特に冬山は朝日が昇る何時間も前から活動が始まる。
というわけで、山小屋の朝飯も6時前に開始。
炊き込みご飯が嬉しい。
朝飯を食べ終わり、荷物のパッキングをしている6時半過ぎ、朝日が登り始めた。
御来光が山小屋の窓から見える。
日本人の習性なのか、なぜか皆で手を合わせて拝む。
この日の行程はせいぜい5時間程度なので、のんびりと支度していたつもりなのだが、やることが無くなってしまったので、7時には山小屋を出た。
山頂の端っこから見た富士山は、朝日を浴びて赤らんでいた。
低山とはいえ、朝の空気はピリリと引き締まって冷たい。これぞまさに冬の低山の醍醐味。
清少納言は「冬はつとめて」と書いているが、それを一番感じられるのは下界ではなく山ではないかと。
慌しくて騒がしい下界の朝から隔絶された山深くで、冷気に鼻の頭を赤くしながらただただ歩く。なかなかの至福だ。贅沢と言ってもいい。
丹沢山から30分ほど下ったり登ったを繰り返すと、休憩所が現れる。
休憩するほど歩いていないので、そのまま素通り。
そこから15分で不動ノ峰に到着。
看板によれば、不動尊が祭られているらしいが、どこにあるのかはよく分からない。
ここはちょっとした小ピークなのだが非常に展望の良いところで、丹沢山塊の向こうに富士山もよく見える。
ここからいったん下りて、もう一回登ったところが、今度は棚沢ノ頭。
↓こんなところを下りて登る。
で、15分で棚沢ノ頭に到着。
標識は風化していてロクに文字が読み取れず。
ここまで来ると、本日のメインディッシュ・蛭ヶ岳が一望できる。
山頂をよく見ると、蛭ヶ岳山荘の姿も。
棚沢ノ頭から蛭ヶ岳への最鞍部に下る途中に、鬼ヶ岩という大岩がある。
由来は看板に書いてある通り。
この鬼ヶ岩から最鞍部へは、今回のルートで唯一の鎖場を通る。
↓これが鎖場の一番上部。
ここから、↓こんなふうに下りる。
ここを下りきったら、蛭ヶ岳山頂までは登るだけ。
蛭ヶ岳の山頂には8時半に到着。
この山頂は展望が素晴らしい。
北東には宮ヶ瀬湖と、その向こうに八王子の街。
北西には南アルプス。
さすが神奈川県最高峰。
その蛭ヶ岳の山頂に建つのが蛭ヶ岳山荘だ。
どうせ急ぎの山行ではないので、ここで休憩をとる。
オヤジさんは柔和な感じの人で好感の持てるタイプだった。今度はここに投宿してみよう。
ゆっくり休憩をとり、9時前に出発。
↓絶景に立つ三分岐の標識。
向かって右に向かうのが丹沢山方面、まさに今来た道。
左は檜洞丸方面。丹沢主稜の方だ。
そして、奥が姫次方面。今から辿る道。
蛭ヶ岳の北側斜面は、陽が差さないのでやっぱり寒い。
この寒々とした風景。
ガイド地図では「急坂」と書かれている場所をバンバン下る。
このあとすぐに、ポカっと視界の開けた場所に出る。
ガイド地図では、多分このすぐ先に支尾根があって道迷いが危険だとされる場所のはず。
すると、この開けたところから樹林帯に入ってすぐのところで、そのポイントを発見した。
このロープが張られていなければ、たしかにこのまま直進して、登山道から離れてしまうリスクが非常に高い場所だ。
ちなみにここを直進すると、支尾根はすぐに切れ、複雑な地形の雑木林に迷い込むだけだ。
こんな冬の最中にまでしっかりと登山道がメンテナンスされていることに心から感謝して左折する。
そこから先は、立派な木道がしばらく続く。
本当にメンテナンスの行き届いた登山道だ。あまりにキレイな木道で、ここが山の中だということを忘れそうになるのが、強いて言えば残念なところである。
この木道のあとは、これまたメンテナンスの行き届いたトレイルになる。
こんな道を微妙に登ったり下ったりしながら、地蔵平のすぐ手前まで来たときに、木にテープが巻いてあるのに気付いた。
なんて書いてあるか見てみると、
ポッチ沢ノ頭・・・?
地図にはそんな地名はおろか、それに関連しそうな地名も書いてないんだが。。。
(帰宅してから調べてみたら、沢ヤのみなさんの間では有名な沢だったようで。)
少々戸惑いながらも、地蔵平到着。
なんということもない、どこの山にもあるちょっとした広場、という感じ。
ここから姫次までは基本的にずーーっと地味な上り。
地蔵平と姫次の中間点にある原小屋平には10時ちょっと前に到着。
昔ここには原小屋という山小屋があったそうで。
標識の柱の上に何故か湯飲み茶碗が置かれていたが、その小屋と何か関係があるのか?
10:13 姫次到着。
この標識の裏手を進むと袖平山に行けるのだが、今回はめんどくさかったのでパス。
姫次は展望の良い開けた場所で、立派なベンチもある。
昼飯には早いが、せっかくの展望とせっかくの日差しなので、休憩がてら軽く飲食。
座ってじっとしているとやや肌寒いが、冬の山とは思えない小春日和だ。
名残惜しいが、10分ちょっと休憩し、出発した。
そして、八丁坂ノ頭の分岐。
ここまで来れば、あとはひたすら下るばかり。
その先に、また青根方面への分岐が現れる。
この分岐の眼下に、広場があり、そこに避難小屋が建っている。
それが黍殻避難小屋だ。
せっかくなので下りてみる。
下りてみて分かってみたのが、すげー広い。
微妙に地面が鹿の糞だらけでちょっとイヤだったが、ぜっかく日当たりが良くて温かく、ベンチもあるのでここで昼飯にする。
30分の停滞の後、出発。
すぐに黍殻山山頂経由の道の分岐が現れるが、雨量計以外に見るべきものが無いようなのでスルー。
すぐに平丸分岐。
平丸に下りればお風呂に入れるのだが、それでは「主脈縦走」ではなくなってしまうので、あきらめた。
そしてついに、主脈最北の山・焼山の頂上に到着。
焼山の頂上には、なんだかいろいろなものが建てられていた。
まず、展望塔。
白樺の碑。
焼山のいわれ。
ここまでくれば、あとはなだらかな道をひたすら下るだけ。
かったるい道なので、2kmぐらいバンバン走って下る。
ほぼ下山の終了間近で西野々と焼山登山口とに分岐するが、せっかくなので登山口に下りようと決めていた。
そんなわけで、登山口。
地味!
登山口から先は林道を少し歩く。
で、その林道の入り口には柵が。
表に回ってみると、
登山者は通っていいらしい。よかった。
その先、すぐに民家が見えて、下界に帰ってきた実感が湧く。
このあと、三ヶ木のバス停までタクシー移動。ふぅ。
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