このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2015年7月6日月曜日

山行記 : 2015年6月20、21日 尾瀬 2日目 さっさと下山



(この記事は「1日目 尾瀬ヶ原~尾瀬沼」の続きです。)


山の朝は早い。

なぜ早いかといえば、早出早着の山の原則によるところも大きい。
が、それだけではない。
僕は朝の支度にやたら時間がかかるので、早く起きなければならないのだ。
小学生の頃、身支度が遅くて担任の先生から「のろま」という何のヒネリも無い仇名をいただいたのだが、その身支度が遅さは年を取っても結局変わっていない。

そんなわけで2日目の朝は、6時半に出発予定だったにもかかわらず5時に起床した。

起きて外を見てみると、一晩中降り続いた雨はどうやら止んでいるようだ。
が、現在の天気がどうあろうと、昨日の夜の時点で今日の行動は決めていた。
もうさっさと沼山峠に下りて、檜枝岐で温泉に入って、その後そばがきを食うのだ。

なんせ、
  • 雨の影響で登山道(特に雪渓)の状態が悪いだろう。
  • 昼以降、かなり荒天になる予報。
の2点が決定打となり、初心者を連れての燧ケ岳はとてもじゃないけど無理だろうと判断した次第だ。

宿にチェックインしたときには燧ケ岳に登る気まんまんだったので、朝ごはんは弁当にしてもらっていた。
朝からおにぎり。
モソモソ食べて、宿を出る。

外に出ると、燧ケ岳がよく見えた。
地面はビチャビチャだが、雨はいったん止んでいる。
この隙にさっさと下山してしまおう。

6:34、尾瀬沼ヒュッテを出発。

太陽は、雲の向こう。

湿原に出ると、燧ケ岳の姿がクッキリ。
こんなに山頂がクッキリ見えていると、やっぱり登りたくなる。
登頂まではなんとかなっても、下るころには天気が悪化してヒドい目に遭うのは分かりきっている。ここは我慢である。

昨日このあたりを通った際には雨脚が強く、あまりのんびりと景色を眺めている余裕も無かったが、花の咲き乱れるステキな場所だった。
朝の凛とした空気と、山をふわりと包み込むような雲。

コバイケイソウはまだ花をつけたばかり。

リュウキンカの群生。

イワカガミも大量に咲いていた。

ワタスゲは濡れそぼって、風呂に入れられたペルシャ猫のよう。

今日も今日とて木道歩き。

7:09、名残惜しくも、ついに湿原を抜け、樹林帯に入った。
ここからはいったん上り、その後下ったら沼山峠である。

そこはオオシラビソの森だ。

上り坂も全て木道。

足元にはイワナシも咲く。

7:28、展望台に到着。

展望台というわりには、あまり展望は良くない。
天気のせいばかりではないだろう。

展望台のすぐ先から、下り斜面に入る。

この斜面は北東に面しており、登山道沿いには様々な苔が生い茂っている。

木道をどんどん下る。
その途中で、幹を折られた樹木を発見。
強い力でじっくりゆっくりへし折られた、という感じか。
やはり雪の重みだろうか。

7:48、あっけなく沼山峠のバス停に到着。

バスは10分少々で来た。
そのバスに乗って早々に御池へ向かう。

8:23、御池到着。
そこにあるのは、広い駐車場。
ここでフラッシュバックのように高校1年のときの記憶が蘇る。
嗚呼、確かにオレはあの時ここに来た!

断片的だが、この風景に覚えがある。
それが確認できただけでも、今回ここに来た甲斐があった。

その後、バスで御池から檜枝岐温泉の駒の湯に移動。
朝っぱらから風呂に入ってのんびりである。

風呂で話したオジサンが、昨日、御池から燧ケ岳に上って長英新道を下りたそうで、それによると、御池からのルートは残雪が多く、長英新道は雪解けと雨でドロドロだったそうだ。
やっぱり回避して正解だった。

10:30には駒の湯を出て、そばがきを食べにまる屋に向かうも、まる屋は11時にならないと開かないので、ぽつりぽつりと歩きながら桧枝岐観光をする。

愛宕神社の狭くて急な長い石段。

重要無形民俗文化財である檜枝岐歌舞伎の舞台と、
 その観客席。まるでギリシャ劇場のよう。

そのすぐ近くには檜枝岐歌舞伎の私設博物館があり、50年も芝居をし続けてきたおじいさんがフレンドリーにいろいろ解説してくれる。


そうこうするうちに、11時を回ったので、まる屋に行って蕎麦ざんまい。
左上の黒っぽい物体は「はっとう」。
蕎麦で作った餅に黒ゴマをまぶしたもの。
お店にあった解説によると、その昔、「こんな贅沢なもんを食ってはならん」という法度(はっと)があったため、「はっとう」と呼ばれるようになったのだとか。

こちらは「そばがき」。
昔食べたときは、こんな巨大な塊じゃなかったけど、店によって違うのかもしれない。
これも蕎麦で作ってある郷土料理だ。
素朴な味わいだが、クセになる。

こちらは「そばがきだんご」。
これはそばがきの水気をとって、きな粉をまぶしたもの。
やっぱり「はっとう」の方が断然美味かった。

と、こんな感じで、下山後の方が盛りだくさんになってしまった2日目だった。

さらに、帰りの電車の中で鱒寿司まで食う始末。


こうして尾瀬(ほとんど観光)は終了した。


(了)

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