このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。
2012年11月12日月曜日
2012年10月21日 第3回 甲州フルーツマラソン 大菩薩コース
またこの場所に立つことになるとは・・・。
甲州フルーツマラソン大菩薩コースのスタートラインに立ちながら、己の業の深さを嘆かずにはいられなかった。
*****
10月21日、僕は甲州フルーツマラソンの会場に来ていた。
今年もまた、大菩薩コースに出場するのだ。
実はここ2ヶ月間、8月26日のXTERRAトレイルラン以降1kmたりとも走っておらず、完全な練習不足だった。
しかも、5泊6日のテント泊から1週間前に下山したばかりで、筋肉に疲労が残っている上に、スタミナも完全に消耗していた。
こんな状態で、とても走れるとは思えなかった。
昨年はひとりで参加したのだが、今年は知人夫妻と3人での出場だ。
自分だけ逃げるわけにいかない。
とほほ・・・。
(昨年の大会の様子はこちらから)
昨年は10km→13kmぐらいの間の給水ポイントが少なく(暑かったというのもあるが)、だいぶ苦労したので、今回はボトルポーチを装備して小さいペットボトルを持った。
これが後々不要だったということに気付かされる。
会場は去年と同様、ブラスバンドの演奏が雰囲気を盛り上げていたが、僕の心は沈んだまま。
相変わらず大菩薩コースのエントリー者数は少ないようで、他のコースの出場者が長蛇の列を作って受付をしているのに、大菩薩コースはほとんど待つことなく受付できた。
昨年に引き続き、スタートラインへは「大菩薩コース」というプラカードを持ったオネーチャンに誘導されて移動する。やっぱり恥ずかしさはあるものの、2回目にして既にだいぶ慣れた。
スタートラインでは、去年と同様、様子のおかしい人々がスタートの合図を今や遅しと待つ。
みんなワクワクが止まらないという顔をしているが、僕はもはや諦めの境地。こんなコンディションじゃ、そもそもゴールすることだって危ういんじゃないかと。
9:00、スタートの号砲が鳴る。
一斉にスタート。
もちろん僕は抑え気味で入る。
が、意外と体が軽い。
スタート直後からしばらくの間、フルーツラインと呼ばれる高台の道路を走る。
進行方向左側に南アルプスが丸見えのすばらしい眺望だが、写真を撮る余力は無い。
フルーツラインは勝沼から塩山に入る。
駅前にはこんもりとした樹林の丘が見える。
あの丘の由来について、今年のゴールデンウィークに地元のタクシーの運転手さんに何か聞いた覚えがあるのだが、内容が全く思い出せない。
甲州フルーツマラソンの公式情報では、大菩薩コースは23km登りっぱなし、というような書き方がされているが、塩山の先から1km程度いったん下る。
最も長い下りは牛奥トンネルだ。
このトンネルがやたらと長く、当然空気はひんやりとしている。
涼しくて適度な下り坂となるとついつい飛ばしてしまうが、ここで足を使ってしまうと後が辛くなる。
ブレーキをかけすぎないよう、しかして飛ばし過ぎないよう、コントロールしながら走る。
やはりコースを知っているというのは安心感につながり、パフォーマンスにも影響するようだ。
こんなに悪いコンディションにもかかわらず、10km地点までは快適に走れた。
昨年は13km地点まで走って、そのあと早歩きに切り替えた。
今回も同じ作戦で行きたい。
が、12kmあたりで、すでにブレーキがかかりはじめた。
大菩薩の斜面に入る前に足が止まってしまうとは。。。
昨年はこの時点でもう少し余力があった。今はもう吐きそうだ。
明らかにスタミナ不足だ。
しかも、なんと上腕二等筋が痙るという、ちょっと信じがたいトラブルに見舞われた。
メガネ男子である僕は、走っているとメガネがズリ落ちるのだが、それを直そうとした際にピキン!と固まったまま激痛が走ったのだ。
下半身や背筋、腹筋は登山で鍛えられていたのだろうが、上腕二等筋や三角筋は登山で使わない筋肉であるため、腕を振る負荷に耐えられなくなったのだろう。
その後、メガネの位置を直すたびに細心の注意を払わなければならなかった。
痙った理由は、給水不足ではなかったと思う。
なにせ、今回は給水所がものすごい頻度で現れた。
去年の苦しさが嘘のように給水でき、装備したボトルポーチが不要だったことに気付かされた。
運営改善がされている。すばらしい。
そんな運営改善にもかかわらず、15km地点では、僕はもうリタイアしてしまいたかった。
体温は下がり、万が一に備えて持参したウィンドブレーカーを着込む始末。
吐き気はどんどん強くなり、ふくらはぎのこわばりも度を増していく。ともすれば、両方のふくらはぎがいっぺんに痙ってしまいそうだった。
残りは10kmを切っているのに、絶望的な気持ちでヨタヨタと歩を進めた。
もはや攻め早歩きなどではなく、無意識のままに歩く亡者のようなものだ。
謝って済むのであれば、土下座でもなんでもしたい気分だった。
むしろ土下座させてください。世間の皆様申し訳ありませんでした!
18km地点で、もはや3時間以内のゴールは夢となった。このペースでは、3時間10分を超えてしまう。
今の僕にできることは、3時間からオーバーする時間をいかに少なく済ませるかだけだ。
エントリーした時点での目論見としては、ここで2時間半を切って富士登山競走のエントリーに弾みをつけるつもりだった。
それが、3時間すら切れないとは。。。
汗とヨダレと鼻水が垂れっぱなしになりながらも、涙は出なかった。涙を流すには、あまりにも情けない姿だったからだ。
残り1km。
ミニーちゃんの仮装をしたオッサンに抜かれる。
なんという屈辱。
6月の乗鞍天空マラソンでサイヤ人に抜かされた時以来の屈辱だ。
3時間をオーバーして、ヘロヘロになりながらついにゴール。
そのまま長兵衛ロッヂにフラフラと入り込んで、
コーラを購入。
日向にいても寒くて仕方がないので、さっさと送迎バス乗り場に向かうことにする。
1kmほどの山道を下り、送迎バス乗り場である駐車場に到着。
地面が斜めなのは、斜面に駐車場が作られているためではなく、僕がヘロヘロの状態で撮影したからだ。
駐車場にはブルーシートが敷かれ、ぞくぞくと到着する選手たちを向かい入れている。
富士山も見えた。
得した気分。
ここで、とっくの昔にゴールしていたツレが迎えてくれる。
ランニング歴は僕の3分の1以下なのに、とっくに僕よりも速くなっているのだ。非常に悔しいがどうしようもない。
去年と同様、大菩薩コース参加者用に、この場で弁当や振る舞いワイン、振る舞いぶどうが配られる。
弁当。
ぶどう。
ワイン。
至れりつくせりだ。
ただ、去年はあったぶどうジュースが今年は無かった。残念。
今朝方、宿のオジサンに聞いたのだが、大口のスポンサーが降りてしまって以来、大会運営がだいぶ厳しいようで、大会側としてもやりくりが大変なのだろう。
それでも、回を重ねるごとに運営改善がされていく様子に、心から感謝の念を禁じえない。
休憩をして人心地がつくと、意外と近辺の紅葉が進んでいることに気付いた。
カラマツもすっかり色付いていた。
去年の大会のときには、ここまで紅葉は進んでいなかった。
やっぱり去年の紅葉は遅かったんだなぁ。
さあ、下界に帰ろう。
バスに乗って。
ここで、残念なことに、バスの並び方の誘導が至っていないという理由で、運営スタッフに食ってかかる参加者がいた。
たしかにちょっと仕切りが十分でないなーと思う点もあったが、なにもそんなに食ってかからんでも、、、と思った。
運営スタッフも大会運営でメシ食ってんじゃないんだから、不慣れなこともあるだろうに。。。
バスで下山し、天空の湯に入ってさっぱりしたところで帰京。
来年またエントリーするかは今のところ未定だが、やはり良い大会だなーと思う。
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