だが、実際はクマだけでなく、様々な野生動物が危害を加えてくる可能性も充分にある。今どきの野生動物は、人間をナメているのだ。
先日、アウトドアショップの店員さんが「笠取山で鹿に囲まれて怖かった」と話してくれた。
そう、実はオスの鹿はけっこう気性も荒いので、油断がならないのだ。
そんな今どきの野生動物事情に鋭く迫った本が、『写真ルポ イマドキの野生動物 人間なんて怖くない』だ。
本書の著者は写真家であり、中央アルプスをメインフィールドにして動物の写真を撮り続けている。
本書には、人間を恐れなくなった野生動物たちの姿が生々しく描かれている。脅しても逃げないクマなどは、もう僕にとって恐怖の的でしかない。
もちろん、そういう固体は全体の少数派ではあると思うのだが、人里に近いところにいる野生動物ほど人間を恐れなくなる割合は高いのではないかと。
そうなると、登山口周辺なんかは特に油断できない。
オオカミを日本に輸入して野に放とうとしている人たちは「狩猟圧」という言葉をよく用いるが、まさに人間が直接的に野生動物に危害を加えることが少なくなって久しく、そりゃ動物側も人間に対する警戒心が薄くなるわな、と。(もちろん、環境破壊などによる間接的な危害は今なお甚大だと思うが。)
現代日本に生きる社会の構成員として、と同時に、1人の登山者として、野生動物に対してどのように向き合っていくべきなのか、本気で考えなくてはならないように思う。そして、本気で行動しなければならないように思う。
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