七ツ石山をあとにして、次に目指すは高丸山。まだその山頂に立ったことはない。
雲取山荘で他の登山者から聞いたところによると、高丸山の東側斜面(今回の僕でいえば登る方の斜面ではなく、下る方の斜面)は、日が高くなると斜面の雪や霜が融けてドロドロになり、けっこうな急斜面だから滑って危ないとのこと。
しかも防火帯の広々とした登山道だから、すがるものも無く、大変難儀するそうだ。
そんな話を聞いてしまったら、正直尻ごみしてしまう。
七ツ石山から鷹ノ巣山にかけては快適な巻き道もあるので、そちらを通れば何も難儀すること無く通過できるのだ。
だが、それでは石尾根を縦走したとはとても言えない。縦走路上のピークはキッチリと踏んでいきたい。
というわけで、意を決して尾根道を行く。
石尾根の尾根道は南側の展望が特に良い。
まずは、9:00、千本ツツジのピークに到着。
誰が作ったのか三角点と向かい合わせに可愛らしい雪だるまが。
ここから高丸山までは、6月ならばツツジのキレイな場所だ。
が、今の季節は何もない。
高丸山に登る西(正確には南西)側の斜面は完全に雪が溶けて晩秋のようなたたずまいだった。
斜面を登りながら振り返ると、そこには南アルプスの山々がはっきり見えた。
9:45、高丸山山頂に到着。
もう日も高くなっている。東(正確には南東)の斜面は、果たして同宿の登山者が言っていたように グチャグチャの急斜面なのか。
うん、だいぶグチャグチャ。。。
そして、ホントに急斜面。
来し方を振り返って写真に収めようとするだけで、コケそうになる。
↓コケそうになりながら撮った1枚。
同宿の登山者の言ってたことは100%本当だった。
これがまだ10時前だから良かったものの、もっとたくさんの登山者にコネくりまわされたあとの昼下がりとかだったら、ガチでヤバかったと思う。
次のピークは日蔭名栗山。
その日蔭名栗山との最鞍部からの眺めが素晴らしすぎて、しばしたたずんでしまった。
もちろん富士山も見えて、
南アルプスも見える。
アドレナリンが出っ放しになる風景がひたすら続く。こういう時、つくづく山に来て良かったと心から思うのだ。
その鞍部には、そこそこ雪が残っていた。
鞍部からなだらかな坂を登って、日蔭名栗山の頂上に到着。10:20。
山頂が地味すぎて、三角点以外の写真を撮る気が失せてしまった・・・。
地味な山頂は早々におさらばして、いよいよ次は七ツ石山以降のメインディッシュ、鷹ノ巣山を目指す。
日蔭名栗山を下るとすぐに、最鞍部の巳ノ戸ノ大クビレに至る。
画像右側、巻き道との合流地点。
そのすぐ先には鷹ノ巣山避難小屋。10:45に到着。
小屋の中は決して広くないけど、とてもキレイなログハウス風。こんなところに泊まってみたいもんだ。
トイレもある。
さて、朝メシが5時だったので、ここで昼メシにする。
昼メシは雲取山荘でお願いしたお弁当。
写真ではちゃんと見えてないが、ソーセージと卵焼きの間に、アルミホイルに仕切られてメザシの甘露煮が入っているんだよ、これが。ラッキョウの酸味も疲れた体に嬉しい。
彩りは地味だが大変美味しくいただきました。やー、幸せ!
弁当を食べて、食後のコーヒーも飲んで、11:25再出発。
またコツコツと登り始める。
地味に険しい。
そして、山頂手前から来し方を振り返る。
嗚呼、僕はこういうところを歩きたくて、ここまで来たんだなぁ。
そして、ついに鷹ノ巣山山頂に到着。11:50。
実は鷹ノ巣山の山頂に立つのはこれが初めてだった。
なんと素晴らしい眺望であることか。
これは1枚の写真に収められない。
ということで、動画を撮ってみた。
もうこのままこの場から離れたくないような気持ちだったが、そうも言ってられない。
思ったよりもここまで来るのに時間がかかってしまった。
気合を入れなおして歩かないと、奥多摩駅に着く前に日が暮れてしまう。ここからまたしばらく尾根道歩き。
見上げると、抜けるような青空。
あとは下山するばかりとなったこのタイミングでは、下界に戻りたくない思いが強くなってきて、青空さえも足取りを重くさせる。
水根山山頂手前の分岐標識。
そんでもって、すぐに水根山山頂。
この上なく地味。
このまましばらく尾根歩きをする。
すると、なんかのピークっぽい場所を発見。
登って写真を撮ってみた。
地形図を見て照らし合わせてみるが、イマイチここがどこなのか確信が持てない。
うーん、と唸りながら登山道を進むとすぐに急な下り斜面が現れた。
あー、こんな急坂、このあたりには城山の東側にしか無いから、さっきのピークっぽいところが城山だったんだ、と理解。
案の定、しばらく歩くと将門馬場と思しき広々とした場所が見えてきた。
将門馬場はその名の通り、平将門が馬を調練するのに使っていた場所だという。実際、この山の中にあって、けっこうな広場だ。
登山道は、その将門馬場のピークを通ってはいない。でも、普通に行けそうではある。
悩んだ結果、時間も押しているので諦めた。無念。
このあと、石尾根縦走路は六ツ石山の北側斜面を巻いてそのまま山頂を通らずに東に抜ける。
北側斜面をトラバースする道なので、標高の割りに雪がかなり残っていた。
時間に余裕があれば六ツ石山の山頂も踏みたかったのだが、すでに六ツ石山への分岐にたどり着いたのが13:30。ちょっと時間的に余裕が無く、断念。。。
将門馬場、六ツ石山と、課題の残る山行になってしまった。
そのまま縦走路を東へ。
不老山の根元ではいかめしい祠を見かけた。
そして、三ノ木戸林道への分岐に到着。時刻は14:05。
もうここまで来れば着いたも同然、と思ってしまった自分を、今となっては叱り飛ばしたい。
実はここからが大変だった。
すでにアイゼンは六ツ石の分岐を過ぎたあたりで外していたのだが、この先のヒノキ林の中を通る登山道が、カチカチに凍っているのだ。
ヒノキは常緑樹なので、こんな季節でも地面に陽の光がほとんど届かず、ひどく凍ってしまったままになっているのだ。
空気全体がヒノキの香りで気持ちいいのだが、何度滑って転びそうになったことか。
いや、実際に1回はコケたし。
しかも、六ツ石分岐以降、人の気配がパッタリと消えてしまった。やっぱりみんな、奥多摩湖のほうに下山してしまったんだろうか。
こんなに人の気配が無いと、昨年9月に甲斐駒ケ岳のふもとでクマに出会ったときのことを思い出す。こんなところで、冬眠に失敗したクマなんかに出会ったら最悪だ。とりあえず、クマ鈴を全開に鳴らしながら歩くのが、精一杯の対処法だった。
そんなわけでヒヤヒヤしながら歩き続け、林道に出る直前の目印である稲荷神社に到着。15:07。
ここまで無事たどり着けたことをお稲荷様にお礼申し上げる。
そしてすぐに登山口に出る。15:15。
登山口には、投げやりな案内も書かれている。
この「六ツ石→」のペイントには、ヤンキーが「○○参上」と書いているのと同じテイストを感じずにいられない。
なにはともあれ、これで下山だ。あとは温泉に入って帰るだけだ。
と思っていたら、ここから先が長かった・・・。
ひたすら舗装道路を歩き続け、
ゴール地点である温泉宿の三河屋さんにたどり着いたのは16:00だった。。。。
こんなに遠かったっけかなぁ・・・?
予定時刻より1時間40分遅れのゴール。
完全にナメてました。
深く反省です。
お天気がよくて、よかったですねえ~~!
返信削除行きたかったけど、無理しなくて正解、と感じました。
完全に足手まといになっていただろうなーと思います・・・。
それにしても南アいいなあ、行きたいなあ。今から夏が待ち遠しい。
>はるさん
返信削除なんにしても、今後の登山ライフを考えたら、怪我を治すほうを優先したほうが良いよ。
是非改めて行きましょう。
今週も休んで、おかげさまでもう大丈夫そうです!(´∀`)
返信削除来週はリハビリ予定♪