このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2013年4月29日月曜日

購入 : Spyderco (スパイダルコ)「ニュードラゴンフライ (波刃)」

ザイルを購入することを決めたのだが、まだ購入していない。
なのに、そのザイルを緊急で切断しなければならない心配を先にしてしまって、波刃のナイフを購入してしまった。

Spyderco (スパイダルコ)のニュードラゴンフライだ。

この不規則なギザギザの刃が、ザイルを切断するのに都合が良いそうだ。

実際に、うちにあった細引きを切ってみたら、凶悪なまでの切れ味。ちょっとウットリする。

刃についた丸い穴は、非常時に片手でも刃を引っ張り出せるように付けられている。
そんなわけで、刃を出した状態ではホールドされているものの、刃を閉じた状態ではホールドされていない。

閉じるとこんな感じ。

裏側にはクリップが付いている。

実際に登攀時に装備する場合、ザックのを背負っているならばザックのショルダーハーネスにでも、このクリップで付けておくのだろう。穴も空いているので、細引きを通しておいて、バックアップ代わりにすれば、うっかりクリップが外れても大丈夫だろう。

問題は、ザックを背負わない登攀のときだ。
ポケットに仕舞うか、ハーネスにカラビナで付けておくか。悩む。

つーか、そんなことで悩むのは、実際に外壁でクライミングをするようになってからで良かろうとも思う。


Run boys! Run girls!

捻挫が治りきらず、なんもできないゴールデンウィークなので、前々から気になっていた Run boys! Run girls! に行ってみた。

気になりつつ行けていなかったのは、ひとえにその立地の問題。
僕の生活圏からちょっと遠い神田岩本町にあるからだ。

入口はこんな感じ。(店内撮影は自粛)

入ると、こじんまりした店内にはトレイルランのグッズが所狭しとディスプレイされている。
といっても、博物館のように何でもかんでも取り扱われているのではなく、おそらくは店主のレコメンド商品ということなのだろう、エッジの効いた専門ブランドの商品が多く並ぶ。

ただ、商品ラインナップだけに焦点を絞れば、アートスポーツなどでも十分に手に入るものばかりだ。(ただ、OMMのジャケットのXSサイズが置かれていたのには驚いた。これは他のショップでは見たことない。思わず買いそうになった。)

おそらくこのショップは、「物を売る」というよりも、ショップという体裁を取ったベース(基地)なのだろう。実際、お店の人の知り合いらしい人が、トレラン談義に花を咲かせていた。
そういう「人のつながり」を醸成するための場所なのだろう。

僕のような孤独癖の強いコミュ障にとってはあまり縁の無いタイプのショップだが、こういうタイプのショップが増えることが、トレイルランの普及に役立つのだろうと思う。
そういえば、自転車も野球もサッカーも、こういうタイプのショップにチームが併設されているようなパターンも多いような気がする。

コミュ障の僕にはあまり縁が無いけれど。


2013年4月28日日曜日

NHKスペシャル取材班 『激走!日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km』

日本一の変態山岳レース。それがトランスジャパンアルプスレース(TJAR)だ。

このレースは、2年に1回開催されるのだが、2012年大会はNHKスペシャルの密着取材が入り、レースの模様が放映された。
本放送も再放送も見逃した僕は、再々放送でやっと見ることができたのだが、激熱である。
捻挫している場合じゃない、と。今すぐ走らなきゃイカン、と。
で、結局、近所のコンビニまで走ろうとして、3歩で痛くなって挫折したのですが。

そんなわけで、快晴の3連休なのに、部屋に引きこもっています。


そんな激熱な番組だが、テレビ放映は尺がシビアである。8日間、28人の選手への密着取材が、たった73分に収まりきるわけもなく、当然、泣く泣くカットせざるをえないような部分もあったそうだ。
そういった部分も含めて、番組が書籍化された。
それが 『激走!日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km』だ。

僕がTJARの存在を知ったのは、2008年大会終了直後に、なんかの雑誌に出ていた優勝者の田中正人さんのインタビュー記事でだった。
日本アルプス縦断を5日半でできるものなのか?? もはや現実の話ということすらピンと来なかった。
そして、2010年大会、その田中正人さんの記録を塗り替えたのが望月将悟さん。いったい何を食ったらそんなふうになれるのか、僕の理解の彼方の話だった。


そして、2012年大会。

GPSの情報によって、各選手の現在位置がほぼリアルタイムにTJARのサイト上に掲載される。
それを見ながら、望月さんのブッチギリだなぁと思ってたら、望月さんの位置情報が途中で消えた。
「まさか!」と思ったら、何のことはない、GPSが正常に稼働していないだけである旨が、サイト上に掲載されていた。
そして、気付くと、いつの間にか望月さんがブッチギリのタイムで優勝していた。


そんなわけで、レースの状況は、凡百以下の我々には分からないままに進むわけなので、他のスポーツのような臨場感を味わうことはできない。
だが、本書を読んで、選手一人ひとりの息遣いがヒリヒリするほど伝わってきた。番組と合わせて楽しんだら、これはもう臨場感どころの騒ぎではない。

密着の取材が入ることで、選手に対するストレスもかかるのではないかという批判ももしかしたらあるかもしれないが、この番組&書籍は、僕にとっては非常にありがたいことこの上ない。


ところで、多くの選手たちがインタビューで、
「僕のような普通の人間でもやれるんだ、ということを証明したい」
というような旨の発言をしていたのだが、参加資格であるフルマラソン3時間20分って、「普通」ではないからね! 僕みたいな鈍足からしたら、その時点で雲の上だからね!


悔しいけれど、僕は一生かかってもTJARには出れそうにない。


まずは捻挫を治し、リハビリに励みたい。当座は、日本ハムファイターズの大谷選手より先に戦列に復帰することを目標としたい。


『LONG TRAIL HIKING ロングトレイルを歩くために』

雑誌『TRANSIT』の編集をしているユーフォリアファクトリーが、ロングトレイルに焦点を当てたムックをブッ込んできた。
それが、『LONG TRAIL HIKING ロングトレイルを歩くために』。

最もページを割いて紹介しているロングトレイルのコースは、アメリカ西海岸のパシフィッククレストトレイル(PCT)だ。
さすが『TRANSIT』の編集をしている会社だけあって、写真が美しく、こんなロケに行ける仕事がしてみたいと思うのである。
嗚呼、レーニア山、行きたいなぁ。。。

もちろん、コースばかりを紹介しているわけではなく、装備の紹介もされている。
が、そこに掲載されているアイテムはコロンビアとマウンテンハードウェアばかり。
不思議に思って奥付を見ると
「企画 コロンビアスポーツウェアジャパン」の文字が。
あー、装備品に関してはコロンビアとのタイアップなのね。。。

しかしながら、そのようなタイアップページは全体としてみれば非常に少なく、後半の文字ベースの記事も濃い。
ロングトレイルに興味を持つ人なら誰もが知っているようなスルーハイカーや、「これ誰?」というよなハイカーまで、いろいろな人へのインタビュー記事や、ロングトレイルを歩く際の心得など、ロングトレイルに興味を持つ入口としては非常に誠実な作りになっている。
さすがはユーフォリアファクトリー。


そういえば、ユーフォリアファクトリーといえば去年の秋に『terminal』という雑誌(?)を出したが、それ以来続きが出ない。
「2012 AUTUMN」と書いてあったから、「2012 WINTER」や「2013 SPRING」が出るものだとばかり思っていたので残念だ。


「岳人」編 『山の雑学百科』

登山雑誌3誌を毎月購読しているのだが、実は読んでいて一番面白いのが『岳人』だったりする。
渋くて地味な記事が多くパッとしないのだが、よく読むと濃い。

で、そんな地味で濃い『岳人』の、より一層地味で濃い連載モノのなかで、送りバントのようにコツコツと見開き2ページで掲載されているのが「山の雑学」。
この「山の雑学」をまとめて1冊の本にしたのが『山の雑学百科』だ。

掲載されているのは、301篇。
すさまじいボリューム感だ。
しかも、地味で濃い『岳人』に連載されているものだけあって、雑学の質も地味で濃い。「そんな話なんて気にしたことも無かった!」というレベルのことばかりが収められている。
例えば、「クナザサ」は「熊笹」ではなく「隈笹」が正しい、とか。

1篇の長さも、『岳人』誌上で見開き2ページに4篇(つまり1ページに2篇)で掲載されているものなので、拾い読みするにはちょうど良い長さ。
1篇1篇に付いている芝祐治さんのイラストも、ベタで分かりやすく、ほのぼのとする。

テンションの上がるような本ではないが、しみじみと好きだ。


ナイロンザイル事件

やっと自前のザイルを購入しようという気持ちが固まってきた今日この頃です。

さて、ザイルを購入するとなると、シングルが良いのかダブルが良いのか、長さは60mにするのか、思い切って短いのを買っちゃうか、悩ましいところです。
どうせ外壁行くにしてもザイルパートナーも居ないボッチな僕としては、ザイルの重さに心が折れそうになるのです。

といっても、なんせ自分の命を預ける道具なわけなので、妥協は一切したくない。
長さが足りんとか、太さが足りんとかいう状況は、泣くに泣けず、死んでも死にきれません。
そんなこんなで悩みは尽きません。
なお、現在右足首捻挫中につき、壁どころかピクニックすら行けずにゴールデンウィークが終わる見込みです。

こんな時こそ、己を戒め、ザイル購入のための知識を磨こうと思う次第なのであります。




------------

で、手にしたのは、井上靖『氷壁』。

昭和30年に実際に起きた、ザイルの破断による遭難事故と、その後の原因究明のゴタゴタ(通称:ナイロンザイル事件)に材を取った小説だ。
ずいぶん古いところから始めてしまったわけだが、やはりナイロンザイル事件を知らずしてザイルの安全性を語るなかれというわけで、まずは小説から攻めてみた次第だ。

ここで迂闊だったのは、井上靖自身は登山家ではないということ。
つまり、井上靖は、ナイロンザイル事件そのものよりも、そこに引っかけての人間模様のほうに興味を持っていたのではないかということだ。
ナイロンザイル事件に対する掘り下げ方は、全くのスカスカ。非常に宙ぶらりんで、何の参考にもならない。

かといって、小説として読むに値するかというと、それも怪しい。
登場人物の描かれ方の、なんと薄っぺらいことか。

本作は、新聞連載小説として、昭和30年代に発表された作品なのだが、昭和30年代ってこんなもんなのか? いくら新聞連載の通俗小説と言っても、ペラペラすぎるだろ。
ペラペラすぎて、登場人物の誰にも感情移入ができなかった。
時代の違いだと言ってしまえばそれまでだが、それを言うならば、僕は明治~昭和初期の小説にも好きな作品はたくさんあるし、「第三の新人」やそれ以降の作家の作品も好きだ。だから、「時代」が要因ではないはずだ。

恋愛小説としても、社会の不合理を描く小説としても、事件を探求する小説としても、すべてにおいて中途半端。いろんなことがウヤムヤのままで、登場人物だけが妙に自分で納得してしまって自己完結している。
すごくモヤモヤする。


で、モヤモヤしたまま手に取ったのが、『石岡繁雄が語る 氷壁・ナイロンザイル事件の真実』だ。
本書は、石岡繁雄氏が語った内容を相田武男氏が取りまとめて文章に起こすという形式で、『氷壁』のモデルとなった実際のザイル破断による遭難事故と、その後のザイルの安全性に関する長年の戦いの総括が記されている。
446ページの分厚い単行本だが、後半は、本編で登場する声明文や報告書を収録した資料編になっている。

本書を一言で言うならば、「濃い」。
まさしく、山男による戦いの記録だ。
『氷壁』での消化不良によるモヤモヤが一気に解消する思いがした。

話は、石岡氏が当時会長を務めていた岩稜会の会員が、昭和30年の年初に、前穂高で登攀中に滑落したさい、ザイルが簡単に破断してしまったために命綱の役目を果たさず、結果、1名が死亡するに至ったところに端を発する。
その問題のザイルというのが、当時絶対の強度を売り文句にしていたナイロン製ザイルだったのだ。

この昭和30年の年初には、穂高山域で他にも同様のナイロンザイル破断による事故が2件発生しており、そもそも安全性に問題があるのではないかという疑念から、石岡氏および岩稜会による告発が始まる。
それが20年以上も経った昭和50年代になって、ようやく解決を見たのである。

こんなに長期間ゴタついたのは、ひとえにザイルメーカーによる隠蔽工作によるものだということになっており、それが事実だとすれば、率直に言ってヒドイ話である。
製造物責任法(PL法)が平成6年に成立したが、その法案を審議するにあたって、経済界は随分ネガティブキャンペーンを行っていたように記憶している。しかしながら、本書に描かれている姿が当時の企業の姿なのであれば、製造物責任法は何としても成立させなければならない法律であったのだろうと思う。
考えてみれば、高度経済成長期の日本の企業は、公害問題に代表されるように、利益優先による弊害を平気で撒き散らしていたわけで、企業による不祥事の隠蔽体質も不思議なことではなかったのだろう。

と、まるで現代は違うかのような物言いをしたが、実際はまだまだ昭和の悪い部分を温存しているような企業も少なくない可能性も十分にある。
それがものすごくデカい影響を振りまきながら露呈したのが、東電の原発事故なのではなかろうか。

しかし、現代は、企業の論理で問題を握りつぶすことが難しくなっている時代でもある。
石岡氏が苦労したのは、情報を発信する手段が限られていたことにも因るだろう。これに対して現代は、インターネットを通じて情報を発信し、常に問題提起をし続けることができる。(もちろん、発信の仕方によっては逆効果になることもあるだろうが。)



余談だが、僕が子供の頃は、ドラマのワンシーンで、ビルの屋上などからロープで人がぶら下がっているシーンなどで、ビルの外壁の角にロープが擦られて切れてしまうという演出がよくおこなわれていたものだ。
それに対して、先日、ドラマ『相棒』の劇場版を見ていたら、主人公である杉下右京がロープを伝って外壁を下りた際に、やはり外壁の角にロープが擦られる描写があったが、切れるような演出は無かった。最近のロープは角に擦れても大丈夫ということだろうか。



2013年4月25日木曜日

高橋大輔 『命を救った道具たち』

山を歩いていると、ちょっとした道具に救われることがある。
先日奥高尾で足首を捻挫したときは、茶屋のオヤジさんに貰った青竹の杖に救われた。あれがなかったら下山できなかった。

「救われる」程度は、その時々の状況の深刻さによって大きく異なる。
例えば、同じビクトリノックスのツールナイフに「救われる」にしても、ささくれが邪魔クサイなぁ、というだけのときと、テント泊の最中に雪崩に遭ってテントを切り裂いて脱出しなければならないときとでは、雲泥の差がある。
おそらく、登山を頻繁におこなうような人は、道具に「救われる」シチュエーションも1度や2度では済まないはずだ。

で、これが、命を張って旅をする探検家になると、「命を救われる」というレベルの話だけで一冊の本になってしまう。それが『命を救った道具たち』だ。

僕は、登山は好きだが、探検はあまり興味が無い。「探検」というのは対象が広すぎて、僕のようなチンケな人間にはイメージがつかないのだ。
だから、探検家を自称するような人の本は、角幡さんや高野秀行さんぐらいしか読んだことがない。
まあ、そうは言っても、探検も登山も、人里離れたところで歩き回るっていう1点においては同じなのだから、探検家の「命を救った道具」というのは興味をそそられる。

書店で見かけてさっそく買って読んでみる。



・・・。



あんまり登山には関係ないかも。

山ではダナーライトなんか履かないし、スキットルもあまり持っていかない。
ジッポライターは昭和っぽいし、すぐに燃料が切れるのでイヤだ。
フクロナガサはすごく興味があるけれど、登山に持っていくのには重すぎるし大きすぎる。(服部文祥さんのサバイバル登山なら話は別かもしれないが。)
腕時計も、ロレックスのエクスプローラーはなぁ。。。 『monoマガジン』みたいでイヤだなぁ。。。

唯一「いいなぁ」と思ったのは、摂氏60℃からマイナス60℃まで計れるという温度計。意味もなく羨ましいし、物欲を強く刺激された。


といっても、嫌いじゃないです、こういう本。
お酒を飲みながら、頭使わずにのんびり読むのにとても良い本だと思う。



2013年4月22日月曜日

購入 : DMM 「APEX (アイスアックス)」

捻挫をしてゴールデンウィークを棒に振る悔しさにかまけて、ついにアイスアックスを買ってしまった。
憧れのDMMのアイスアックス「APEX」だ。


アイスアックスを買う前に、ほかに買うものがあるだろうというツッコミが予想されるなか、どうにも止まらなかった次第だ。

3月に赤岳鉱泉のアイスキャンディで3種類のアイスアックスを使ってみて、ペツルのクォークはあまり空きになれず、それより軽いタイプについては論外だった。
やたらと凶悪なビジュアルのグリベルのアイスアックスが使いやすかったのだが、重いので長時間使い続けるのはキツかった。
それらを考慮した場合、DMMのAPEXの角度や重さが非常にしっくり来そうな気がして、これに決めた。

しかも、楽天などで見る値段よりも1万円程度安く入手できた。
ヘッドの交換をする際に、DMMのような日本でマイナーなメーカーは入手しずらいという問題が懸念されたが、店員さんに確認すると、取り寄せでも最大1か月で入手可能ということだった。一安心。


次のシーズンは、これでガンガン登るぜー!


2013年4月14日日曜日

打田鍈一 『藪岩魂』

僕は藪コギが嫌いだ。
特に、クマザサが生い茂る中を歩くのは、恐怖以外の何ものでもない。
だが、世の中には、藪コギが好きだという人種もいる。

『藪岩魂』の著者である打田さんは、藪が好きなのかどうかは分からないが、少なくとも人ごみの山よりは、藪でも人が少ない山のほうが好きなようだ。

というわけで、そんな打田さんがこだわりのオススメルートを紹介しているのが本書『藪岩魂』だ。

西上州と両神山がやたらと多いなと思ったら、そのあたりの山域に思い入れがあるそうで。
さらには、「山と高原地図」の「西上州」を担当しているそうで、そりゃ権威だわ。。。


特に嬉しかったのは、僕にとってのあこがれの山である妙義山について、いろいろ詳しく書かれていたこと。
標高は低いながらも、奇岩の山であることから、一度は自分で見ておきたい山なのだが、上級者向けという話ばかりが伝わってきて腰が引けてしまう。
が、本書によると、なんとか僕でも行けそうなルートがある。
これは、近日中に行かねばなるまい。

本書はカラーベージがほとんど、非常に丁寧な作りになっている。
そんなところも、おそらく著者のこだわりの反映なのだろう。


あーあ、、、捻挫しちゃったからしばらくお預けだなー、、、



山行記 : 2013年4月14日 高尾~陣馬 トレイルランで捻挫 (追記あり)

7月のキタタンと、実はその前に5月に20kmのレースが控えているため、今週も高尾~陣馬でトレーニング。
夕方から都内で友人と会うため、出発は早めの8時。

ルートは毎度おなじみ
毎週通うと、少しずつ季節が進んでいくのが感じられる。

詳細は省いて。

高尾山、もみじ台、一丁平からは、春霞の向こうの富士山が拝めた。

もみじ台の先あたりは、ヤマザクラの見頃。

城山も花ざかり。

景信山山頂からの景色は、やはり春霞の影響で、スカイツリーは確認できず。

堂所山からの展望。生藤山と陣馬山。

こうして、巻き道を使わず尾根道を辿って順調に陣馬山に到着。
山頂は混み混み。

鈍足ながら、なんとか目標タイムをクリア。
山頂でクリームパンを食べ、そのまままた折り返す。
このペースなら、自己ベストを達成できそう。
回転数を上げてガンガン飛ばす。
でも、それが不幸の始まりだった。

復路は巻道でガンガン飛ばすトレーニングをする。
足さばきのトレーニングでもある。
で、堂所山の巻道で、その不幸はやってきた。

根っこばかりの道を、足をフル回転させながら下っていた時のこと。
右足のつま先が木の根に引っかかった。
あっ!と思ったときには遅かった。
体が一瞬中に浮き、地面に叩きつけられてそのまま一回転した。
コケた瞬間に体を丸めて転がる受身が体に染み付いていたおかげで、へんなところをぶつけたりしなくて済んだが、引っ掛けた右足首が絶望的に痛くて身動きできない。
しばらく痛みに耐えて登山道脇にうずくまる。

そこを、素知らぬフリでオバチャンがひとり通り過ぎる。声も掛けないんかい!と思ったが、そんなことには構ってられない。
次に通りかかった人は声をかけてくれたが、僕としても「大丈夫っす!」としか答えようもない。

とりあえず、自力で歩かないことにはどうにもならない。
最初の痛みをやり過ごしたあとは、なんとか歩けないことはない状態になった。ということは、骨はイってない。とはいえ、足首を少しでも捻るといたいので、捻挫は間違いなくしているだろう。
下山するにも、どこまで足が持つのか。
とりあえず、全身泥だらけの状態で進む。
ただ、普通に歩く分には、それほどキツさを感じない。

とりあえず、景信山まで行って小仏バス停に降りようと決める。
登りは辛くないのだが、下りは辛かった。

景信山までたどり着いたものの、このままで下るのは無理だろうと判断。
景信山の山頂のほうの茶屋のおじさんに、杖みたいなものがあれば譲ってもらえないか相談したところ、青竹で作った杖を無償で譲ってくれた。
本当にありがたい。

この杖にすがるようにして下山する。
道行く人が声をかけてくれる。人の心が染み入る。

次第に足首が腫れてくるのが自分でも分かった。熱も持っている。痛みも増してきた。
あああ、、、今後は湿布を持参しよう。。。

13時半頃、やっとアスファルトの道路に出る。
アスファルトなら杖をつかなくても歩けるんじゃないかと思ったが、そんなわけなかった。
杖をつきながら道路を歩いていると、後ろから来た車が横に止まり、「乗っていきなさい」と声をかけてくれた。
なんとありがたいことだろう。
本当にこの日は、たくさんの人たちの親切が身に染みた。

>乗せてくださったオカーサン
車中での登山談義、楽しゅうございました。いつまでもお元気で登山を続けてください!


その後、ますます腫れと痛みがひどくなり、夕方からの友人との予定はキャンセルさせてもらった。
無念であり、大変申し訳ない。。。


明日の朝一番に病院に行こう・・・。




2013年4月16日 追記:

病院で、全治3週間と診断されました。
骨に異常が無かったのが不幸中の幸いです。

実は5月11日に開催される第2回新緑の奥武蔵もろやまトレイルランというシブいレースにエントリーしていたのですが、調整が間に合いそうにないです。
ショック・・・。

ゴールデンウィークも完全に棒に振ることになりそうです。
かかりつけのマッサージ師に相談しながら、リハビリに励みます。。。




2013年4月8日月曜日

山行記 : 2013年4月7日 奥高尾 花と青空と強風

4月6日の夜から7日の未明にかけて、東京、神奈川はひどい暴風雨に見舞われた。
僕の自宅の近所の川も危険水域に達して、夜中に警報が鳴った。

が、夜明けにはすっかり空は晴れ上がった。
雨天のあとだけに、空が青い。
風は尚も強いままだが、その風がより一層空を青くしているのだろう。

キタタンに出場することにしたからには、できる限り山でトレーニングを積まなければならない。
というわけで、また高尾に向かった。


ルートは3月17日と同じなので、詳細は割愛。
強風のためか、登山客はかなり少なめ。
せっかく奥高尾は花の見頃なのに、もったいない。

そんなわけで、花々の写真を。


ミツバツツジ。

ヤマザクラ。

モクレンはまだほとんどが蕾。

城山のお花畑も、暴風雨によく耐えたようだ。

コブシは終わりかけ。

オカスミレ。



花だけでなく、眺望も良かった。

残念ながら富士山は見えないものの、丹沢はクッキリ。

景信山からは筑波山も見えた。(写真ではちょっと分かりにくい。。。)

同じく、景信山からの新宿のビル群とスカイツリー。(これも写真では分かりにくい。。。)

堂所山の頂上からの生藤山。


トレイルのコンディションは、昨夜とんでもない土砂降りだったにもかかわらず、なんとか歩けないほどではない程度。
だが、やはり泥濘んだ箇所は多く、走るには気を遣う場所も多かった。
なかには、大きな水溜りが道を塞いでいるケースも。

ただ、すさまじく風が強かったので、これぐらい地面が濡れていないと土煙がひどかっただろうから、これはこれでアリだ。
風が強すぎて、杉の木が折れるんじゃないかというぐらいに弛んでいたりしたが、幸い、登山道では倒木などは見かけなかった。


下山後はダンゴで〆。


(了)

2013年4月7日日曜日

購入&インプレッション : グレゴリー 「Tempo 8」

すでにトレラン用ザックは5つ程買ったのだが、結局レース用に使えるのは一番最初に買ったグレゴリーのルーファスだけという状況が続いている。
だが、さすがに4年前に買ったルーファスは本体重量もそこそこ重く、もうちょっと今ドキなトレラン用ザックが欲しいところであった。

そこで俎上に載ったのが、同じくグレゴリーの「Tempo 8」だ。

石川弘樹さんがTempoを紹介している動画はこちら
ODBOX渋谷店ブログにて、細かい仕様を紹介されている。


で、実際使ってみてどうだったか。


【1】 ハイドレーションにびっくり

2リットルのハイドレーションが付属しているのだが、よくすすいだつもりだったのに、水を吸ったら苦かった。当然のように臭いもあった。
こんなの、サロモンのスキンプロに付属してたハイドレーションよりもヒドイ。
ソースのハイドレーションでは、こんなこと一度もなかったし、キャラバンのハイドレーションもこんなことなかった。
やっぱりトレランパックに付属しているハイドレーションはこんなもんなのかなぁ。。。


【2】 サイドのポケット

本体のサイドに付いているポケットは、上掲の動画では背負ったままでボトルの出し入れをしているが、僕は体が硬いのか、それをやろうとしたら肩がおかしくなりそうになった。


【3】 安定性

あんまりベスト型に見えないので、ウェストハーネス無しで本当に安定するのか心配だったか、非常に安定性が高い。
ただ、僕の装着の仕方が悪いのか、チェストベルトを目いっぱい長くしないと、苦しい。
そんなに胸囲は大きくないんだけどなぁ。。。


【4】 ハーネスのポケット

ショルダーハーネスのポケットは、たしかにいろいろ入れられるが、サイズに限界があるので、効率の良い使い方を研究しなければならない。
また、おそらくiPhone用と思われるポケットは、僕が使っている4Sにはちょうど良いが、5だと深さが足りないのではないだろうか。


【5】 ポール用のポケット

ポール用のポケットが付いているが、普段からポールを使用しない僕としては無駄な空間である。
とはいえ、せっかくポケットがあるのだから使わないと勿体無い。
というわけで、地図を入れることにした。


以上を総合的に考えると、合格点ではあるものの、使い方をいろいろ研究しなければならないなぁと。
もしかしたら、ランニング用のウエストポーチを併せて使用することになるかもしれない。

さらに言えば、ノースフェイスのマーティンウイングにアタッチメントを装着(詳細はこちら)して使う方が、僕のような鈍足ランナーにはいいかもしれない。

まだまだ理想のトレランパックを求める旅は続くのかなぁ。。。
無駄だなぁ。。。


北丹沢12時間山岳耐久レースにエントリーしました

北丹沢12時間山岳耐久レース(通称:キタタン)にエントリーしました。


シンドいレースだということで有名なキタタン。
7月の上旬という、梅雨明け前の蒸し暑い時期に、丹沢山塊の地味に険しいトレイル44.24kmを12時間という制限時間で走りきるレースだ。

12時間で44kmなら、全然何とでもなるじゃないか、と思うことなかれ。
なんと、30km地点の第2関門は6時間以内に通過しなければならないのだ。ひどすぎる。


現時点での僕の実力では、第2関門で確実に沈む。
大会までの3ヶ月でどこまで追い込めるかがカギになる。

しばらくの間、トレッキングは抑えて、トレイルランスタイルでの山行を中心にするしかあるまい。。。


ビリでもいいから、完走したい。



2013年4月6日土曜日

ザ・ノースフェイスのマーティンウイングが進化してた!

ザ・ノースフェイスのマーティンウイングといえば、随分前からあるトレランパックの名品だが、今期、そのマーティンウイングが意外な方向に進化してた!

まずはマーティンウイング6の公式ページを見て欲しい。

商品画像を見ていただけると分かるとおり、専用アタッチメントを取り付けられるスロットがついた。
この専用アタッチメントで取り付けられるアクセサリーは3種。

正直、欲しい。
うー、、、

なお、マーティンウイングプロは非対応の模様。





2013年春 大型ザック事情

春が来た。

各社の新作ザックが店頭に並び始めたので、例によって気になるモデルを試してきた。
といっても、あくまでお目当ては70リットル以上の大型ザック。

なお、ここで述べている着用感は、あくまで身長166cm、体重60kg弱の僕が試してみての印象なので、すべての人に当てはまることではないということだけ、ご諒解いただきたい。


<ホグロフス>

LEX 110 が何よりもインパクト大。110リットルのサイズ感に負けないシッカリした作りながら、本体重量は3,600g 。グレゴリーの60リットルクラスのザックの重さを考えれば、110リットルでこれなら軽いものだろう。
実際、本体の素材は普通のナイロンじゃなく、薄くて強度のある素材の模様。

詳細はオフィシャルサイトに譲るが、びっくりしたのは雨蓋の容量。随分デカいなぁと思って見ていたら、なんと20リットルだそうな。しかもこの雨蓋、取り外してデイパックとしても使えるという。
20リットルと言ったら、日帰り登山ぐらい余裕でできてしまうわけで、ベースキャンプから日帰りで山行なんていう使い方もできる。とても惹かれる。

本体の形としては、「太い」というのではなく、「高い」といった感じ。
同じ110リットルでも、モンベルのスーパーエクスペディションパック110 は「太い」感じだが、LEX110 は太さで容量を確保するのではなく、本体を長くして容量を確保している感じで、しかも、下に長いのではなく、上に長い印象を持った。なので、実際に背負ってみると「高い」という感じ。登山道に枝が張り出しているようなところを歩く際にはちょっと苦労しそうだ。また、これを背負ったまま倒木の下をくぐるのは、おそらく無理だろう。
また、上に長いわりに、パッと見では本体下部がシュッと細くなっているように見えるのでバランスを心配したが、実は本体下部にはマチがあり、マチをフルに使ってパンパンに荷物を詰めた場合には、比較的寸胴な形になるようだ。

ショルダーハーネスやウェストハーネスは固くてしっかりしたものだが、OXOのようにやたら固くて分厚いというものでもなく、必要十分ではなかろうか。実際に30kg以上の荷物を詰めて試してみたいところではある。

サイズは1サイズだが、背面長はベロクロで調整する仕組みになっているので、僕のような小柄なタイプでもしっかりとフィットさせることができた。

このLEXシリーズには、110リットルの他に80リットルのタイプもあるが、このザックの本領を発揮するのは110 のほうに違いない。80リットルクラスにこの仕様は、オーバースペックな気がする。

なお、僕は同社のMATRIXシリーズの70リットルを愛用しているのだが、今年からMATRIXシリーズは60リットルまでしか展開しなくなってしまった。
正直、70リットルをパンパンにすると、MATRIXのショルダーハーネスやウェストハーネスは華奢すぎて心もとなかった。そこを考えると、70リットルの廃番化はやむを得ない判断なのかもしれない。


<オスプレー>

オスプレーのハイエンドモデルであるアルゴンが、この春から廃番になり、その後継としてジーニスというシリーズが登場した。その最大容量モデルが、105リットルである。(その他に、88リットルと75リットルのモデルがある。)

店頭に105リットルが無かったので、88リットルタイプを背負ってみたのだが、アルゴンとはまた違った背負い心地だ。というか、アルゴンの後継と言いながらも、仕様は全く異なる。別物と考えるのが良さそうだ。

昨年、イーサー85で28kgほど担いだところ、ハーネスがヘタってしまった経緯があるのだが、ジーニスの推奨重量22~36kgなので、荷物の多い僕でも安心の設計だ。
実際、ショルダーハーネスやウェストハーネスの造りもしっかりしていて、ちゃんと負荷を軽減してくれそうだ。

サイズ展開はMとLで、僕はMでちょうど良かった。
今僕が使っているイーサーもMサイズでちょうどなので、背面長の仕様は変わっていないようだ。

なお、アルゴン110が44,100円だったのに対して、ジーニス105は35,700円。ものすごくお財布に優しい。モンベルのスーパーエクスペディションパック110 は2万円なので、もっとお財布に優しいが、僕としてはジーニス105に心が傾く。
なお、ホグロフスのLEX110 は5万円以上するので、お財布との折衝がなかなか難しい。


<アークテリクス>

アークテリクスの名品 Bora95 がこの春で廃番になってしまった。。。
フロントに付いた大きなポケットが、アイゼンだのゲイターだのを入れておくのに便利で、素材も冬山に堪えうるタフなものだったのだが、昨今の軽量化の煽りを喰らってか、後継モデルにその座を譲った。
その後継モデルというのが、ALTRAシリーズだ。
なのだが、最大容量は85リットル。形も、アークテリクスらしい細長い感じではなく、やや寸胴な感じ。うーん、あんまり食指が動かないなぁ。高いし。


<ザ・ノースフェイス>

この春、マティスクレスト72 というザックが発売された。
昨年あったエルロボシリーズは、廃番になった模様。
エルロボのウリは、がっちりサポートする固めのハーネスだったのだが、マティスクレストはその対極を行くような軽量化モデルだ。
と思ったら、本体重量が2.5kgもある。僕のマトリックス70は1.7kgしかないのに。
で、2.5kgもある割に、ショルダーハーネスがものすごく薄い。果たして、この貧弱なショルダーハーネスで70リットルの荷物を支えられるのだろうか。支えられるとしたら、このショルダーハーネスは肩の動きに対する干渉が少ないので、とても良い。

ウェストハーネスは、よくある普通の70リットルザックぐらいの固さ。あまり個性は感じない。
ただ、背面の腰に当たる部分にパットがあり、これがウェストハーネスのフィット感を高める効果があるようだ。が、僕の骨盤の形にはフィットしなかった。無念。

また、同じく今年からのモデルで、コンネスシリーズがある。コンネスシリーズの最大容量モデルは82リットルだ。
本体重量もマティスクレストとそう変わらないし、造りもあまり違いを感じられないのだが、それぞれどういう用途で使い分けることを想定しているのだろうか。
ちょっと分からない。



<結論>

マトリックス70、バルトロ75、イーサー85を持っている僕としては、次に買うとしたらやはり100リットル超のサイズだろう。
となると、お金があればホグロフスのLEX110、現実的にはジーニス110といったところか。
うーん、悩む。。。