このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。
2013年2月28日木曜日
NHKスペシャル取材班 『42.195kmの科学 マラソンの「つま先着地」VS「かかと着地」』
従来のマラソンのランニングフォームにおいては、かかと着地が良いとされてきた。
00年代に読んだマラソンのHowTo本には、だいたいどれも「かかとで着地し、つま先で蹴り出す。足を前後させるのではなく、回転させるイメージで」ということが書かれていた。
だが、かかと着地をすると膝が痛くなる。そんな膝痛に悩んでいた頃に出会ったのが、後のベストセラーである『BORN TO RUN』だった。
『BORN TO RUN』では、従来のランニングテクノロジーに対する異議と、ベアフッドランニング対する賛辞が書かれていた。
当時は、かかと着地の衝撃を抑えることにシューズメーカーのテクノロジーが過剰に注がれていて、シューズのかかと部分にワケの分からない衝撃吸収素材がゴテゴテを付けられていて、走りづらいったらありゃしない状態であった。
僕は『BORN TO RUN』を読んだあと、それまで履いていたランニングシューズを捨て、エリートランナー向けのペラペラな靴底のシューズを履くようになった。ベアフッドとはいかないまでも、ペラペラなシューズならそれに近いのじゃないだろうかと考えたのだ。
だが、そんなペラペラのソールのシューズで、十分に足の筋肉が出来上がっていないにもかかわらず従来の走り方をしたら、完全に膝が壊れてしまう。
そこで参考にしたのが、ベアフッドランニングの入門書だった。
それによると、ベアフッドランニングでは、かかとではなくつま先で着地するのだという。
さっそくつま先着地を試してみると、走り始めてすぐに、スネの筋肉が痛くなった。
特に、利き足側のスネの筋肉が痛い。やはり利き足の方が筋肉が弱いらしい。
いままでの走り方と異なるので、そりゃ今まで痛くなったことのない部分が痛くなるわなーと。
そんなつま先着地の走法は完全に我流なので、正しいのかどうかも分からない。
が、どうやらケニアのマラソンランナーはつま先着地らしいということを、いつも通っているスポーツマッサージの先生から聞いて、とにかくこのままつま先着地の走法を続けようと思って今日に至る。
最近はすっかりロードに対するモチベーションが消え去り、走るのはトレイルランニングに絞っていこうかと考えているのだが、そんな時に出会ったのが今回取り上げる『42.195kmの科学 マラソンの「つま先着地」VS「かかと着地」』である。
本書では、フルマラソンで2時間3分台の記録を持つケニアとエチオピアのランナー合計3名の身体機能を科学的なアプローチで調べ上げ、日本のトップランナーとどう違うのかを比較検証している。
それは、筋肉の作りや心肺機能、血液の組成などにも言及している。
そのなかで、非常に印象に残った部分がある。
今回の取材対象となった3選手の1人、パトリック・マカウに対し、その細くて長い足について取材者が言及すると、マカウはそれに応えてこう言ったそうだ。
「そうでしょ! 僕にとっては細くて長い足が重要なのです。あなたの足みたいに太くないのがね」(同書78ページ)
そう、ケニアのランナーの足はみんな細くて長い。特に膝下の細長さは、マラソン中継を見るたびに、これが同じ人間なのかと驚く程だ。
その近くを走る日本人選手の足は、太もももふくらはぎも太くてゴツゴツしている。(長さについては言うまい。)
実は、僕の足も、頻繁に山に登るようになってからどんどん太くなってきている。
おかげで、ちょっとやそっとでは壊れないタフな足にはなったのだが、ロードを走っている時にスピードをあげようとすると、なんだかとても邪魔に感じるようになった。
ケニアの選手のような足になれたら、それはそれはすばらしいことなんだけどなー、、、
いずれにしても、本書を読んで、我流で始めたつま先着地は決して間違いではないと確信するに至った。
ロードはもうあまりやる気はないけれど・・・。
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