日本一の変態山岳レース。それがトランスジャパンアルプスレース(TJAR)だ。
このレースは、2年に1回開催されるのだが、2012年大会はNHKスペシャルの密着取材が入り、レースの模様が放映された。
本放送も再放送も見逃した僕は、再々放送でやっと見ることができたのだが、激熱である。
捻挫している場合じゃない、と。今すぐ走らなきゃイカン、と。
で、結局、近所のコンビニまで走ろうとして、3歩で痛くなって挫折したのですが。
そんなわけで、快晴の3連休なのに、部屋に引きこもっています。
そんな激熱な番組だが、テレビ放映は尺がシビアである。8日間、28人の選手への密着取材が、たった73分に収まりきるわけもなく、当然、泣く泣くカットせざるをえないような部分もあったそうだ。
そういった部分も含めて、番組が書籍化された。
それが 『激走!日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km』だ。
僕がTJARの存在を知ったのは、2008年大会終了直後に、なんかの雑誌に出ていた優勝者の田中正人さんのインタビュー記事でだった。
日本アルプス縦断を5日半でできるものなのか?? もはや現実の話ということすらピンと来なかった。
そして、2010年大会、その田中正人さんの記録を塗り替えたのが望月将悟さん。いったい何を食ったらそんなふうになれるのか、僕の理解の彼方の話だった。
そして、2012年大会。
GPSの情報によって、各選手の現在位置がほぼリアルタイムにTJARのサイト上に掲載される。
それを見ながら、望月さんのブッチギリだなぁと思ってたら、望月さんの位置情報が途中で消えた。
「まさか!」と思ったら、何のことはない、GPSが正常に稼働していないだけである旨が、サイト上に掲載されていた。
そして、気付くと、いつの間にか望月さんがブッチギリのタイムで優勝していた。
そんなわけで、レースの状況は、凡百以下の我々には分からないままに進むわけなので、他のスポーツのような臨場感を味わうことはできない。
だが、本書を読んで、選手一人ひとりの息遣いがヒリヒリするほど伝わってきた。番組と合わせて楽しんだら、これはもう臨場感どころの騒ぎではない。
密着の取材が入ることで、選手に対するストレスもかかるのではないかという批判ももしかしたらあるかもしれないが、この番組&書籍は、僕にとっては非常にありがたいことこの上ない。
ところで、多くの選手たちがインタビューで、
「僕のような普通の人間でもやれるんだ、ということを証明したい」
というような旨の発言をしていたのだが、参加資格であるフルマラソン3時間20分って、「普通」ではないからね! 僕みたいな鈍足からしたら、その時点で雲の上だからね!
悔しいけれど、僕は一生かかってもTJARには出れそうにない。
まずは捻挫を治し、リハビリに励みたい。当座は、日本ハムファイターズの大谷選手より先に戦列に復帰することを目標としたい。
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