。
ゴールゲートをくぐったところで、レースディレクターの栗原さんと握手。
こういうところが、アットホームな手作りレースっぽくて良い。
完走証をもらうと、そこに印刷されている実行委員長の名前に目を奪われる。
なんと、フルネームが「亘亘」。
昔、ミサキという名前の同級生(♀)が、
「キャプ翼の岬くんと私が結婚したら、ミサキミサキだー(はーと)」
なんて言ってたが、それを地でいくような人が居ようとは。。。脱帽である。
帰路、松本駅から見た夕暮れの常念岳は、いつもと変わらぬ姿をして屹立していた。
いまの自分は、あの常念岳に向かって胸を張れる状態ではない。
今回のレースでは、最初の3kmではリタイアを覚悟したもののなんとかゴールできて、レース史上初のリタイア選手という汚名だけは避けることができた。
だが、現時点でこの状態では、とてもじゃないが7月上旬のキタタンまでに仕上げられそうにない。
非常に残念だが、キタタンはキャンセルをすることにする。
果たして、フィジカルの弱い自分が納得のパフォーマンスをできるようになる日は来るのだろうか。
このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。
2014年5月26日月曜日
2014年5月25日日曜日
ヒマラヤの入山禁止の山104座が解放された!
ヒマラヤで入山が禁止されていた山104座が解放された。
100超のヒマラヤ未踏峰を開放 ネパール(CNN)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140523-35048365-cnn-int
もちろん、これで全ての山が解放されたわけではないが、ほとんどが未踏峰のようだ。
どうせ2、3年で全部登られちゃうんだろうなと想像するが、それでもアルピニズムの夢が広がる話だ。
竹内洋岳さんは動くのかな?
100超のヒマラヤ未踏峰を開放 ネパール(CNN)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140523-35048365-cnn-int
もちろん、これで全ての山が解放されたわけではないが、ほとんどが未踏峰のようだ。
どうせ2、3年で全部登られちゃうんだろうなと想像するが、それでもアルピニズムの夢が広がる話だ。
竹内洋岳さんは動くのかな?
2014年5月18日日曜日
山行記 : 2014年5月18日 御岳山 新緑のロックガーデン
最近仕事に悩みを抱えている同僚が、山に連れて行ってくれと言ってきた。
連れて行くのはいいのだが、山用の装備を一つも持っていない人なので、スニーカーでも行けるピクニックルートに行くことにした。
というわけで、行き先は御岳山のロックガーデン。
ロックガーデンは今年の大雪の影響で立入が長いこと禁止されていて、ゴールデンウィークにやっと解禁された。
つまり、まだ立入が解禁されて間もないのだ。
楽しみである。
11:20、ケーブルカー滝本駅を出発。
ケーブルカーを降りて、展望台へ。
最高の見晴らし。
写真では再現できていないが、スカイツリーも筑波山も春霞の向こうに見えていた。
藤棚も最盛期。
そこから、御嶽神社へ。
犬用のお祓いもしてくれる神社なので、大型犬から小型犬までいろいろな犬が飼い主に連れられてやってきていた。
当然、手水舎も犬用のひしゃくが置いてある。
御嶽神社からの見晴らしも、なかなかのもの。
ここから、長尾平の展望台へ。
長尾平展望台への分岐にある長谷川恒男碑を見て、いつになったら僕はハセツネに出場できるのだろうかと、残念な気持ちになる。
長尾平の茶屋の前は、ランチ休憩の登山客や観光客で混雑しまくり。
そんな混雑を避け、展望台へ向かう。
12:08、長尾平展望台。
ここでランチ。
たっぷり時間をかけて。
13:00、重い腰を上げて、七代の滝へ向かって急坂の登山道を下る。
道々、白い花が目を楽しませてくれる。
名前は分からない。イチリンソウか? こんな葉っぱだっけ?
13:22、七代の滝に到着。
水量はソコソコ。
やっぱりここも混んでいる。
早々に登り返し、ロックガーデンへ向かう。
13:30、天狗岩に到着。
当然登る。
天狗と青空。
天狗岩からロックガーデンに下る途中には、ラショウモンカズラ。
ロックガーデンは、この時期独特の新緑と木漏れ日。
そう、今日はこれを見に来たのだ。
渓流と岩と新緑と陽光。
14:10、綾広の滝に到着。
ここから、御岳~大岳をつなぐ幅の広い登山道を御岳山方面に歩く。
そう、今日はこのままケーブルカーまで戻って下山するだけ。
途中で、天狗の腰掛杉の鞍部に登る。
ここからは、川苔山や鋸山方面がよく見える。
ここから、御岳山を北側に巻くルート「神苑の森」コースを歩く。
道幅はかなり狭く、完全なシングルトラック。
それだけに草木が身近に感じられる素敵なルートだ。
このルートは、「山と高原地図」の2010年度版には記載されていないが、2012年度版には記載されている。おそらく新しい道なのだろう。
道をたどると、御嶽神社の階段の横に出た。こりゃ楽でいい。
15時ごろ、ケーブルカーの駅に到着して終了。
たまにはこういう緩い山歩きも良いものだ。
山にいる時間よりも交通機関での移動のほうが長いというのが玉にキズだが。。。
連れて行くのはいいのだが、山用の装備を一つも持っていない人なので、スニーカーでも行けるピクニックルートに行くことにした。
というわけで、行き先は御岳山のロックガーデン。
ロックガーデンは今年の大雪の影響で立入が長いこと禁止されていて、ゴールデンウィークにやっと解禁された。
つまり、まだ立入が解禁されて間もないのだ。
楽しみである。
11:20、ケーブルカー滝本駅を出発。
ケーブルカーを降りて、展望台へ。
最高の見晴らし。
写真では再現できていないが、スカイツリーも筑波山も春霞の向こうに見えていた。
藤棚も最盛期。
そこから、御嶽神社へ。
犬用のお祓いもしてくれる神社なので、大型犬から小型犬までいろいろな犬が飼い主に連れられてやってきていた。
当然、手水舎も犬用のひしゃくが置いてある。
御嶽神社からの見晴らしも、なかなかのもの。
ここから、長尾平の展望台へ。
長尾平展望台への分岐にある長谷川恒男碑を見て、いつになったら僕はハセツネに出場できるのだろうかと、残念な気持ちになる。
長尾平の茶屋の前は、ランチ休憩の登山客や観光客で混雑しまくり。
そんな混雑を避け、展望台へ向かう。
12:08、長尾平展望台。
ここでランチ。
たっぷり時間をかけて。
13:00、重い腰を上げて、七代の滝へ向かって急坂の登山道を下る。
道々、白い花が目を楽しませてくれる。
名前は分からない。イチリンソウか? こんな葉っぱだっけ?
13:22、七代の滝に到着。
水量はソコソコ。
やっぱりここも混んでいる。
早々に登り返し、ロックガーデンへ向かう。
13:30、天狗岩に到着。
当然登る。
天狗と青空。
天狗岩からロックガーデンに下る途中には、ラショウモンカズラ。
ロックガーデンは、この時期独特の新緑と木漏れ日。
そう、今日はこれを見に来たのだ。
渓流と岩と新緑と陽光。
ここから、御岳~大岳をつなぐ幅の広い登山道を御岳山方面に歩く。
そう、今日はこのままケーブルカーまで戻って下山するだけ。
途中で、天狗の腰掛杉の鞍部に登る。
ここからは、川苔山や鋸山方面がよく見える。
ここから、御岳山を北側に巻くルート「神苑の森」コースを歩く。
道幅はかなり狭く、完全なシングルトラック。
それだけに草木が身近に感じられる素敵なルートだ。
このルートは、「山と高原地図」の2010年度版には記載されていないが、2012年度版には記載されている。おそらく新しい道なのだろう。
道をたどると、御嶽神社の階段の横に出た。こりゃ楽でいい。
15時ごろ、ケーブルカーの駅に到着して終了。
たまにはこういう緩い山歩きも良いものだ。
山にいる時間よりも交通機関での移動のほうが長いというのが玉にキズだが。。。
購入 : Mountain Hardwear(マウンテンハードウェア)のマナスルTシャツ
地球上の8,000m峰で、日本人が初登頂した山といえばマナスル。
そのマナスルがTシャツとなって、マウンテンハードウェアから発売された。
それが、これだ。
なんだこりゃ。。。
お店のスタッフさんに聞いたところ、アルティテュードジャンキーズというアメリカの先鋭的な登山ガイド集団とのコラボTシャツで、そのガイド集団の人がデザインしたらこんなふうになってしまったとのこと。
これじゃ浅草あたりのお土産Tシャツだよ。涙
一応、腰のあたりにコッソリと英語で、「マナスル:1956年に日本人によって初登頂された」みたいなことが書いてある。
これで4,900円(税抜き)。
いったい誰が買うんだ?
オレは買った。
ちなみに、生地はポリエステルの速乾タイプ。
実際に山で使ってみたが、さすがに乾きが早かった。
今年はこれで北アルプスを歩いてみよう。
後ろ指さされながら。
そのマナスルがTシャツとなって、マウンテンハードウェアから発売された。
それが、これだ。
なんだこりゃ。。。
お店のスタッフさんに聞いたところ、アルティテュードジャンキーズというアメリカの先鋭的な登山ガイド集団とのコラボTシャツで、そのガイド集団の人がデザインしたらこんなふうになってしまったとのこと。
これじゃ浅草あたりのお土産Tシャツだよ。涙
一応、腰のあたりにコッソリと英語で、「マナスル:1956年に日本人によって初登頂された」みたいなことが書いてある。
これで4,900円(税抜き)。
いったい誰が買うんだ?
オレは買った。
ちなみに、生地はポリエステルの速乾タイプ。
実際に山で使ってみたが、さすがに乾きが早かった。
今年はこれで北アルプスを歩いてみよう。
後ろ指さされながら。
2014年5月14日水曜日
山行記 : 2014年5月11日 両神山 八丁尾根ピストン
2週間前に両神山に行ったのは、今回のための下見だった。
というわけで、会社の同僚と3人で両神山の八丁尾根をピストンしに行ってきた。
(ルートについては、2週間前の山行記をご参照ください。)
目的はあくまで、今年の夏に剱岳の別山尾根を安全に登るためのトレーニングである。
装備は、万が一のことを考えて、20mのお助けロープ、ハーネス、エイト環、アッセンダーなどの登攀具や、ツェルトなどのビバーク用具を持った。
ソロならもっといろいろ簡略化するのだが、仲間を連れてきている以上、万が一の事態に対する対策は怠れない。
結局今でも赤岩橋までしか自動車は入れず、7:25、赤岩橋から歩き始める。
赤岩橋では、2週間前に満開だったヤマザクラもすっかり葉桜となっていた。
上落合橋までも舗装路は、2週間前とすっかり風景が変わっていた。
第一に、ツツジの花がすっかり散っていた。
その代わりに、春の低山とは思えないほど濃い蒼の空をバックに新緑が目に鮮やかだった。
なんだか、奥多摩の川乗橋から百尋ノ滝へ向かう林道を彷彿とする。
そのコースは今、豪雪などによって橋が崩落し、通行止めになっているらしい。(詳細はこちら)
この季節にそのコースを歩けないのはなんとも残念だが、そんな思いもこの景色のおかげで吹き飛んだ。
路肩の崩落箇所については進捗なし。
また、前回は気付かなかったが、ガードレールがひしゃげている箇所も。
8:03、上落合橋の登山口に到着。
赤岩橋を出発した時点では早朝の空気が少し肌寒かったのでウィンドブレイカーを着てここまで来たのだが、さすがに温まってきたので、脱いだ。
僕は薄手の長袖のランニングウェアとファイントラックのトレラン用のドライレイヤーだったが、連れ2名は半袖だ。岩にこすって擦りむいたりしなきゃいいけど。。。
登山届を出して、いよいよ登山道へ。
ハシゴを登ってすぐに現れる登山道の細さに、連れが弱気になる。
登山口からのすぐの雪渓は、前回より明らかに小さくなっていた。
この雪渓を渡ったところからの登山道が分かりにくく、前回戸惑った場所だ。
今回は分かっているから良いものの、やっぱり初見では分かりにくい。
連れがますます弱気になる。
が、ここから八丁峠へ突き上げる地味な急登に差し掛かると、全員汗ダクになり、もはや弱気になどなっている余裕は無かった。
尾根に近づくにつれ、日差しを遮るものがなくなり、強い日差しが照りつけるようになってくる。
群生する下草は、食べるとお腹が痛くなるやつである。
名前を失念していたのだが、前回の山行記を見た友人から、バイケイソウである旨の連絡があった。
ちなみにバイケイソウは、先日読んだ高桑信一氏の著書によるとウルイと間違えて食べてしまう事故が多いらしい。(それについては厚生労働省もこんな注意喚起を行っている。)
そうこうするうちに、8:56、八丁峠にたどりつく。
やっぱり最近体調が芳しくなく、いくら連れが居るとはいえ、コースタイムちょうどでしか歩けないというのは、なんとも不甲斐ない。
八丁峠のベンチで、ヘルメットを装着。
このルートで他にヘルメットをかぶっている人はいないけれど、安全登山励行が第一優先事項なので、連れの2人にもかぶってもらう。
9:25、1つめの小ピークの手前で振り返ると、八ヶ岳がはっきりと見えた。
連れの1人は八ヶ岳が大好きで、この八ヶ岳の姿を見て今にも八ヶ岳に転身したそうにしていた。
9:29、1つめの小ピークに到着。
飛竜や雲取方面の眺めが良い。
9:39、2つめの小ピークに到着。
見晴らしの良い場所に来ると、ついつい足を止めてしまう。
その後も登ったり降ったりしながら、
鎖場の基本動作をしっかりと練習する。
特にこのルートは浮き石や小石などが多く、落石させずに注意しながら登り降りをするトレーニングには最適な場所だ。
また、鎖を使わずに、岩を手がかりにして登るトレーニングも徹底した。
これによって、クライミングジムでは得られない、実際の岩の手応えが理解してもらえたと思う。
なにしろ、クライミングジムのホールドは、1つ1つが比較的大きくて数が少ないのに対して、この手の岩場では、手がかりになるホールドの数は多いものの、1つ1つが小さいという異なる特徴を備えているのだ。
岩場を登ると、素晴らしく見晴らしの良い場合が多く、しばしば足を止めて景色を堪能する。
西上州の山々の向こうには、雪をかぶった山並みが見えた。
あれはどこの山だろう? 谷川あたりか、それとも福島県の山なのか。
また、写真は撮り忘れたが、北アルプスも、大キレットや槍ヶ岳が視認できるほどクリアに見えた。
さらにその向こうには、後立山連峰と思われる山々の姿も見てとることができた。
この季節に、そんな遠くまで眺めることができるとは、僥倖以外の何ものでもない。
9:55、行蔵峠に到着。
登山口周辺のツツジはすでに終わっていたが、稜線はまさに花盛り。
ただし、花を愛でながら歩くと、コケる危険性の高いルートではある。
10:02、西岳に到着。
西岳の北面の壁から登ってくるクライマーは、西岳のこの広場↓に上がるのだけれど、
まさに我々が小休止しているときに、3名のクライマーがギアをガチャガチャさせながら登ってきた。
脱帽である。
西岳から鞍部に降りたところで、さらに岩を巻いて下に降りなければならないのだが
花に見とれて巻き方を間違えて、気付いたら岩の上に出てしまった。
本当にウッカリである。
しぶしぶ引き返し、大岩を巻く。
その後、東岳手前の崖を登り、東岳に到着。
写真も取り忘れ、到着時刻不明。
東岳でランチをとる。
先着していた80歳の男性4人組がベンチを使っていたので、こちらは岩に腰掛けて休んだ。
聞けば、その80歳の4人組は今年の夏に、西穂~奥穂~北穂~大キレット~槍というルートを4泊5日でピストンする計画なのだそうだ。
正直、彼らの半分程度の年齢の僕でも、4泊5日でやりきるのはキツイ。なんという元気なジーサンたちだろうか。
山に来るとこういう元気なジーサンと話す機会が多いが、その度に人生設計を見直さなければならないような気持ちになる。
東岳の山頂は心地よい風とさんさんと照りつける太陽と開けた展望がセットになり、このまま寝てしまいたかった。
が、さすがにそんなわけにもいかず、11:40頃には出発する。
東岳から両神山へは、平凡な尾根歩きが続く。
それでもアプダウンはけっこうそれなりにあるので、いい加減疲れてくる。
ややウンザリした頃に、両神山の山頂手前の稜線に出た。
そこは、モタモタとウロつく年配の女性で混雑していた。
やや険しい岩場を横切ろうとして、一番楽そうな場所を求めてあっちに行ったりこっちに来たり。
完全に他人のことなど眼中に無い。
そんな状態なので、当然譲り合いの気持ちを発揮してくれる訳もなく、正直なところこちらとしては邪魔に感じる。
せめて、行くなら行く、行かないなら行かない、しっかりと歩いてくれ、と。
その年配女性の群れをどうにかやり過ごして、12:24、両神山山頂に到着。
山頂はとても混んでいた。
しかも、平均年齢が異常に高い。
2週間前はこんな感じじゃなかったんだけどなー。
山頂の花は綺麗でした。
混雑した山頂に長居しても仕方がない。
さっさと八丁峠を目指して、来た道を引き返す。
今度は下り基調のため、視界が開けて眺めが良い。
岩と花。
岩と花2。
西岳から八丁峠への尾根。
岩と花3。
ここまで来る途中で、一度東岳ダウンした。
ここ1ヶ月ほどの間、日常的にめまいを感じるという体調不良にみまわれ、この日も調子は決して良くなかった。寝不足でもあり、いったん休憩を取らないと事故ってしまうと考え、15分ほどベンチに座り込んだ。
情けないが致し方ない。
その休憩が幸いして、なんとか気力と体力が復活。青空に励まされる思いがした。
花と岩と青空を楽しみながら歩いていると、顔面のかなりの面積にガーゼを貼り付けた登山者とすれ違った。
10名程度のパーティとすれ違ったのだが、その中の1人がそうだったのだ。
怪我でもしたのかな、と思ったが、特に気にせず先に進むと、岩場に大量の血痕が残されていた。
血痕は、10mぐらいにわたって、まるでコップからこぼしてしまったかのようにザバザバとたらされていた。
こんなに大量の出血をして、さっきの人は大丈夫なんだろうか。。。
その後も淡々と歩き、登り、降り、八丁峠を経て、16:20、上落合橋の登山口に到着。
ここからさらに30分ほど歩いて赤岩橋まで戻った。
途中の道では、新緑を心ゆくまで堪能した。
こうして僕たちのトレーニング山行は終了した。
これなら、表妙義も問題なく行けるかもしれない。
(完)
というわけで、会社の同僚と3人で両神山の八丁尾根をピストンしに行ってきた。
(ルートについては、2週間前の山行記をご参照ください。)
目的はあくまで、今年の夏に剱岳の別山尾根を安全に登るためのトレーニングである。
装備は、万が一のことを考えて、20mのお助けロープ、ハーネス、エイト環、アッセンダーなどの登攀具や、ツェルトなどのビバーク用具を持った。
ソロならもっといろいろ簡略化するのだが、仲間を連れてきている以上、万が一の事態に対する対策は怠れない。
結局今でも赤岩橋までしか自動車は入れず、7:25、赤岩橋から歩き始める。
赤岩橋では、2週間前に満開だったヤマザクラもすっかり葉桜となっていた。
上落合橋までも舗装路は、2週間前とすっかり風景が変わっていた。
第一に、ツツジの花がすっかり散っていた。
その代わりに、春の低山とは思えないほど濃い蒼の空をバックに新緑が目に鮮やかだった。
なんだか、奥多摩の川乗橋から百尋ノ滝へ向かう林道を彷彿とする。
そのコースは今、豪雪などによって橋が崩落し、通行止めになっているらしい。(詳細はこちら)
この季節にそのコースを歩けないのはなんとも残念だが、そんな思いもこの景色のおかげで吹き飛んだ。
路肩の崩落箇所については進捗なし。
また、前回は気付かなかったが、ガードレールがひしゃげている箇所も。
8:03、上落合橋の登山口に到着。
赤岩橋を出発した時点では早朝の空気が少し肌寒かったのでウィンドブレイカーを着てここまで来たのだが、さすがに温まってきたので、脱いだ。
僕は薄手の長袖のランニングウェアとファイントラックのトレラン用のドライレイヤーだったが、連れ2名は半袖だ。岩にこすって擦りむいたりしなきゃいいけど。。。
登山届を出して、いよいよ登山道へ。
ハシゴを登ってすぐに現れる登山道の細さに、連れが弱気になる。
登山口からのすぐの雪渓は、前回より明らかに小さくなっていた。
この雪渓を渡ったところからの登山道が分かりにくく、前回戸惑った場所だ。
今回は分かっているから良いものの、やっぱり初見では分かりにくい。
連れがますます弱気になる。
が、ここから八丁峠へ突き上げる地味な急登に差し掛かると、全員汗ダクになり、もはや弱気になどなっている余裕は無かった。
尾根に近づくにつれ、日差しを遮るものがなくなり、強い日差しが照りつけるようになってくる。
群生する下草は、食べるとお腹が痛くなるやつである。
名前を失念していたのだが、前回の山行記を見た友人から、バイケイソウである旨の連絡があった。
ちなみにバイケイソウは、先日読んだ高桑信一氏の著書によるとウルイと間違えて食べてしまう事故が多いらしい。(それについては厚生労働省もこんな注意喚起を行っている。)
そうこうするうちに、8:56、八丁峠にたどりつく。
やっぱり最近体調が芳しくなく、いくら連れが居るとはいえ、コースタイムちょうどでしか歩けないというのは、なんとも不甲斐ない。
八丁峠のベンチで、ヘルメットを装着。
このルートで他にヘルメットをかぶっている人はいないけれど、安全登山励行が第一優先事項なので、連れの2人にもかぶってもらう。
9:25、1つめの小ピークの手前で振り返ると、八ヶ岳がはっきりと見えた。
連れの1人は八ヶ岳が大好きで、この八ヶ岳の姿を見て今にも八ヶ岳に転身したそうにしていた。
9:29、1つめの小ピークに到着。
飛竜や雲取方面の眺めが良い。
9:39、2つめの小ピークに到着。
見晴らしの良い場所に来ると、ついつい足を止めてしまう。
その後も登ったり降ったりしながら、
鎖場の基本動作をしっかりと練習する。
特にこのルートは浮き石や小石などが多く、落石させずに注意しながら登り降りをするトレーニングには最適な場所だ。
また、鎖を使わずに、岩を手がかりにして登るトレーニングも徹底した。
これによって、クライミングジムでは得られない、実際の岩の手応えが理解してもらえたと思う。
なにしろ、クライミングジムのホールドは、1つ1つが比較的大きくて数が少ないのに対して、この手の岩場では、手がかりになるホールドの数は多いものの、1つ1つが小さいという異なる特徴を備えているのだ。
岩場を登ると、素晴らしく見晴らしの良い場合が多く、しばしば足を止めて景色を堪能する。
西上州の山々の向こうには、雪をかぶった山並みが見えた。
あれはどこの山だろう? 谷川あたりか、それとも福島県の山なのか。
また、写真は撮り忘れたが、北アルプスも、大キレットや槍ヶ岳が視認できるほどクリアに見えた。
さらにその向こうには、後立山連峰と思われる山々の姿も見てとることができた。
この季節に、そんな遠くまで眺めることができるとは、僥倖以外の何ものでもない。
9:55、行蔵峠に到着。
登山口周辺のツツジはすでに終わっていたが、稜線はまさに花盛り。
ただし、花を愛でながら歩くと、コケる危険性の高いルートではある。
10:02、西岳に到着。
西岳の北面の壁から登ってくるクライマーは、西岳のこの広場↓に上がるのだけれど、
まさに我々が小休止しているときに、3名のクライマーがギアをガチャガチャさせながら登ってきた。
脱帽である。
西岳から鞍部に降りたところで、さらに岩を巻いて下に降りなければならないのだが
花に見とれて巻き方を間違えて、気付いたら岩の上に出てしまった。
本当にウッカリである。
しぶしぶ引き返し、大岩を巻く。
その後、東岳手前の崖を登り、東岳に到着。
写真も取り忘れ、到着時刻不明。
東岳でランチをとる。
先着していた80歳の男性4人組がベンチを使っていたので、こちらは岩に腰掛けて休んだ。
聞けば、その80歳の4人組は今年の夏に、西穂~奥穂~北穂~大キレット~槍というルートを4泊5日でピストンする計画なのだそうだ。
正直、彼らの半分程度の年齢の僕でも、4泊5日でやりきるのはキツイ。なんという元気なジーサンたちだろうか。
山に来るとこういう元気なジーサンと話す機会が多いが、その度に人生設計を見直さなければならないような気持ちになる。
東岳の山頂は心地よい風とさんさんと照りつける太陽と開けた展望がセットになり、このまま寝てしまいたかった。
が、さすがにそんなわけにもいかず、11:40頃には出発する。
東岳から両神山へは、平凡な尾根歩きが続く。
それでもアプダウンはけっこうそれなりにあるので、いい加減疲れてくる。
ややウンザリした頃に、両神山の山頂手前の稜線に出た。
そこは、モタモタとウロつく年配の女性で混雑していた。
やや険しい岩場を横切ろうとして、一番楽そうな場所を求めてあっちに行ったりこっちに来たり。
完全に他人のことなど眼中に無い。
そんな状態なので、当然譲り合いの気持ちを発揮してくれる訳もなく、正直なところこちらとしては邪魔に感じる。
せめて、行くなら行く、行かないなら行かない、しっかりと歩いてくれ、と。
その年配女性の群れをどうにかやり過ごして、12:24、両神山山頂に到着。
山頂はとても混んでいた。
しかも、平均年齢が異常に高い。
2週間前はこんな感じじゃなかったんだけどなー。
山頂の花は綺麗でした。
混雑した山頂に長居しても仕方がない。
さっさと八丁峠を目指して、来た道を引き返す。
今度は下り基調のため、視界が開けて眺めが良い。
岩と花。
岩と花2。
西岳から八丁峠への尾根。
岩と花3。
ここまで来る途中で、一度東岳ダウンした。
ここ1ヶ月ほどの間、日常的にめまいを感じるという体調不良にみまわれ、この日も調子は決して良くなかった。寝不足でもあり、いったん休憩を取らないと事故ってしまうと考え、15分ほどベンチに座り込んだ。
情けないが致し方ない。
その休憩が幸いして、なんとか気力と体力が復活。青空に励まされる思いがした。
花と岩と青空を楽しみながら歩いていると、顔面のかなりの面積にガーゼを貼り付けた登山者とすれ違った。
10名程度のパーティとすれ違ったのだが、その中の1人がそうだったのだ。
怪我でもしたのかな、と思ったが、特に気にせず先に進むと、岩場に大量の血痕が残されていた。
血痕は、10mぐらいにわたって、まるでコップからこぼしてしまったかのようにザバザバとたらされていた。
こんなに大量の出血をして、さっきの人は大丈夫なんだろうか。。。
その後も淡々と歩き、登り、降り、八丁峠を経て、16:20、上落合橋の登山口に到着。
ここからさらに30分ほど歩いて赤岩橋まで戻った。
途中の道では、新緑を心ゆくまで堪能した。
こうして僕たちのトレーニング山行は終了した。
これなら、表妙義も問題なく行けるかもしれない。
(完)
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