(この記事は「【2日目】 赤岳鉱泉~硫黄岳~美濃戸口」編の続きです。)
完璧な計算など、存在するわけが無い。
驕れるものは必ずどこかで小さな綻びを見逃し、そしてそれがために身を滅ぼすのだ。
まさにそれが、この日の僕だ。
15時に迎えのタクシーに乗るなり、運転手さんがものすごいことを言い出した。
「もう特急は運休になってるよ」
・・・・・えっ?!
最初、何を言われているのかサッパリ理解ができなかった。
その後、言葉の意味が理解できると、今度は運転手さんがタチの悪い冗談を言っているのだと思った。
が、どうやらそういうことではないということが、3分ぐらいかかってやっと理解できた。
運転手さんの話によると、台風の接近を受けて、JR東日本は早々に中央本線の特急の運行を取りやめたとのこと。
なんということだ!
俄かには信じられない。
そんなバカな!
どうやって東京に帰ればいいんだ?
明日は朝から仕事だぞ!
一気にいろいろな思いが交錯する。
元々の予定では、茅野駅の近くにある入浴施設でサッパリしてから、茅野駅から特急に乗って帰るはずだった。
が、もうそんなことは言ってられないようだ。
少なくとも風呂は諦めたほうが良さそうだ。
運転手さんのアドバイスによれば、まだ各駅停車は運行しているとのことだが、茅野に行くと非常に電車の乗り継ぎが悪いそうで、もう一つ東京側にある小淵沢駅まで行くと上り電車の始発があるとのこと。
そういうことなら、大人の財力にモノを言わせて小淵沢まで行こうじゃないか。
タクシーで小淵沢駅まで送ってもらい、運転手さんに礼を言って駅舎に入る。
確かにまだ各駅停車は運行しているようだ。
駅の券売所には、
「本日は台風接近に伴い特急は運休しています。旅行の計画などは取りやめていただくようお願いいたします」
というような意味のことが書かれた看板が出ていた。(文言はうろ覚えだ。)
取りやめるもなにも、今旅行中なんだけど。
諦めるのが早すぎるぞ!>JR
正直なところ、こんなに早くJRが運休を決めるなんて、計算外だった。
下山のタイミングまでは計算通りだったのに、思わぬ伏兵に横槍を食らったような気分だ。
その後、なんとか電車を乗り継ぎ、新宿にたどり着いたのは19:40頃。
後で知ったことだが、僕が新宿にたどり着いた直後ぐらいに、大月~高尾の区間が、各駅停車すら運休になったとのこと。危ないところだった・・・。
計算などというものは、およそアテにならないものだと、つくづく思い知った次第である。
とほほ・・・。
(完)
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